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精神科看護 2023年4月号(50-4)
知っておきたい! 高次脳機能障害のこと
- 初版年月日
- 2023年3月20日
- 書店発売日
- 2023年3月20日
- 登録日
- 2023年3月3日
- 最終更新日
- 2023年3月10日
紹介
特集 知っておきたい! 高次脳機能障害のこと
精神科看護師が精神科病院で,あるいは地域ケアの場面で,高次脳機能障害の患者さんを受け持つ機会もあると思います。そうした対象者とのかかわりの際,ともすれば情緒の障害・社会性の障害などの特性「のみ」をみて,「わけのわからない『問題行動』の多いやっかいな患者さん」というレッテルを貼り,場合によっては不適切なかかわりがなされてしまう可能性も捨てきれません。しかし,そうした対象者と向き合う看護師が,「高次脳機能障害の世界」を少しでも理解することができれば,そうした理解不足や不適切なかかわりを回避できるのではないでしょうか。これが,弊誌としてはじめて特集で高次脳機能障害を扱う動機です。
上記のような理由から,まずは冒頭から5本連続で高次脳機能障害の体験者の声をお届けしています。それぞれの体験者の語りっぷりの多様さは,「高次脳機能障害」とくくられるこの障害の表れ方や,もたらす困難さの個別性を象徴するようです。そして体験者の1人が語る次の言葉は,看護師に限らず,すべての援助者が胸にとどめておくべきものでしょう。
「当事者が苦しいと言っていることを無視しない,その言葉を軽視しない。『改善を促す劇的な何か』が存在せず,人生とともに歩まざるを得ないこの障害だからこそ,当事者にとって何よりありがたいのはそうした『肯定の姿勢』だ」。
目次
特集 知っておきたい! 高次脳機能障害のこと
高次脳機能障害という体験 1
生かされる人生ではなく,生きたい人生
岡崎憲司(NPO法人エスペランサ 代表)
高次脳機能障害という体験 2
私が発見したさまざまな自分流の工夫
細井淳子
高次脳機能障害という体験 3
俺と,高次脳機能障害というモンスター
戸松武道
高次脳機能障害という体験 4
“違和感”より“異和感”
佐々木沙希
高次脳機能障害という体験 5
高次脳機能障害とは何か? そう問われたら
鈴木大介(ルポライター)
高次脳機能障害の理解と看護への期待
山口加代子(中央大学大学院文学研究科心理学専攻 非常勤講師/NPO法人日本高次脳機能障害友の会 顧問・公認心理師・臨床心理士)
NEXT VISION
日本精神保健看護学会第33回学術集会・総会へのお誘い2
船越明子(神戸市看護大学看護学部精神看護学分野 教授)
ANGLE
藤田式精神科事例検討会のつくり方・進め方・広げ方 1
第1回目 事例検討会と「仲間づくり」
藤田茂治(訪問看護ステーションりすたーと 所長)
ケアの視座
私が実践しているトラウマインフォームドケア 1
TICとの出会いと学び
宮川香子(訪問看護ステーションいしずえ 理事)
REPORT
日本的ウェルビーイングの観点からリカバリーを再考する
村松秀樹(聖徳大学大学院児童学研究科 認定心理士/WRAPファシリテーター)
特別記事
身体拘束ゼロに向けて 2
―独自活動によるケアの変化
杉山直也(公益財団法人復康会沼津中央病院 理事長・院長)
牛島一成(同 看護部長)
山田信昭(同 看護課長〈精神科救急病棟〉)
内田千恵(同 作業療法係長)
鈴木智織(同 看護係長〈精神科急性期治療病棟〉)
向笠 翔(同 看護係長〈精神療養病棟〉)
池谷宏史(同 看護師〈精神療養病棟〉)
連載
日々のやりとりから始める認知行動療法
第6回 そう考える自動思考の根拠
細川大雅(ストレスケア東京上野駅前クリニック 院長)
訪問看護師さんへの手紙
第7通 カラスの見張り,訪問看護師さんの灯り
常本哲郎
精神科看護コミュニケーション 17
大人になった発達障害患者とのコミュニケーション
川野雅資(心の相談室荻窪 室長)
学の視点から精神保健(メンタルヘルス)で地域をひらく37
37th Step 精神保健面の地域アセスメント(7)
安保寛明(山形県立保健医療大学看護学科 教授)
どん底からのリカバリー―WRAP(R)を使って。
第41回 自分らしさ? ありのまま? 2
増川ねてる(アドバンスレベルWRAP(R)ファシリテーター)
坂田三允の漂いエッセイ 205
生きるということ
坂田三允(多摩あおば病院 看護部顧問)
上記内容は本書刊行時のものです。