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ぼくにはこれしかなかった。
- 初版年月日
- 2021年3月26日
- 書店発売日
- 2021年3月26日
- 登録日
- 2021年1月20日
- 最終更新日
- 2021年6月4日
書評掲載情報
2022-01-24 | 日本経済新聞 朝刊 |
2021-06-11 |
週刊読書人
2021年6月11日号 評者: 和氣正幸 |
2021-06-03 |
週刊新潮
2021年6月10日号 評者: 夢眠ねむ |
2021-05-28 | MORE(モア) 2021年7月号 |
2021-05-08 |
西日本新聞
評者: ブックスキューブリック(福岡市) 大井実 |
2021-05-01 | 月刊ブレーン 2021年6月号 |
2021-04-25 |
産經新聞
朝刊 評者: 南陀楼綾繁(編集者・ライター) |
2021-04-23 | 月刊ケリー 2021年6月号 |
2021-03-25 | men's FUDGE VOL.131 2021 MAY |
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紹介
就職するだけが人生ではない--40歳を過ぎて本屋を開いた
岩手県盛岡市「BOOKNERD」店主が綴る、現在進行中の物語。
書き下ろしのブックレビュー「ぼくの50冊」も所収。
(本文より)
ぼくは40歳を過ぎてからこの小さな街に小さな本屋を作った。
誰に笑われてもかまわなかった。
それはぼくの人生で、生きることのすべてだったのだから。
これはぼくの、ぼくだけにしか体験し得なかった物語だ。
そしてその物語はいまもなお続いている。
(編集者より)
Instagram上で、ぼくは早坂さんと出会いました。当初は名前も年齢も知りません。
ID名・ブローティガンは、2017年の夏の終わりに
「会社を辞めるので、これが会社員としての最後のランチだ」とポストしました。
それからすぐ。彼はニューヨークに本の買い付け旅に出発しました。
書店でのアルバイト経験ゼロ、出版社にも勤務したことがない、
40歳すぎの早坂大輔は、故郷ではない街「盛岡」に独立系の本屋を開業しました。
店名は『BOOKNERD』。そう、彼は“本オタク”だったのです。
それから2年。ぼくは彼に本を出さないか、と持ち掛けてみました。
それは
「なぜ会社をやめて、本屋をはじめたのか?」
「いまはしあわせなのか?」
「地方都市で商売は成立するのか?」といった疑問に回答してほしかったからに他なりません。
本書に書かれている彼のドキュメンタリーは、
いま、生き方や就職活動で悩んでいる人々の参考になるだろう、と思います。
ぜひ、ご覧ください。
・面白かったのも超えて、心の火を灯された!という感覚の方が強いかもしれない(読書のすすめ 小川さん)
・「本屋本」みたいなカテゴリには収まらずに広く読まれてほしい本(BREWBOOKS 尾崎さん)
・静かに熱をおびた文章はもちろん、ブックレビュー「ぼくの50冊」も魅力的な一冊(toibooks 磯上さん)
・本屋という険しくも楽しい道。その先を行く先輩の姿は、意外にもちょっとかっこ悪くて、かっこいい。
(gururi 渡辺さん)
・日々何かに悩み、自分の生き方を見つめ直したいという方にはヒントとなる一冊に違いない。(本の轍 越智さん)
・こんな本が誰かの肩を押してくれたら嬉しい。(たろう屋 宮崎さん)
目次
●ぼくにはこれしかなかった
人間らしく生きるということは
ぼくにはこれしかなかった
ただなんとなく生きてきた
習作のような日々
チーズとたましい
ぼくの読書遍歴
小さな街で本屋をはじめた
ニューヨーク・ニューヨーク
ぼくにはこれしかなかった
不ぞろいで、いびつで、間に合わせのような店、
生きのびる方法をさがして
いつに間にか本を作っていた
ラプソディ・イン・ブルー
テンダーロインのやさしさ
出会いと別れ
そして、つよい風が吹いていた
オンラインと実店舗
ベイエリア、夏、2019
自由に生きるってどんな気分だろう
子どもと疫病
そして夏はまた過ぎゆく
●ぼくの 50冊
あとがき
前書きなど
どこにも属さず、たったひとりで誰にも従わず、毎日店を開け、本を売ること。本はぼくにとってかけがえのない友人のひとりだった。かれらの声を聞き、かれらを必要としている人たちへ本を売ること。それがぼくが生きたい生き方だった。そしてそうした生き方を通じてぼくはぼくなりの「市民的不服従」を貫こうと決めた。それはとてつもなくカッコよく、崇高な考え方に思えた。だが、そうした生き方には代償がともなうこと、みな高い授業料をはらって浮き沈みをくりかえしていることをぼくは理解していなかった。ぼくはろくにマーケティングもせず、自分にとって都合のよい甘い見通しと勝手な思い込みで本屋をはじめることにした。それは泥水を飲み、地べたをさまようことと同じことなのだとその頃のぼくはぜんぜんわかっていなかった。そしてそれはいまもなお続くとてつもなくヘヴィで曲がりくねった道のりのはじまりだったのだ。
上記内容は本書刊行時のものです。