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子どもはミライだ! 子どもが輝く発酵の世界
- 出版社在庫情報
- 品切れ・重版未定
- 書店発売日
- 2022年2月1日
- 登録日
- 2021年9月3日
- 最終更新日
- 2024年2月2日
書評掲載情報
2022-07-24 | 日本農業新聞 |
2022-02-25 | みんなの発酵BLEND |
2022-02-01 | ORGANIC PRESS |
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重版情報
3刷 | 出来予定日: 2023-05-10 |
2刷 | 出来予定日: 2022-09-20 |
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紹介
全国のお母さんから圧倒的な支持を集める大ヒットドキュメンタリー映画「いただきます みそをつくるこどもたち」の映画監督・オオタヴィンによる初のフォトエッセイ集。
詩的な映像美を再現する数々の写真とともに、発酵食、オーガニック農業、自然保育、自由教育...これまでのドキュメンタリー作品で取り上げてきた“持続可能な社会には大切なもの”を読み解く一冊。
目次
はじめに
第1章 みそをつくるこどもたち 食べたものが、わたしになる
門をくぐると そこは昭和だった
『はなちゃんのみそ汁』と出合う
そして、映画がはじまった
1970年代のミステリー
祖先の道に還ることは、文明の退化ではない
西園長は、武士だった
さらば、園長
ソウルフードがある幸福
ポエトリー・ドキュメンタリーのつくりかた
タネをまく人
第2章 ここは、発酵の楽園 食べたものが、心になる
そうだ、『いただきます2』をつくろう
180度変わる微生物の常識
“オーガニック野菜は、虫食い野菜”という誤解
“オーガニック農業は重労働”という誤解
世界を逆さから見る男
微生物は、りんごの守り神
菊地さんが目指すは、食養農業
毎日、「薬」を食べよう
雑草という草はない
里山保育が育てる地球の子どもたち
みそは、おかあさんのお守り
おこめのかみさま
クラウドファンディング、してみた
究極の健康法?
第3章 夢みる小学校 まず、子どもから幸福にしよう
「先生」がいない!? 子どもが主役の学校
「学年」がない、「テスト」がない、「成績通知表」がない
愛があふれる職員室
本籍地は子どもの村、現住所はパジェロ
旅立った子どもたち
僕は「発達障害児」だった!?
「教育システム」が「発達障害」をつくる
ミライの学校
実は公立学校も自由だった
もっと、先生に自由を!
「公教育」だって、選択したい
“学校”が、みる夢
その後の「夢みる学校」
中学生の僕へ
第4章 大切なことは、みんな川が教えてくれた
「あの瀬を越えられたら、人生が変わるよ」
川の学校
ネイティブジャパニーズ
水上の瞑想
自分のなかの「医者」と邂逅する
食べたものが、夢になる
第5章 まほろば ようこそ、なつかしいミライへ
コロナがやってきた
自然免疫あふれる保育園
コロナで加速するオーガニック
えー、こちらは、まほろば放送局です
なつかしいミライの田んぼ UTAUTA
まほろばの宮沢賢治
ようこそ、なつかしいミライへ
あとがき
前書きなど
子どもは、ミライだ!
ミライとは遠い将来ではなく、ボクらの目の前にいる子どもそのものです。
すべての子どもは、“未来人”です。
子どもが変われば、世界が変わります。
はじめまして。
ドキュメンタリー映画作家のオオタヴィンです。
子どもをテーマにした3本の長編ドキュメンタリー映画をつくってきました。『いただきます1 みそをつくるこどもたち』『いただきます2 ここは、発酵の楽園』『夢みる小学校』。つくればつくるほど、撮れば撮るほど、子どもはミライそのものだ、と実感しています。
ひとりの子どもは、すべての“過去の果実”であり、“ミライの種”です。命は単体の存在ではなく、過去とミライをつなぐ生命の環(circle of life)なのです。子どもたちがひとりもいなくなった世界を想像してみてください。なんて淋しい世界でしょうか。
子どもたちは、希望そのものです。
ボクらは、どんなミライをつくるのでしょうか。
ボクらは、ミライに何ができるのでしょうか。
ドキュメンタリー映画って「客観的な記録映像」だと考えている方も多いでしょう。でも、多くのドキュメンタリー映画監督が「あらゆるドキュメンタリーは個人的な体験記だ」と書いています。確かに自分で映画をつくってみると「客観的記録なんて存在しないのだ」と実感します。監督の主観によって、同じ素材でも180度異なった記録映像をつくりだすことも可能だからです。
ドキュメンタリーの映画監督は、童話の『北風と太陽』に例えると、おおまかに北風派と太陽派に分かれます。問題を鋭く告発したり追及したりする「北風派」が、ドキュメンタリー映画の主流です。
僕は「太陽派」なんですね。あえて、自分が怒っていること、理不尽なことについての映画をつくりたくないんです。
「これはいいですよ、ほら、こんな風にいいんだから、ねっ、すてきでしょ」っていう映画をつくりたい。発酵食とか、オーガニック農業とか、自然保育とか、自由教育とか、現在の日本では、まだマイナーとされている題材(でも、持続可能な社会には大切なもの)を、堂々と、やさしく、エモーショナルにお伝えしたい。
僕の映画は、ドキュメンタリー映画なのにちょっと詩的な語り口なんです。
「ポエトリー・ドキュメンタリー」と命名しました。
1本のドキュメンタリー映画をつくるためには、長期の現場取材、科学的なエビデンスの検証、識者の最新インタビューが必要です。そうして凝縮された映像情報を、僕は「詩」のように観客のみなさんに手渡したいのです。本書の文体も映画文体に合わせて、ちょいちょいポエトリーします。そうすると、書体が変わり、とっても主観的な世界に突入しますので、よろしく。
僕の映像作品は、こんなミライになっていくといいのにな、という「ミライのドキュメンタリー映画」です。そこは、AIが管理するハイテクでクールなミライじゃなく、どこかほんわか「なつかしいミライ」、そして「発酵のミライ」です。
土のなかに微生物がいなければ植物は生きられず、植物がいなければ動物は生きられません。微生物は、生命の環のまさに“土”台なのです。さまざまな現場の取材を通して、「発酵は、微生物と共生する幸福感を伴うもの」と確信しました。
「発酵のミライ」は、アフターコロナの世界でも、きっとよろこびに満ちているでしょう。
僕がつくってきた映画を俯瞰してみると、希望を感じる場所やすてきな人を探しながら、なつかしいミライへの道標としていたことに気づきます。
詩集のような、地図のような、このふしぎな本が、子どもたちが幸福なミライへと向かうガイドブックになればうれしいです。
土はふくよかなままに
水は清らかなままに
子は健やかなままに
美しきものが
地に満ちますように
オオタヴィン
(「はじめに」より)
上記内容は本書刊行時のものです。