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植民学の記憶 植木 哲也(著/文) - 緑風出版
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植民学の記憶 (ショクミンガクノキオク) アイヌ差別と学問の責任巻次:アイヌサベツトガクモンノセキニン

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発行:緑風出版
四六判
240ページ
定価 2,400円+税
ISBN
978-4-8461-1512-8   COPY
ISBN 13
9784846115128   COPY
ISBN 10h
4-8461-1512-7   COPY
ISBN 10
4846115127   COPY
出版者記号
8461   COPY
Cコード
C0036  
0:一般 0:単行本 36:社会
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2015年7月
書店発売日
登録日
2016年9月8日
最終更新日
2024年3月17日
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紹介

1977年に北海道大学の「北海道経済史」講義で起きたアイヌ民族に対する差別発言……。しかし、それはたまたま起きた事件ではなく、背後に「植民学」があった。研究者たちはアイヌ民族をどのように捉えてきたのか。札幌農学校以来の植民学の系譜をたどり、現代にまでいたるアイヌ民族差別の源流を明らかにし、「学問」の責任を考える。

目次

第一章 差別講義事件
一 北大差別講義事件
軍艦講堂/発端/一九七七年七月九日/助手有志による質問状
教授会告示/不可侵の原則/その後の展開/時代状況/学生闘争
二 命をかけた闘い
結城庄司の公開質問状/真冬の座りこみ/チャランケ
林の回答書/何が問われていたのか/「学問」の反応
三 研究者たち
林善茂/植民学講座/高倉新一郎/『アイヌ政策史』
高倉新一郎への批判/結城庄司の批判
第二章 植民学講座
一 札幌農学校と植民学
開拓使仮学校/開拓使のアイヌ教育/札幌農学校開学
学校の危機と植民学/佐藤昌介と新渡戸稲造
二 植民論の展開
講義ノート/内国植民論/帝国大学への昇格/高岡熊雄
北海道帝国大学から北海道大学へ/北海道大学と植民学
三 植民学とアイヌ民族研究
北大植民学の制約/本流と傍流/高倉新一郎の研究動機
植民学としてのアイヌ研究/内国植民論との接点
第三章 内国植民論
一 高岡熊雄の日本内国植民論
佐藤昌介の民族論/プロシア留学/『日本内国植民論』
高岡熊雄のアイヌ民族論/明治政府の内国植民政策
『普魯西内国殖民制度』/社会政策としての内国植民
民族競争としての内国植民/植民の終了/「植民」概念の変容
二 内国植民論とアイヌ民族研究
『日本内国植民論』と『アイヌ政策史』/民族問題へのアプローチ
高倉新一郎と同化政策/高倉の政策批判/フタの締めなおし
第四章 開拓の歴史
一 「植民」から「開拓」へ
民族問題の消滅/拓殖の条件/「開拓」「拓殖」「開発」
「殖民」と「植民」/歴史の接続と切断/蝦夷地の歴史と北海道の歴史
開拓と先住民族/自然としてのアイヌ/開拓史としての北海道史
二 開拓の中のアイヌ
同化の姿/同化と差別/「あわれな」アイヌ/風俗の保存/開拓者精神
北海道百年
三 開拓史観
『新撰北海道史』/『新北海道史』/支配者の歴史と人民の歴史
『アイヌ衰亡史』/植民地としての北海道
第五章 辺境論
一 辺境と内国植民地
植民学の消失/辺境としての北海道/辺境= 内国植民地/北海道の植民地化
レーニンとマルクス/内国植民論と内国植民地論争/民族問題の忘却
二 新しい「内国植民地」
内国植民地論争の再活性化/植民地的性格の継続/アイヌ民族への言及
歴史の切断/「まだ十分熟さない概念」/北海道と沖縄
植民する者から植民される者へ/高倉新一郎の植民地論
「開拓」概念の修正/当事者としての学問
終 章 植民地の大学
結城庄司の問い/存在の否定/学問による差別/「学問の自由」/侮蔑的発言
植民学の隠蔽/事件以後/植民状態の継続/過去と未来
文 献
あとがき

著者プロフィール

植木 哲也  (ウエキ テツヤ)  (著/文

1956年生まれ。北海道大学文学部卒業。同大学院博士課程退学。
苫小牧駒澤大学教授、東北大学博士(学術)。専門は哲学。
著書に『学問の暴力―アイヌ墓地はなぜあばかれたか』(春風社)、
訳書にファイヤアーベント『理性よ、さらば』、グランジェ『哲学 的認識のために』(ともに法政大学出版局)など。

上記内容は本書刊行時のものです。