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近代俳句の諸相
-正岡子規、高浜虚子、山口誓子など-
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2018年8月30日
- 書店発売日
- 2018年9月12日
- 登録日
- 2018年10月11日
- 最終更新日
- 2018年10月11日
紹介
「写生」を提唱した正岡子規、それを発展させた高浜虚子、「写生」の純度を高めた山口誓子、自由律の尾崎放哉、破格の中村草田男、自意識に満ちた石田波郷、庶民の哀歓を詠んだ菖蒲あや。近代俳句を切り拓いた俳人たちの諸相。
目次
<目次>
Ⅰ 正岡子規(1867~1902)
一 革命と断念と書生気質 ―俳人子規の人生1―
二 若く、激しく、草花を愛す ―俳人子規の人生2―
三 独断家、松山に帰省す ―愚陀仏庵や「写生」の浸透について―
四 子規派は蕪村をいかに発見したか ―蕪村調と月並句を比較して―
五 無の発動、英雄子規 ―「写生」の発見と病臥について―
Ⅱ 高浜虚子(1874~1959)
一 枯野から遠山を「写生」する ―「遠山に日の当りたる枯野かな」について―
二 権門富貴や夏草、蚊、手袋 ―「ホトトギス」雑詠欄と「写生」について―
三 蟻地獄に春の蝶 ―虚子の選句眼と「ホトトギス」四Sの「写生」―
四 虚子の眼 ―亡びと花鳥諷詠―
Ⅲ 尾崎放哉(1885~1926)
一 放哉と宇和島の穂積橋
Ⅳ 山口誓子(1901~1994)
一 スケートリンクの沃度丁幾 ―第一句集『凍港』の連作俳句について―
二 廃墟と、生きること ―昭和十年以降の誓子について―
三 誓子句の雄姿と影響について ―満州詠、スケート句など―
四 鋼鉄の表現とユーモア ―蜥蜴、羽虫、銀蠅を見つめる誓子―
Ⅴ 中村草田男(1901~1983)
一 この世の驚異と歪み ―吾子の歯や細身の蠅、凪の世界―
二 草田男句とチャップリンのユーモア、織部焼の歪み
Ⅵ 石田波郷(1913~1969)
一 石田波郷とライカ
二 波郷と逸話
Ⅶ 菖蒲あや(1924~2005)
一 昭和の「路地」のスケッチ
二 戦後の「路地」を生きた俳人、菖蒲あや
あとがき
初出一覧
前書きなど
<あとがき>
小著は近代俳句で逸することのできない俳人を論じた評論集である。「写生」を提唱した正岡子規、それを発展させた高浜虚子、「写生」の純度を高めた山口誓子を柱とし、他に自由律の尾崎放哉、破格の中村草田男、自意識に満ちた石田波郷、また昭和の庶民の哀歓を詠んだ菖蒲あやも加えて近代俳句史の諸相を描いた。学術論文に近い手続きや評伝風、また評論やエッセイめいたくだりなど様々なアプローチを試みたのは、作品のみならず俳人のたたずまいや「写生」のありようを、またそれらを取り囲む時代や俳壇の雰囲気を少しでも体感して頂ければという一念である。なお、以前の拙著『その眼、俳人につき』(邑書林、平成二十五年)が絶版となっため、そこから子規と草田男のいくつかの論を大幅に加筆修正してⅠ、Ⅱに組みこみ、新たな論として再構成した。
上記内容は本書刊行時のものです。