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ブレグジット×トランプの時代
金融危機と民主主義の溶解
- 初版年月日
- 2020年5月1日
- 書店発売日
- 2020年4月17日
- 登録日
- 2020年3月30日
- 最終更新日
- 2020年4月16日
紹介
EU離脱の先にあるものは? 人びとはなぜポピュリストに熱狂したのか? ブレグジット、このモンスターが地上に現れた意味を考え、異なるアイデンティティーによって分断された社会における民主主義とは何かを問う。英米の金融支配が終わろうとするグローバリゼーション・サイクル後半とされる今こそ民主主義の革新が試されている。ここが時代のフロンティアだ!!
目次
第1章 ひとつの冒険
第一節 大きな変化の時代
●ブレグジットとトランプ/●戦争、バブル、大震災、原発事故
第二節 キューバ革命からオバマ訪問まで
●キューバ革命とフィデル・カストロ/●オバマ大統領のキューバ訪問
第三節 ベルリンの壁崩壊後の世界
●ベルリンの壁が崩壊した/●プーチン大統領と多極的世界/●サッチャー、レーガン、
ホメイニの革命/●ヨハネ・パウロ二世と鄧小平
第四節 リー・クアンユーのグローバル国家
●リー・クアンユーが亡くなった/●シンガポールの成功
結 び
●日本の高度成長/●フロンティアを拓く
第2章 ブレグジットは起きた!
第一節 ブレグジットとは何か?
●庶民への影響/●モンスターの投票日/●分断された投票結果/●怒りと無政府状態/
●歴史家の見た反動/●イギリスから見た国際政治/●経済学者の視点
第二節 ブレグジットはなぜ起きたのか?
●歴史的なダイナミズム/●ブレグジットは起きた/●サンダーランド工場とキャベツ畑/
●ロンドンの金融ビジネス/●拡大する文化的、情緒的分断
第三節 ブレグジット後の政治
●衝撃を緩和し、危機を回避せよ/●EU側のポピュリストたち/●メルケルの計算/●EUの強化、ユーロ圏の改革/
●イギリスの離脱通告/●議会の内紛は世界に及ぶ/●メイ首相の演説/●国家主権の神話
第四節 国民的な政治の限界
●分裂・分断・解体/●リベラリズムへの失望/●リベラリズムの復活に向けて/●エラスムス/●ホンダの町/
●ユーロ・ラム社/●イギリスと欧州の歴史/●二大政党の終わり/●UKの終わり
結 び
第3章 タックスヘイブン
第一節 富と権力の集中
●超富裕層と庶民の資産管理/●労働者の「絶望死」/●カリブ海の島々/●グローバルな不平等/
●超富裕層は税金を払わない/●秘密主義
第二節 寄生虫の生態
●グーグル/●パナマ文書とリオネル・メッシ/●アップル、シティグループ、ナイキ/
●世界経済の寄生虫/●シェル・カンパニー
第三節 脱税のイデオロギー
●企業行動や財政・貿易をゆがめる/●福祉国家と開発政策/●私は誇りに思う/●支配領域をめぐる闘い
第四節 富と国家の歴史的攻防
●国家と税金/●帝国の拡大と非居住者/●ユーロダラー市場/●ヨーロッパの小国家群/
●新興諸国の開発戦略/●グローバル・ハイテク企業/●汚職、ギャンブル、プロスポーツ/
●世界の不平等と税制/●権力の構造的歪み
結 び
●グローバルな課税システム/●アメリカ大統領選挙
第4章 ポピュリズムの広がり
第一節 アメリカの殺戮を終わらせる
●トランプ当選の衝撃/●就任演説/●大統領としての異常さ/●壁を作る/●反ネオリベラリズム
第二節 ポピュリズムの広がり
●アメリカのポピュリズム/●ロングとウォレス/●カーター、ペロー、ブキャナン/
●ポピュリストとはだれのことか/●デモクラシーとポピュリスト
第三節 民主政治の周辺において
●ラテンアメリカ/●アメリカとロシア/●アメリカの民主主義と社会改革/●ヨーロッパの移民・難民危機/
●東欧の民主化・自由化/●グローバリゼーションと金融危機
第四節 ポピュリストのダイナミズム
●改革派、民主派として/●正統派とポピュリスト/●政権参加と正常化/●政治的言説の「感染」/
●破滅的な将来/●フォックスコン社/●政治経済モデル
結 び
第5章 地政学と大国間秩序
第一節 ベルリンの壁崩壊と地政学
●一九八九年以後の国際秩序/●地政学の復讐/●リベラルな帝国/●無秩序な世界/●ルワンダとコンゴ内戦/
●イスラム国が勝利するとき/●中東地域の秩序
第二節 大国による秩序の転換
●NATOの拡大/●南シナ海とカリブ海/●台湾海峡の重要性/●一帯一路/●中国が世界を指導するとき/
●ポスト・ソビエトの世界
第三節 北朝鮮の核と戦争シナリオ
●核実験と空爆オプション/●中国を説得する/●軍事力と威嚇/●二一世紀の朝鮮戦争/
●開戦から核兵器の使用へ/●北朝鮮の封じ込め
第四節 封じ込めによる平和か、統合か
●アジアの地政学/●台湾海峡と米中の核戦争/●関与と貿易・投資/●人口移動とメガシティ
結 び
第6章 世界金融危機
はじめに
●金融危機から一〇年/●金融危機と政治/●パワー・シフトが起きた
第一節 金融危機の歴史
●金融危機は繰り返す/●ブームとマニア/●パニックと不況/●政府、王朝、資本主義/
●一八七三年の恐慌/●J・P・モルガンの介入/●一九二〇年代のグローバルな金融市場/
●農産物価格の下落/●工業諸国のデフレ政策/●金本位制の支配/●帝国解体と銀行破綻/●政治的な危機
第二節 ブレトンウッズ体制とその解体
●ブレトンウッズ会議/●資本主義の改革/●スウェーデンの社会民主労働党/●労働者と農民の政治的同盟/
●アメリカのニューディール政策/●ブレトンウッズ体制と資本規制/●変動レート制と資本自由化/
●グローバルな金融市場
第三節 世界金融危機をもたらした貪欲
●高金利政策から「大いなる安定」へ/●世界金融危機の予兆/●「貪欲」の讃美/
●クレジット・デフォルト・スワップ/●合理的期待仮説/●真の課題
第四節 金融グローバリゼーションの改革
●不均衡と国際資本移動/●再建ブレトンウッズ体制/●ドルからの離脱/●成長・開発モデル/
●金融危機とトリレンマ/●ポピュリズムと国家主権/●安全保障と国際秩序/●三つのR
結 び
第7章 時代のフロンティアで
第一節 日本型資本主義とその衰退
●資本主義の正統性/●ドーアの訃報/●貿易摩擦の社会学/●金融グローバリゼーション/●日本型企業の擁護/●「幻滅」
第二節 成長と民主主義の動態
●ハード・タイム/●アジアの新自由主義/●テクノクラシー/●変化の源
第三節 グローバリゼーション・サイクル
●金融危機の後/●グローバリゼーション・サイクル/●安全保障と国際通貨/●金融危機と政治的転換
第四節 民主主義のフロンティア
●民主主義の革新/●ポピュリストの情熱/●小さな集会
上記内容は本書刊行時のものです。