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チェルノブイリの犯罪 ヴラディーミル・チェルトコフ(著) - 緑風出版
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チェルノブイリの犯罪 (チェルノブイリノハンザイジョウ) 核の収容所 (カクノシュウヨウジョ)

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発行:緑風出版
四六判
608ページ
定価 3,700 円+税   4,070 円(税込)
ISBN
978-4-8461-1505-0   COPY
ISBN 13
9784846115050   COPY
ISBN 10h
4-8461-1505-4   COPY
ISBN 10
4846115054   COPY
出版者記号
8461   COPY
Cコード
C0036  
0:一般 0:単行本 36:社会
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2015年4月
書店発売日
登録日
2015年12月11日
最終更新日
2024年3月17日
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書評掲載情報

2015-12-11 週刊読書人
評者: 佐々木力=中国科学院大学教授・科学史・科学哲学専攻
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紹介

チェルノブイリ原発事故は、ベラルーシ、ウクライナそしてロシアの国土の大部分、いな北半球の広大な土地をストロンチウム90やセシウム137、そしてプルトニウムで汚染し、数百年から数万年にわたって人々の健康や自然に影響を与え続ける。事故の収束のために動員された膨大な数の兵士や炭坑夫=リクビダートルたちは、次々に放射線障害に倒れ、住民たちの被害も拡大するばかりである。
本書は、この惨事の影響を克明に明らかにしているだけではない。IAEA(国際原子力機関)をはじめとする国際原子力ロビーの専門家や各国の政府が事実を隠蔽するばかりか、いかに迫害しているかを白日の下に明らかにする。ここに収録されている膨大な数のインタビューは、チェルノブイリの犯罪を告発しているのである。

目次

チェルトコフの作品
謝辞
序文
プロローグ
第一部 黙殺された知
第一章 海に投げられたボトルメッセージ
第二章 医学と核権力
第三章 核の罠
一 事故
二 核爆発の脅威
三 核の罠、プリピャチ市の場合
四 ポレスコエ市の捕われた人々
五 ポレスコエ市の幼稚園
第四章 三つの出会い
一 スヴェトラーナ・サヴラソヴァ
二 ユーリ・シチェルバク
三 アナトリー・ヴォールコフ
第五章 黙殺という戦略
一 科学的トリック
二 近接効果
三 軍事的起源
第六章 チェルノブイリを黙殺する国際機関
一 ICRPのアメリカ起源について
二 チェルノブイリを科学的に黙殺する役人たち
三 ソ連の政治的背景
四 嘘に服従するまでの道のり
第二部 知
第一章 ヴァシーリ・ネステレンコあるいは物理学者の誠実さ
一 ヴァシーリ・ネステレンコの選択
二 荒廃した土地にひとつの声
三 地獄
四 健康上の破局的事態
第二章 犠牲にされたリクビダートル
一 動員
二 作業
三 国家機密
四 健康
第三章 反抗者たち
一 迫害
二 独立
第四章 クラスナポーリエに閉じこめられた人々
一 農民
二 二人の責任者
三 クラスナポーリエに住む一家
第五章 キエフでの情報操作
一 キエフの市場
二 賢き魔女たちの巣窟
三 キエフの中央広場で
第六章 ソ連の病院で起こったスイス式《ペレストロイカ》
一 六月に死に、十一月に生き延びる
二 八年後(一九九八年六月)
三 真実を語る医師たち
第七章 リクビダートルたちのゴルゴダの丘
一 ピョートル・シャシコフ
二 アレクサンドル・グールディーノの病気と屈辱
三 ヴィクトール・クリコフスキーの病気と屈辱
四 アナトリー・サラガヴェッツの衰弱と最期
第八章 国連機関の犯罪
第九章 もう一つの監査
一 幸運な出会いと支援
二 見せかけの援助
第三部 投獄された研究
第一章 ユーリ・バンダジェフスキー、制御不能の研究者
第二章 ユーリ・バンダジェフスキーの知見
一 ミンスク市でのバンダジェフスキーへの最初のインタビュー
二 フランス側の内情
三 フランスに方向転換の兆しか
四 科学者の独立性
五 バンダジェフスキーとの二度目の対話
六 ヴァシーリ・ネステレンコとローザ・ゴンチャローヴァ:「発見の価値」
第三章 出来事の系譜
一 インタビュー
二 保健省の失態
三 バンダジェフスキーによる監査報告書
四 報復
五 政治家たちの無責任
第四章 原子力ロビーの応酬
一 拷問
二 後遺症
三 囚人の証言
第五章 保健省、ネステレンコに最後通牒を送る
一 何が起こったのか
二 熾烈な攻防
三 非政府組織に向けての声明
第六章 誹謗される放射線防護
一 中傷
二 ペクチン戦争
三 人間モルモット
四 ドイツの教授、バンダジェフスキーを酷評する
第四部 民主主義の顔をした収容所の看守
第一章 嘘つきヨーロッパ
第二章 現場を占拠した無能なフランス人たち
一 二〇〇一年三月のPSR/IPPNW文書より抜粋
二 私がエートスを知った経緯
三 二〇〇一年一月二十三日アルテ宛てに書いた手紙
四 敵と接触を図る
五 ネステレンコ教授の抗議
六 テレビ局アルテ宛ての手紙とエートスの懸念
七 エートス本部、メンバーに釈明文書を送る
第三章 効果のない援助:コールプログラム
用語解説
人名索引
地名索引
組織名略称

著者プロフィール

ヴラディーミル・チェルトコフ  (ヴラディーミル チェルトコフ)  (

ジャーナリスト、ドキュメンタリー作家。1935年ロシア移民の子としてセルビアで生まれる。イタリア国籍。
現在、スイスはルガーノ近郊に在住。79歳。
パリで勉学した後、60年代初頭にイタリアに定住。その後、30年以上、イタリア放送協会(RAI)、そしてルガーノ・スイス・イタリア放送局と仕事をする。70本近いドキュメンタリー番組を制作し、社会、政治、経済分野のテーマを取り上げ、とりわけ権力構造を分析的に表現した。ペレストロイカの到来と共に、ロシア語を話すチェルトコフは旧ソ連圏で12回ほど仕事をする。ロシア、アルメニア、グルジア、アゼルバイジャンなど。1990年から、チェルノブイリの汚染地帯に定期的に行くことになる。そこで6本のドキュメンタリーを制作した。

中尾 和美  (ナカオ カズミ)  (

東京生まれ。2000年東京外国語大学博士課程修了。博士(学術)。東京外国語大学非常勤講師。専門は、言語学、フランス語学。著書に『フランス語を探る』(共著)、三修社、2005年。『フランス語をとらえる』(共著)、三修社、2013年。『フランス語学の最前線 3』(共著)、ひつじ書房、2015年、など。

新居 朋子  (アライ トモコ)  (

早稲田大学人文学科卒、東京大学仏文学科博士課程中退。元青山学院大学フランス語非常勤講師。2002年から南ドイツに住み、環境保護運動・反原発運動に携わる。訳書(共訳):Kyôka Izumi « La femme ailée » , Dominique Danesin Komiyama, Piquier 2003年、アラン=ジル・バスチード『永遠のチェルノブイリ』、フォトモルフィスム出版、2015年 。

髭 郁彦  (ヒゲ イクヒコ)  (

1961年生まれ。パリ第5大学人間社会学部言語学専攻博士課程修了。中央大学など講師、フリーライター。主要著書:(単著) Dialogue, interprétation et mouvement discursif, 2 volumes, 2001, Presses universitaires du Septentrion.(共著)『フランス語学概説』、2008年、三恵社. 『多言語多文化学習のすすめ』、朝日出版社、2008年。『フランス語学概論』、駿河台出版社、2010年。『フランス語学小事典』、駿河台出版社、2011年。 『超釈日本文学の言葉』、学研教育出版、2013年。

上記内容は本書刊行時のものです。