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甘いバナナの苦い現実
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 書店発売日
- 2020年8月31日
- 登録日
- 2020年8月13日
- 最終更新日
- 2023年1月20日
書評掲載情報
2020-11-28 |
朝日新聞
朝刊 評者: 藤原辰史(京都大学准教授・食農思想史) |
2020-11-07 | 東京新聞/中日新聞 朝刊 |
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重版情報
5刷 | 出来予定日: 2022-10-31 |
4刷 | 出来予定日: 2021-05-15 |
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紹介
名著『バナナと日本人』から約40年。バナナを通して世界と日本を見つめ直す。日本人がもっとも多く食べている果物バナナはなぜ安いのか?主な輸入先のフィリピン・ミンダナオ島では農薬の空中散布による健康被害や不公正な多国籍企業の活動が目立つ。栽培・流通の知られざる現状を詳細に調査し、エシカルな消費の在り方を問いかける。
目次
序 章 そんなバナナ!?――意外と知らないバナナの話 石井正子
一 意外と知らないバナナのこと
二 フィリピンの人たちが食べているバナナ
三 バナナから見えてくること
四 『バナナと日本人』が投げかけた問い
五 21世紀にバナナが投げかける問い
第1章 ミンダナオ島で輸出用バナナが作られるようになるまで 石井正子
一 なぜミンダナオ島で広がったのか
二 スペインの植民地化に抵抗した南部、植民地化された中北部
三 独立を前提としたアメリカ植民地統治――地主エリートによる支配の始まり
四 ミンダナオ島への移民入植
五 日本軍政期の影響
六 独立からマルコス政権期――輸出用商品作物の生産拡大
第2章 フィリピンでバナナはどう作られているのか
1 バナナ栽培に関わる企業と人びと――農地改革後の変化 石井正子
一 包括的農地改革法の制定
二 栽培契約とリース契約
三 多国籍企業の変化
四 地場農園の変化
五 アグリビジネスと契約する生産者の変化
六 栽培契約とリース契約の問題点
七 アグリビジネスによる低農薬栽培バナナ
八 輸出用バナナ産業の多角化と拡大
2 「高地栽培バナナ」の発見と山間部の変化 アリッサ・パレデス
一 高地栽培バナナの出現
二 販売方法の変化と架空の栽培地
三 より高く甘いバナナのより苦い現実
四 高くて甘いバナナが忘却するもの
第3章 バナナ産業で働く人たちの現実
1 輸出用バナナ産業の周辺で――収穫、梱包、運搬、廃棄バナナ利用 石井正子
一 数字にみる概要
二 バナナ園での仕事
三 優良産業の数字には現れない労働者の実態――二つのアグリビジネス
四 農園から港まで――バナナ園の外での仕事
五 規格外バナナのゆくえ
2 正規雇用を求める労働者の闘い――スミフル農園の梱包作業所 田中滋
一 日本のNGOの調査開始
二 梱包作業所の不当労働
三 法律を遵守しないスミフルと闘いを続ける労働者
四 日本の市民・NGOがしてきたこと、これからできること
第4章 バナナ園の農薬散布――毒か薬か
1 バナナをめぐる農薬問題 田坂興亜
一 フィリピンのバナナ園で使用されている農薬
二 バナナに残留する農薬と子どもたちの健康への影響
三 農薬散布がバナナ園周辺住民の健康に及ぼす影響
四 子どもたちに安全な食環境を残す
2 フィリピンの農薬空中散布反対運動 アリッサ・パレデス
一 農薬カクテル
二 日本人の食のために代償となる命
三 農薬の空中散布に反対する運動
四 バナナ王のお膝元で
五 人間が大切にされていない
第5章 多国籍アグリビジネスの再編と新たな「規制」枠組み 関根佳恵
一 多国籍アグリビジネスとバナナ
二 多国籍アグリビジネスによるバナナビジネスの形成と再編
三 多国籍アグリビジネスの新たな戦略――オルタナティヴを「盗用」する
四 新たな「規制」枠組みの構築
第6章 バナナが食卓に届くまで――サプライチェーンの徹底解剖 市橋秀夫
一 バナナのサプライチェーン
二 バナナはどう輸出されているのか
三 バナナはどう輸入されているのか――保税地域内での工程と輸入業者
四 追熟加工は誰がどう行うのか
五 国内流通の短縮効率化と寡占化――卸売市場からコールドチェーンの確立へ
六 小売店から消費者へ――ブランディング(ブランド戦略)と量販店
七 誰にどれだけの取り分があるのか――バナナ価格の構成を見る
第7章 私たちはどう食べればよいのか――エシカルな食べ方へ
1 公正な民衆交易を目指して 市橋秀夫
一 日本でバナナの民衆交易が始まった
二 新自由主義のもとでの民衆交易/フェアトレードの変容
2 エシカルな食べ方へ 野川未央
一 オルタナティヴなバナナの現状
二 多国籍バナナ企業を変えるために
三 エシカルな食べ方へ
上記内容は本書刊行時のものです。