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ふぇっくしゅん
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 書店発売日
- 2023年9月9日
- 登録日
- 2023年9月14日
- 最終更新日
- 2023年9月14日
紹介
著者は、若くより南西諸島の島々を旅することに魅せられ、南与那国や南波照間のユートピア幻想にとらえられていた。しかし、年齢を重ねるほどに、そうした幻想を夢見ながらも島にとどまり、現実を引き受けた人々の日常に自分の思いを重ねることが多くなった。日々の平凡な時間を迎え、自分の足許を見つめ、渡りきれぬ海を渡り続ける毎日こそが、生きること、人生なのだ。そう思うようになった著者の新詩集。繊細な言葉で日常の密やかな詩情を掬い取り、普段使いの平易な言葉で優しくなつかしい記憶を呼び起こす。
目次
1.ふぇっくしゅん
2.日の丸弁当
3.驟雨
4.白楊会館
5.雲の中で散歩
6.時の外にいるのだろうか
7.飯焚く小舟
8.ロングロングアゴー
9.親父の胸に
10.カバヤ文庫
11.余寒消息
12.親父、俺も七十四歳になったよ
13.コキ104
14.芙蓉の花は
15.日の遍歴
16.虹(アミヌミヤァ) 与那国島にて
17.彷徨の時間 ― 韓国・江原道旌善を訪れて
18.昼下がりに「リチャード」で
19.ベラんめぇー
20.シルエットは
21.歩いていたら、なんとなく方丈記
22.背中
23.春雨
24.ホヴァリング
25.「とぶ」と求められて
26.逢ひに行く
27.お~いっ 溜池のQ太郎やぁ~い
28.まめて
29.無鉄砲
30.つるっ と
31.真夏の夜の浅い夢
32.いわし雲
33.凄いねツバメさん
34.秋祭
35.遠雷
36.パノラマ
37.春うらら
38.後記
前書きなど
-前略-
いつもより 少しだけ
なんでもない一日が
どこかしら湧いてきて
思いがけない 起き抜けのくしゃみ
ほんの ちょっぴり
それだけのことに
ぼくが居ることを 居るところを
朝の月の光に照らされて
とりとめのない暮らしに戻っていく
(「ふぇっくしゅん」)
上記内容は本書刊行時のものです。