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華僑二世徐翠珍的在日 徐 翠珍(著) - 東方出版
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華僑二世徐翠珍的在日 その抵抗の軌跡から見える日本の姿

発行:東方出版
四六判
縦188mm 横128mm 厚さ12mm
重さ 247g
160ページ
並製
価格 1,500円+税
ISBN
978-4-86249-386-6
Cコード
C0031
一般 単行本 政治-含む国防軍事
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2020年2月20日
書店発売日
登録日
2020年1月31日
最終更新日
2020年2月20日
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書評掲載情報

2020-06-05 ふぇみん  3255
2020-05-09 毎日新聞    夕刊  大阪版
評者: 高尾 具成
2020-04-06 大阪日日新聞  
評者: 大山勝男
2020-03-25 I女のしんぶん
評者: 中村ひろ子
2020-03-09 社会新報
評者: 山村 大樹
2020-02-20 朝日新聞    朝刊  大阪
評者: 下地 毅

紹介

日本に生きた「在日華僑」の闘いの記録。
日本の植民地政策の残存の象徴でもある「国籍条項」
「外国人登録法」「入管法」をめぐる闘いの一つの結
果として、外国籍公務員第一号となる。その他、指紋
押捺拒否や「思いやり予算」返還訴訟、靖国訴訟など
を提訴、「非暴力・反戦反差別平和」を理念に活動を
続けている。

目次

はじめに ―現に今生きる移民たちが見えていますか。

第一章 私の原点―闘いの軌跡
 華僑には家があっても帰る場所がない

第二章 国籍条項
 母の渡日―「上海事変」をくぐり抜けて/母の感性を育てた
 上海の光景/西成で―黙っていては、中国
 人として生きられない!/大阪市への訴え、抗議/職場復帰
 その後/「当然の法理」が阻む現状

第三章 在日中国人―華僑の渡航史
 「内地雑居令」と、在日中国人管理体制の始まり/職業の規
 制と「三把刀」/「敵国人」としての敵視、排外、弾圧の中
 での居留/「平和憲法」から除外された戦後

第四章 「指紋押捺拒否」で問うたこと
 機動隊が襲いかかる/中国見本市「中国商品展覧会」での指
 紋拒否/「満州国」の指紋制度/警察指紋制度五〇周年記念
 式典に表彰を受けた人々/天皇〝恩赦〟による裁判の強制打
 ち切り/現在の法的地位

第五章 欠けた民主主義
 共に生きる社会とは/あれやこれや/欠けた民主主義/「多
 民族共生国家」を目指す日本

第六章 つれづれにあれやこれや―そのⅠ
 「靖国合祀イヤです訴訟」・加害者・被害者の出会い―「私
 たち」が変え得なかった母の「日本人観」/ナショナリステッ
 ク市民運動はいや! 市民共同オフィスSORA立上げによせ
て/チャイニーズテイラー my roots から見てみると(移民の
 受け入れ、多民族共生社会実現のために)/我がルーツ「チャ
 イニーズテイラー」/映画「一九八五年 花であること」によ
 せて/その一《マレーシア・シンガポールの華人たち》父の
 杞憂のわけ/なぜ?三〇年来の疑問が解けた/その二 《長
 崎・ちゃんぽんに出会う旅》/長崎は親戚・神戸は友人・横
 浜は隣人/あなたの一票のウラ/反原発に日の丸・君が代は
 似合わない!/ほか

第七章 つれづれにあれやこれや―そのⅡ
 消えたシナ人/侮辱の正体//そして、紙面から「シナ人」
 は消えた/〈シナ人」って差別語なの? リベラルも薄っぺら
 い「歴史認識」/「神戸呉服行商弾圧事件」/曽根崎警察署
 の地下室はもうない?/ほか

資料編…資料1 著者略年表/資料2 在日中国人渡日関連史/資
 料3 抗日こそ誇り―指紋裁判における意見陳述/資料4「恩
 赦」拒否声明/資料5 戦争法違憲訴訟 原告意見陳述

前書きなど

 二〇一八年秋に入管法「改訂」案が国会を通過し、二〇一九年四月から
あらたな在留資格をつくり外国人労働者を受け入れることとなりました。
少子高齢化・人口減少が著しい日本で労働力不足が叫ばれ、いま頃になっ
て共生社会のあり方、外国人労働者の人権などがマスコミ等で議論になっ
ています。今回の入管法「改訂」は詳細を批判するまでもなく、日本の入
管行政、外国人労働者に対する政策は、そもそも砂上の楼閣でしかないの
ではないでしょうか。

 過去の戦争中に数百万人の若者を戦地に送り、国内に生じた労働力不足
を解消するためと言って、朝鮮半島や中国・台湾から何百万人もの労働力
を強制的に移住させました。このような歴史を思い起こしていただきたい。
戦後、残ったその子や孫たちに対する政策は、はたしてまっとうな歴史認
識に基づいた「共生をめざす」ものであったのか、「人権」を基軸にした
政策であったのか。
 また、一九九三年に始まった「技能実習制度」は隠しようもなく日本の
人材不足を補うため以外の何ものでもないでしょう。積み残した彼・彼女
らへの構造的人権侵害についても、その対策は一向に進まないままです。
今回の入管法「改訂」もしかり、あれもこれも積み残したまま、またもや
身勝手な人手不足対策でしょうか。これではまたまた同じ過ちを繰り返す
ことは免れません。
 砂上の「共生・共存」「人権」を、戦後の外国人登録法・入管法(出入
国管理法)のはじめから二〇〇九年「改訂」入管法・入管特例法・住基法
(住民基本台帳法)までを振り返ってみなければ、見える事実も見えるは
ずがありません。
 この社会は現に今を生きる移民たちが見えているのか、日本に生きるそ
の二世、三世たちの行く末を想像してみなくては日本社会は開かれていか
ないのではないでしょうか。
                         本書「はじめに」

著者プロフィール

徐 翠珍  (ジョ スイチン)  (

1947年、華僑ニ世として神戸市に生まれる。武庫川女子短期大学
教育学部ニ部卒業。1965年~1998年まで保育士として華僑幼稚園、
民間保育所、大阪市立保育所に勤務。学童保育所、福祉作業所の
立上げ。この間1971年には勤務していた民間保育所の公立化にと
もない、大阪市保母採用要綱の国籍条項を根拠に解雇、国籍条項
を撤廃させ現職復帰する(外国籍公務員第1号)。1985年からは外国
人登録の指紋押捺を拒否、天皇恩赦拒否など一連の外国人登録法
関連訴訟の原告、被告であり、運動の事務局も担う。
1997年、米軍基地駐留経費「おもいやり予算」返還訴訟を呼びかけ、
296原告と共に提訴。2001年からは小泉首相の靖国参拝違憲アジア
訴訟、靖国合祀取消訴訟・安倍首相の靖国参拝違憲訴訟等一連の
靖国訴訟を担う「靖国合祀イヤです・アジアネットワーク」の事
務局として活動中。
1996 年からは、雑誌「反天皇制市民1700 ネットワーク」(年2回発
行)第1号より現在まで編集担当。2007年「非暴力・反戦反差別平
和」を理念に市民共同オフィス「SORA」を共同で立ち上げ、
共同代表として現在に至る。

上記内容は本書刊行時のものです。