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ドストエフスキー『悪霊』の概要展望と深層構造
悪魔のヴォードヴィル的空間
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 書店発売日
- 2022年9月5日
- 登録日
- 2022年7月26日
- 最終更新日
- 2022年8月29日
紹介
われわれは今、「悪魔の黙示録」の世界を生きているのか? ドストエフスキー生誕200年をすぎて、21世紀の今日また切実さをもって甦る名作を、長年ドストエフスキー研究・比較文学に携わってきた第一人者が徹底解析する。
これは「悪魔のヴォードヴィル」を内包する黙示録的世界なのだ。(本文より)
スタヴローギンは何故自殺したのか? ピョートルはメフィストーフェレス? ドストエフスキー版『父と子』の物語。
目次
はじめに
第一部 概要展望『悪霊』という物語
ドストエフスキー版『父と子』
その展開空間と語り手
ニコライ・スタヴローギン
ニコライ・スタヴローギンの異常
リーザとスタヴローギン
新知事登場
ニヒリスト群像
決闘の申し込み
ピョートルの暗躍
ニコライ・スタヴローギンとシャートフ
小悪魔フェージカ登場
決闘の推移
女性教師救済パーティとピョートルの暗躍
チーホン僧正のもとで
暗転した慈善会、連発する死の惨劇
シャートフ殺害
ステパン放浪と覚醒と、そしてその死
悪霊的存在者の自己否定
第二部 深層構造
第一章 『悪霊』その展開空間
第二章 『悪霊』の小説としての特質
1 感情移入することの出来る人物の欠如
2 殺人事件の頻発
3 登場人物の多様性
4 語りの特質とステパンの人間像
5 『悪霊』の真の主人公
第三章 『罪と罰』における悪霊
第四章 拡大流行する悪霊的ニヒリズム
1 奇妙な滑稽さの潜流
2 言葉もそこで混乱し、憑依的な自己主張の言葉が氾濫する
第五章 『悪霊』的世界の演出者
1 憑依するニヒリズム
2『悪霊』における世界戯画化の性質
3 なぜヴォードヴィルか
4 キリーロフはなぜこのような表現をとったのか
5 「悪魔のヴォードヴィル」の演出者の執念
6 ピョートルとスタヴローギン
第六章 ヴォードヴィルとはなにか
第七章 ドストエフスキーとヴォードヴィル
1 『他人の妻とベッドの下の夫』
2 『伯父の夢』
3 『スチェパンチコーヴォ村の住人』
4 これらは、実はヴォードヴィルのパロディか
第八章 『悪霊』に内包されるヴォードヴィル的特色
1 『スチェパンチコーヴォ村の住人』『伯父の夢』における策略
2 『悪霊』における策略
3 欺瞞の網をいかに広く打ったか
4 ヴォードヴィル空間の転換点としての祭
5 破壊へのピョートルの情念
第九章 ピョートルの破壊戦略
1 支配階級に楔をいれる
2 ピョートルの他者操縦術
第十章 祭りという、実は悪魔による饗宴
1 重大な転換点の到来 (Ⅰ)
2 破壊こそ善であるという風潮を醸し出す(Ⅰ)
3 重大な 転換点の到来(Ⅱ)
4 破壊こそ善であるという風潮を醸し出す(Ⅱ)
5 ピョートルの他者操作の秘訣
6 ニヒリズムの乱舞する悪霊的空間
第十一章 両極一点において相交わる
1『悪霊』におけるヴォードヴィル的ドラマの帰趨
2 『悪霊』このドストエフスキー風黙示録変奏曲
第十二章 『悪霊』変奏曲
「祭り」─『悪霊』版ワルプルギスの夜
『悪霊』変奏としての森鴎外『灰燼』
植谷雄高『死霊』への道程としての『悪霊』
後 記
上記内容は本書刊行時のものです。