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危機理論に基づく認知症者とのかかわりに関する研究 窪内 敏子(著/文) - みらい
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危機理論に基づく認知症者とのかかわりに関する研究 (キキリリロンニモトヅクニンチショウシャトノカカワリニカンスルケンキュウ) フェルト・センスに焦点をあてた共感的理解 (フェルトセンスニショウテンヲアテタキョウカンテキリカイ)

社会科学
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発行:みらい
A5判
160ページ
定価 2,500円+税
ISBN
978-4-86015-568-1   COPY
ISBN 13
9784860155681   COPY
ISBN 10h
4-86015-568-8   COPY
ISBN 10
4860155688   COPY
出版者記号
86015   COPY
Cコード
C3036  
3:専門 0:単行本 36:社会
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2021年12月10日
書店発売日
登録日
2021年11月2日
最終更新日
2021年11月2日
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紹介

本書は、認知症者のケアについて、個々の支援者が勘と経験でしか対応できていない現状から脱却し、支援者のだれもが適切な方法で認知症者への対応が実践でき、少しでも認知症者の危機が早期に回避できるための一助になると考え取り組んだ研究をまとめたものである。
人は、今まで経験したことがない新しいできごとに直面したとき、不安や緊張が高まり、混乱状態に陥る。認知症者の混乱は、認知症でなければなんでもなくのりこえられる日常生活の些細なできごとであっても、脳障害によってのりこえる方法を見失ってしまうことで発生し、不安で緊張が高まり、どうしていいかわからない思いを抱いてしまうことによって起こる。この認知症者の混乱状態を本書では「危機」と捉えた。ソーシャルワークの危機理論によると、危機に陥っている人に適切に対応することで、危機を回避することができ、反対に適切な対応ができない場合には危機は継続し混乱は増強する。つまり、現在の認知症ケアの場合、パーソン・センタード・ケアの理念を踏まえた実践ができていない支援者のかかわりによって、認知症者の危機はうまく回避できていないのではないだろうかと考えた。そして、支援者もまた、パーソン・センタード・ケアの理念が具体的に示されていないことによって、どのように実践したらよいのか混乱しているのではないかと想像したことが研究の出発点となっている。
そこで本研究では、パーソン・センタード・ケアを実践していると考えられる支援者をエキスパートと呼称し、研究協力者のエキスパートの実践とそのときの思考を分析するボトムアップの方法を用いて認知症者の危機を可視化することで、支援者だれもが認知症者の感じている危機を理解し、適切な対応方法の選択ができるよう提示した。

目次

はじめに

第 1 章 研究の背景と問題提起
 1 .認知症ケアの歴史と BPSD
 2 .BPSD の成立機序と危機理論および危機回避の考え方
 3 .認知症者に対応する支援者の現状

第 2 章 先行文献検討と本論文の構成
 1 .我が国で作成されたメソッド
 2 .認知症ケア先進国で作成されたメソッド
 3 .本論文の構成

第 3 章 認知症者とかかわる支援者の実践に関する研究
 1.研究協力者の選定
 2.先行文献を参考にした研究協力者の条件
 3.研究:認知症者とエキスパートの対応場面の分析

第 4 章 認知症者とかかわる際のエキスパートに共通した特徴
 1.認知症者と支援者のフェルト・センスの共感的理解
 2.危機の状況にある認知症者とかかわる際のゴール設定
 3.認知症者にとって意味ある支援者になるために

第 5 章 パーソン・センタードな実践をするための方法
 1.認知症者の危機を捉えるための方法の一案
 2.認知症者の危機の可視化を試みて
 3.支援者のモチベーション向上に関する考察および本研究の限界と課題

おわりに
巻末資料 認知症者とエキスパートの対応場面の分析 プロセスレコード

著者プロフィール

窪内 敏子  (クボウチ トシコ)  (著/文

窪内 敏子(クボウチ トシコ)

【現職】
京都光華女子大学健康科学部看護学科准教授/看護師・社会福祉士・介護支援専門員
【略歴】
臨床看護師、看護専門学校専任教員、介護保険サービス事業所管理者・介護支援専門員、大津市比叡地域包括支援センター主任介護支援専門員、大津市役所健康長寿課の認知症コーディネーターを経て岐阜県立看護大学講師、日本赤十字豊田看護大学准教授、2018年より現職。認知症介護指導者養成研修修了(認知症介護研究研修大府センター:1期生)。

研究テーマは、認知症ケアのエキスパートのかかわりを分析し、適切なケアを追求していくことである。主な著書に、「認知症ケアプラン&記録の学校」(日総研出版)(共著)、「関連図からみた口腔ケア(認知症患者への口腔ケア)」(永末書店)(共著)など
がある。

上記内容は本書刊行時のものです。