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日本社会の周縁性 伊藤 亜人(著/文) - 青灯社
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日本社会の周縁性

発行:青灯社
四六判
価格 2,500円+税
ISBN
978-4-86228-108-1
Cコード
C0036
一般 単行本 社会
出版社在庫情報
在庫あり
書店発売日
登録日
2019年9月26日
最終更新日
2019年9月26日
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紹介

論理的な中国、韓国とに比べて、論議をつくして合意に至ったり、論理的な説得が難しい日本社会。
同じ東アジアの中華文明圏にありながら、この違いはどこからくるのか。
外国人観光客が、かつて文明人としてその素材を卑賤の対象とした日本の食文化、独自の味を無限に追求するラーメン、ヤキトリに惹かれるのはどういうことか。
かつて中国、韓国で「賤」とされた身体的な踊りが、今日の日本では若い世代を中心に「よさこい祭り」などで個性的に発揮されている。これは何を意味するのか。

言葉により抽象化された理論を重視する中華文明圏の伝統の中で、具体的な「物」に託して、自己の想いや官能を表現してきた日本文化と日本人の精神は、いわば"周縁的"といえる。
古来日本人は、人と物の間に霊的な関わりを見出し、「難しい話」よりも経験と実践を重視してきた。
中国や韓国には、規範的・観念的な文芸に疲れ、感性を描く日本のアニメに惹かれる若者たちも増えてきた。
「物」を作り出すことを誇りとする日本の職人や料理人に憧れる者たちもいる。

似ているようで似ていない隣国・韓国との比較から見えてくる画期的日本論を、韓国研究の先駆者が、長年にわたるフィールドワークや実体験をもとに語る。

目次

Ⅰ 東アジア文明圏の周縁・日本
 1. 歴史地理的に見た日本
 2. 文明社会の高度な統合
 3. 思想史というアプローチ
Ⅱ 物との相互関係を前提とする日本
 4. 人間の主体性・中心性
 5. 人と物
Ⅲ 即物的な日本人の認識
 6. 形式と精神性
 7. 空間認識
 8. 歴史観
 9. 二宮尊徳の仕法
IV 論理体系を拒否する日本人
 10.「植民地近代」
 11. 指導性と競争
 12. 日本社会の周縁的様相

前書きなど

 日本社会を取り上げるのになぜ韓国なのかと訝しく思われる読者も少なくないと思われる。その点については自信をもって次のように答えよう。韓国社会こそ日本とは近くて遠く、また似て非なる、そして異文化社会の中でも我々にとって圧倒的に情報量も多く、集約的な比較と参照が実りある社会なのである。当然ながら地理的に近いため、現地の人々とも親交を積み重ねることで観察を重ねながら持続的に認識を深めることもできる。また、日本に対する自己認識なくして韓国研究は成り立たないし、韓国研究は自ずと日本社会の再認識を促すものでもある。

 非体系的とか周縁的な様相というと漠然と否定的に捉えられかねないが、繰り返し述べてきたように、私は日本社会におけるこうした様相をむしろ人間社会の普遍的かつ自然な様相と見ており、読者にはその可能性・豊かさを前向きに認識することも期待したい。自然科学や技術の領分はともかくとして経済学の分野でも、こうした非体系的な様相についても人間社会における普遍的なものとして肯定的に位置づけるべきものと考えている。

(「あとがき」より)

著者プロフィール

伊藤 亜人  (イトウ アビト)  (著/文

東京大学名誉教授。1943年生まれ。東京大学教養学部卒業。
東京大学教授、琉球大学教授、早稲田大学教授等を歴任。その間、ハーヴァード大学客員研究員、ロンドン大学SOAS上級研究員、韓国ソウル大学招聘教授。
専攻、文化人類学、民俗学。
第11回渋沢賞(1977年度)、大韓民国文化勲章(玉冠、2003年)、第9回樫山純三賞(2014年)。著書『文化人類学で読む 日本の民俗社会』(有斐閣)、『北朝鮮人民の生活―脱北者の手記から読み解く実相』(弘文堂)ほか

上記内容は本書刊行時のものです。