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玉島湊の茶室群
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2025年3月31日
- 書店発売日
- 2025年4月14日
- 登録日
- 2025年4月4日
- 最終更新日
- 2025年4月18日
紹介
『玉島湊の茶室群』
瀬戸内海沿岸の湊町に花ひらいた「茶の湯文化」
江戸時代から北前船の寄港地として栄えた玉島湊には、各地の優れた文化が海路を通して直に伝えられてきた。特に「茶の湯文化」は、商家を中心におおいに拡がり、家屋の内部屋や敷地の奥に茶室が造られた。
かつては400ものあった茶室は、現在徐々に失われつつある。茶室研究者池田俊彦はこの貴重な文化継承のため「玉島茶室群研究会」とともに調査を行った。本書はそのうちの30余りの茶室を紹介。江戸時代後期から戦前戦後、京都や金沢の様式の模しながらも、より洗練された独特な茶室としてどのように、設置されたのか、建築様式、使用部材、収集した貴重な史料、起こし絵、見取り図、茶会記などとともに解説する。
目次
(目次より)
特別寄稿 倉敷市長伊東香織
はじめに
1 玉島茶文化を牽引した三家
柚木家/萱谷家/三宅家
インタビュー 藪内流宗家家元十四代藪内紹智
2 近代茶道の指導的役割を務めた寺
高運寺/円通寺/観月院
コラム 玉島の茶人 茶道史家・井上秀二…
3 豊な湊町に花ひらいた茶文化
4 研究会付記
資料 玉島茶室群研究会活動の記録/各茶室を調査する池田先生/茶室群研究会展覧会/玉島湊周辺茶室群地図
前書きなど
■はじめにより
玉島が北前船の湊町出会ったことはよく知られています。そのころの家屋も現存し、古いものでは江戸時代後期のものも見られます。そしていつの頃からか、そうした家屋の内部屋敷地の奥に茶室が構えられるようになりました。表通りからは見えないのでなかなか気付きませんが、家に茶室を構えるという気風は玉島におおいに拡がり、戦後も続いて受け継がれていきました。現在でも少なくとも四十席くらいは残っていると予想され、往時に比べて激減したとは言え、湊町のごく限られたエリアにこれだけの茶室が現存する例は、全国的に見ても珍しいと言えるでしょう。
しかし近年、老朽化に伴って取り壊されることが続いています。このままでは、玉島に茶室文化が花開いたこと、これを機縁として様々な文化活動の高まりがあったこと、そうした玉島独特の伝統と文化が今まで受け継がれてきたこと、そうした事実すべてが消え去ってしまう危機感を持ちました。(略)
こうした活動を通じて、玉島独特の茶室文化の素晴らしさを地域の方々と共有し、地域全体で受け継ぎながら、かつての玉島の数寄者が行ったような、茶室の様々な活動につながればと期待しております。(池田俊彦「はじめに」より)
上記内容は本書刊行時のものです。