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と見こう見
長谷川美和子のカウンセリング
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 書店発売日
- 2019年10月8日
- 登録日
- 2019年10月9日
- 最終更新日
- 2019年10月9日
紹介
不登校を考え支える会の草分け「麦の家」代表の長谷川美和子のカウンセリング事例集。
ラジオ(南海放送)で話をしたものから抜粋して文字にしたもの。子どもから悩める大人までに寄りそった相談内容と解決への道筋をわかりやすく紹介する。
目次
1.はじめに
Ⅰ 不登校あれこれ
家業を継げと言われなくて
子どもの価値観を広げる
ちょっとからかったつもりが
足の骨折が治ったのに登校しない
男のモデルとしての父
お母さんの期待に応えたい
辛い時に笑うお母さん
四人姉妹の要らない子
お母さんを守りたい
無条件の触れ合い
お母さんが心配で
淋しかったんだもん
問題のないようなご家庭で
いつも嫌な気持ちになる会話
いじめによる傷の深さ
子どもが学校へ行くのを渋る時
不登校の根っこ
孫がお金をねだる
「言いたくない」の裏に
不登校を長引かせないために
Ⅱ 引きこもりさまざま
待つことの意味
子どもの変化に気づく
恥ずかしいあだ名をつけられて
お母さんの作ったものを食べない
おばあちゃんに育てられる
どうせ解ってもらえない
無理難題を言って暴れる
自分の顔に自信がない
さみしい時に詩を書く子
会社へ行ってなかった息子
お母さん、学校と息子とどっちが大事ですか
子どもの積極性を引き出す
○○駅で会いましょう
毎日明るいことを一言
Ⅲ 問題行動いろいろ
問題行動はメッセージ
爽やかな挨拶をする少年の心の内
友だちの家から帰らない
両親のけんかに耐えきれず
万引きをした時の対応
子どもが警察に追われている
万引きをやめない理由
借金をしてまで息子のいいなりに
「お母さん違うよ」が言えなくて
お母さんの口癖
きっかけは夜遊び
お父さんの職場に二週間
シンナーって何で吸うんでしょうね
シンナーからの奪還
リストカットをする理由
自分が許せなくて
統合失調症がかくれていた
Ⅳ 発達障がいその他
個性としてとらえる
わがままではなかったんだ
家の中の暴君
家での暴れ方が尋常じゃなくなったとき
字慣れがした!
早くしなさい! と言うよりも
なぜ叱られるのかわからない
苦手なところを補えば快適に
実習になると足が立たなくなる
お金・時間・愛情…加減が判らない障がい
一日二十回会社へ電話
対人恐怖の思わぬきっかけ
手の震えが止まらなくなった選手
まつ毛を抜くのが止まらない
新しいお母さんと仲良くしていたのに
はじめボソボソと、急に饒舌に…
夜中に一人で会話
あとがき
前書きなど
はじめに
思いもかけぬ仲間の提案と協力を得て、この度「と見こう見(左見右見)」が出版の運びとなりました。内容は、六年前からラジオ(南海放送)でお話しておりますものを文字に直し、その中から抜粋したものを四つの項目にまとめた形になっております。これらは全て私がカウンセラーとして、多くの方々から教えられ学んだことの一部にしか過ぎません。
ふり返れば、私の人生の前半(四十代後半まで)は、波瀾万丈の年月でした。そんな私がカウンセラーになろうと思ったきっかけは、四年にわたって入院治療していた時に、学校に行きたくない、行けないという何人かの中学生に出会ったことでした。
昭和シングル生まれの私は、十代前半を戦中戦後に過ごしたこともあって、学校へ行けるのに行けないということは、とても不思議な現象でした。あの何もない暗い時代にあってすら、楽しいことを探すのが仕事だったことを昨日のことのように思いだすからです。
十代前半と言えば一番楽しい時期で、人生が何なのかも理解していないけれど、少し背伸びしているのもまた可愛い時期です。その若い子が枕を抱えてうずくまっている姿を見て、何故か私の心は揺さぶられ、じっとしていられなくなり、何かしなくてはと親の会「登校拒否を考える会」を仲間といっしょに立ち上げました。
あれからはや三十三年が経ち、最初に出会った彼や彼女たちは、四十代の働き盛り、社会人として、親として、それぞれの人生を前向きに歩んでいます。
それらの諸々をふり返って思うことは、あの波乱万丈だった日々が私の支えになったいうことと、彼らと出会って、沢山のことを教えられたこと、信じさせてくれたということです。
「人は、自分の見たいものしか見ない」という言葉がありますが、目の前の出来事に目を奪われ、不都合がおきているそんな時に、ちょっと周りを見ませんか、俯瞰で見ませんか、ということを、彼らと一緒にしてきたなあと気づかされております。今回の本に「と見こう見(左見右見)」と題をつけましたのも、そういう思いからです。
お手にとられた方が、これらのお話から少しでも何か思うことがあれば、とてもうれい限りです。
この本はラジオで話したものなので、少しは推敲したのですが、松山弁丸出しの語り調になっております。読みにくい点も多々あると存じますが、ご容赦ください。
上記内容は本書刊行時のものです。