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日本財団は、いったい何をしているのか〈第七巻〉コロナ禍とパラリンピック 鳥海美朗(著) - 木楽舎
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日本財団は、いったい何をしているのか〈第七巻〉コロナ禍とパラリンピック (ニホンザイダンハイッタイナニヲシテイルノカダイナナカンコロナカトパラリンピック)

社会一般
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発行:木楽舎
四六判
縦195mm 横134mm 厚さ20mm
重さ 440g
332ページ
上製
定価 1,500円+税
ISBN
978-4-86324-162-6   COPY
ISBN 13
9784863241626   COPY
ISBN 10h
4-86324-162-3   COPY
ISBN 10
4863241623   COPY
出版者記号
86324   COPY
Cコード
C0036  
0:一般 0:単行本 36:社会
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2020年12月1日
書店発売日
登録日
2021年9月3日
最終更新日
2021年12月13日
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紹介

新型コロナウイルスという、「見えざる敵」と闘い、
パラリンピックの成功へ全力で取り組んだ
日本財団の活動をたどったシリーズ第七弾!

新型コロナウイルス感染症が広がった2020年から2021年にかけ、
日本財団はとてつもないプロジェクトを展開した。東京2020パラリンピック
(オリンピックを含む)を支援する大掛かりな事業の一方で、
軽症感染者向けの宿泊療養施設の設置や
救命救急医療機関へ設備・機材の購入支援、高齢者福祉施設の職員ら
に対する無料PCR検査の提供……。コロナ禍と闘う取り組みを次々と打ち出した。

目次

目次

■序章 明けない夜はない

■第1章 緊急支援第一弾 
(1)苦渋の二者択一 
戦後最大の国難 
医療崩壊の危機 
走りながら考える 
パラアリーナの閉鎖 
命の重さ 
(2)幹部たちの合作
日本人「茹でガエル」論
スピードが本領 
あえてリスクを背負う 
理事長の根回し 
官僚人脈を知る 
お役所の長所と短所 
慎重だった東京都

■第2章 支援改まる 
(1)未知の災害 
現実即応の縮小 
専門家の助言 
個室型プレハブハウス 
(2)資金捻出の工夫 
官民協働、談判も 
相次ぐ寄付金 

■第3章 緊急支援第二弾 
(1)医療従事者へのエール 
愛のタクシーチケット
日本的な矜持
感染防止タクシー
障害者たちの奮闘
ホームホスピスからの声
恥ずかしい差別
(2)子どもを支える 
「こども食堂」
第三の居場所
オアシス
タブレット支援
里親とファミリーホーム
親が感染した場合

■第4章 支援第三、四弾 
(1)複合災害に備える 
のど元を過ぎてはいない
対岸の火事ではない
指導医指定施設
救急医療の危機
ドクターカー
人材の育成
(2)お台場からの発信 
ペット同伴という発想
犬、猫、ウサギ、ハムスター
災害危機サポートセンター
ラオスから日本へ
(3)PCR検査センター 
週一回、無料提供
エッセンシャルワーカー
東京から首都圏へ
日本財団を活用してほしい
支援第五、六弾

■第5章 闘いの正念場 
(1)パラリンピックの試練 
パラアリーナの復活
育ての親
備えあれば患えなし
ファーストペンギン
(2)スポーツの力 
人間の潜在能力
元甲子園球児の転身
キャリアフォーラム
チーム・パラリンピック
社会を変えるスポーツ
名物講師の出前授業
驚異的な参加人数
(3)コロナ二負ケズ 
パラサポの存続
被災地からオリ・パラへ
20万人超の応募
ボランティア魂
想いはひとつ
共生社会へ
アイムポッシブル

■終章 車いすからの風景 

■ポストコロナ時代に思う笹川陽平/順平からのメッセージ 
テレワーク考
大空襲に匹敵する衝撃
〝婦唱夫随〟
社会観察の機会
読書のすすめ
テレワーク再考
ポストコロナ社会
ハイブリッド方式で

前書きなど

2021年の夏、多くの日本人は東京を中心に繰り広げられたスポーツの祝祭の日々を、大きな屈託を抱えつつ、しかし、事態打開への祈りを込めて過ごしたに違いない。祝祭とは、東京2020オリンピック競技大会(7月23日~8月8日)、つまり東京五輪と、それに続いた東京2020パラリンピック競技大会(8月24日~9月5日)である。屈託とは、言うまでもなく全世界に広がった新型コロナウイルス感染症に起因する危機的な気分であり、祈りとは、スポーツのもつ力によってあらゆる災厄を一掃してほしいと願う心持ちであろう。

五輪は今や、パラリンピックと一体になった祝祭としてとらえられている。8月8日に国立競技場で行われた五輪閉会式で、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会会長の橋本聖子はこう述べた。「私たちの旅はまだ続きます。逆境を乗り越え、自らの可能性を信じるパラリンピアンの躍動が始まります。私たち組織委は万全の準備でパラリンピックを迎えたいと思います」

オリンピックを終えたばかりの時点で、橋本がすぐさまパラリンピックに言及したのは、理想の世界のありようを発信するスポーツの一大連続イベントが、今回は前例のない試練に晒されていたからだ。競技は大半の会場で無観客で行われ、児童・生徒にパラリンピックの観戦機会を提供する「学校連携観戦プログラム」を直前になって中止する自治体も相次いだ。基礎疾患を抱えるパラアスリートが感染した場合、重症化リスクが高いともいわれ、政府や開催都市の東京都、そして大会の運営にあたる大会組織委は、競技施設の建設や参加各国の選手・大会関係者らの受け入れに加え、感染防止策という、非常な困難が予想される対応を迫られることになった。

中でも負荷が大きい対応を迫られたのは日本財団だろう。日本財団には1962年の創立以来、スポーツの振興と障害者の支援に力を入れてきた実績がある。障害の有無にかかわらず「努力次第で誰もが活躍できる社会」を目指す運動を続けてきたのが日本財団であった。これはパラリンピックの理念に合致する。2015年からは東京2020大会に合わせ、パラリンピック競技団体を支援する数々の事業を展開していた。ところが、新型コロナウイルス感染症によって、日本財団が取り組まなければならない

対象はいっきに重層的になった。従来のパラリンピック選手や競技団体への支援だけでなく、スポーツを含むあらゆる分野での支援が求められていた。感染症の患者に向き合う医師や看護師ら医療従事者への支援は言うまでもない。
日本財団はこれまでにない挑戦に乗り出すことになったのである。コロナ禍の軌跡をたどりながら、日本財団の取り組みを追うことにする。
          

著者プロフィール

鳥海美朗  (トリウミヨシロウ)  (

1949 年徳島県生まれ。早稲田大学第一文学部卒。1973 年産経新聞社入社。
大阪社会部勤務の後、社内制度で米国イリノイ大学シカゴ校大学院などに留
学。ロンドン支局長、ロサンゼルス支局長、外信部長、編集局次長、編集長
などを経て論説委員。2013 年6 月退社。同年7 月から日本財団アドバイザー。
産経新聞客員論説委員。著書に『鶴子と雪洲』(海竜社、2013 年)、シリーズ
『日本財団は、いったい何をしているのか』(1 ~6巻)など。

上記内容は本書刊行時のものです。