版元ドットコム

探せる、使える、本の情報

文芸 新書 社会一般 資格・試験 ビジネス スポーツ・健康 趣味・実用 ゲーム 芸能・タレント テレビ・映画化 芸術 哲学・宗教 歴史・地理 社会科学 教育 自然科学 医学 工業・工学 コンピュータ 語学・辞事典 学参 児童図書 ヤングアダルト 全集 文庫 コミック文庫 コミックス(欠番扱) コミックス(雑誌扱) コミックス(書籍) コミックス(廉価版) ムック 雑誌 増刊 別冊 ラノベ
それとは違う小津安二郎 高橋行徳(著/文) - 鳥影社
..

それとは違う小津安二郎 『東京の合唱』と『生れてはみたけれど─大人の見る絵本』のおもしろさを徹底解明

発行:鳥影社
四六判
336ページ
定価 1,800円+税
ISBN
9784862658043
Cコード
C0074
一般 単行本 演劇・映画
出版社在庫情報
不明
書店発売日
登録日
2020年3月27日
最終更新日
2020年3月27日
このエントリーをはてなブックマークに追加

書評掲載情報

2020-05-16 毎日新聞  朝刊
評者: 川本三郎(評論家)

紹介

『東京の合唱』と『生れてはみたけれど─大人の見る絵本』のおもしろさを徹底解明

小津のサイレント映画は戦後の作品のための助走ではない! これらは実に多彩な人物とジャンルを扱った傑作映画であった。円熟期とはまた違った小津映画の面白さを照射する。

著者から読者へ
本書は戦前の小津映画を知っていただくための入門書です。それを念頭において小津に関連した監督や俳優にも触れ、当時の出来事や事柄にも言及しました。

目次

「まえがき」に代えて
  a.冷遇されてきた小津監督のサイレント映画
  b.サイレント期と円熟期の相違
  c.「それとは違う」小津論 
  d.なぜ『東京の合唱』と『生れてはみたけれど』を選んだのか?
   註

第一部『東京の合唱』
 第一章 映画の封切りまで
  a.メロドラマで大失敗
  b.悲劇も喜劇も達者な岡田時彦 
  c.野田高梧の助け 
  d.封切りは帝国劇場 
 第二章 『東京の合唱』のプロローグ 
  a.スラップスティック・コメディー
  b.体操教師か、教練教師か 
  c.小津監督のギャグ 
  d.岡島の孤独
 第三章 岡島家の日常生活
  a.五人家族のサラリーマン 
  b.東京郊外の岡島家 
  c.岡島家の近辺  
 第四章 出勤前の光景
  a.自転車をねだる長男 
  b.パパ・ママの呼称 
  c.ボーナス日に浮かれる家族 
 第五章 会社でのドタバタ・コメディー
  a.ボーナスは社長室で 
  b.紙幣が便器の中に 
  c.「談判しないで、どうするってんだ!」 
  d.社長と平社員のバトル 
  e.「即刻、解雇する」 
  f.それぞれの社長への対応  
 第六章 失業の打ち明け
  a.自転車がスケートに化けて 
  b.長男の反抗  
  c.「失業都市東京」 
 第七章 長女の入院
  a.熊の脱走
  b.美代子の病気 
  c.仲直りの遊び歌  
 第八章 先生は洋食屋の亭主に
  a.岡島、職業紹介所へ 
  b.悲しい屁理屈 
  c.街頭宣伝をめぐる駆け引き
 第九章 インテリのビラ配り
  a.「あんなパパがあるもんですか!」 
  b.妻の初めての愚痴
 第十章 岡島家の再生
  a.カレーライスで同窓会 
  b.吉報が舞い込んだけれど 
 第十一章 映画タイトルの謎
  a.「東京」の入った最初の作品
  b.「合唱」とは何か? 
 註 


第二部 『生れてはみたけれど─大人の見る絵本』 
 第一章 公開までに、ひと山もふた山もありまして
  a.不二映画事件  
  b.トップ・スターを欠くなかで  
 第二章 郊外への引越し
  a.三つのシナリオ  
  b.タイヤがぬかるみにはまって 
  c.酒屋の小僧は狂言回し 
  d.まずは引越し報告を  
  e.「黴菌みたいな顔」といじめられて 
  f.死と再生のゲーム  
 第三章 父親と一緒の登校
  a.吉井家の朝の情景 
  b.踏切 
 第四章 不登校の兄弟
  a.原っぱでの早弁
  b.あくびの連鎖 
  c.それぞれの習字の時間 
  d.父親の説教 
 第五章 学校での喧嘩
  a.不登校を阻止する手立て
  b.ガキ大将の攻勢 
  c.飼い犬の災難  
 第六章 良一がガキ大将に
  a.酒屋の小僧との取り引き  
  b.亀吉の善行  
  c.二つの世界をつなぐ御用聞き
  d.ガキ大将の地位が降ってきて  
 第七章 映写会
  a.父親自慢  
  b.映写会へ参加できるのは  
  c.ライオンと縞馬  
  d.見せてはならぬショットが紛れ込んで  
 第八章 父親への反逆
  a.初めての父親非難  
  b.「お父ちゃんの弱虫!」  
  c.本音を吐く父親  
 第九章 お辞儀の容認
  a.良一、行軍の兵隊について行く  
  b.なぜ伏見版の終結部を変えたのか?  
  c.ハンガー・ストライキを決行  
  d.三度目の、父親との登校  
 第十章 映画を撮り終えてはみたけれど
  a.大きな問題が残ったままで  
  b.作品のオクラ入り 
 註  

参考文献  
参考映像 
あとがき  

著者プロフィール

高橋行徳  (タカハシユキノリ)  (著/文

1947年兵庫県生まれ。77年早稲田大学大学院文学研究科博士課程修了。2016年3月まで日本女子大学文化学科で教鞭をとる。現在、日本女子大学名誉教授。
著書に『開いた形式としてのカフカ文学』(鳥影社)、『向田邦子「冬の運動会」を読む』(鳥影社)、『向田邦子、性を問う─「阿修羅のごとく」を読む』(いそっぷ社)。
翻訳にフォルカー・クロッツ『閉じた戯曲 開いた戯曲』共訳(早稲田大学出版部)。他に『タウリスのイフィゲーニエ』試論(日本ゲーテ協会会長賞)、溝口健二『祇園の姉妹』─男性社会に反逆する芸者(『アジア遊学』118号)、向田邦子『家族熱』ノート(『ユリイカ』2012年5月号)、『精選女性随筆集第11巻 向田邦子』解説(文藝春秋)、ドラマ『あ・うん』の一考察(『向田邦子文学論』向田邦子研究会編 新典社)など。

上記内容は本書刊行時のものです。