....
【利用不可】
書店員向け情報 HELP
奴隷の抒情
発行:澪標
四六判
縦188mm
横128mm
厚さ15mm
重さ 308g
264ページ
並製
価格
1,800円+税
- 初版年月日
- 2024年4月10日
- 書店発売日
- 2024年4月8日
- 登録日
- 2024年4月6日
- 最終更新日
- 2024年4月8日
紹介
文芸評論を書き始めて五〇年以上になるが、いまだに飽きることがない。思考力が枯渇しない限り、詩や小説や、思想を読み解くことに終わりというものはない。とはいえ、力の源が、無尽ということはあり得ない。実際、昨年の十月から今年の一月にかけて、書下ろし稿を書いていたのだが、その間、何度も躓かずにはいられなかった。さまざまな災厄が、私の思考を遮ったのである。
目次
序 泥にまみれた涙 ――竹内英典『伝記』
第一章 汚名を着せられた言葉 ――杉本真維子『皆神山』
第二章 公と私 ――青木由弥子『伊東静雄 ―戦時下の抒情』
第三賞 絶対的「無」としての「奴隷」――小池昌代『赤牛と質量』
第四章 生と死の循環 ――岡本勝人『海への巡礼』
第五章 コロナ・パンデミックの抒情 ――森川雅美『疫病譚』
第六章 重度の神と共に生きるということ ――宮尾節子・佐藤幹夫『明日戦争が
始まる「対話篇」』
第七章 母親からの疎外 ――藤井貞和『物語論』
第八章 抽象的な普遍性への貢献 ――大澤真幸『<世界史>の哲学 現代篇Ⅰ』
第九章 詩語の不可能性 ――田中さとみ『ノトーリアス グリン ピース』ほか
第十章 デタッチメントからアンタッチメントへ ――村上春樹『アンダーグラウンド』
から『騎士団長殺し』へ
第十一章 代わりに死んでくれる存在 ――大江健三郎『さようなら、私の本よ!』
カズオ・イシグロ『わたしを離さないで』
ほか
上記内容は本書刊行時のものです。