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インドネシア少年の抗日・対オランダ独立戦争
原書: Komando Rajawali
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2017年8月
- 書店発売日
- 2017年8月25日
- 登録日
- 2017年8月7日
- 最終更新日
- 2017年12月28日
紹介
インドネシアの人々はいかにして独立を勝ち取ったのか。インドネシアで人気の歴史コミック5部作の完訳。独立に対するインドネシアの人々の思いと歴史認識を知るために最適の書。日本の読者のために詳細な解説をつけてあります。
目次
はじめに
地図
オオワシ部隊の主人公たち
第1章 オオワシたち
第1章を読む前に
COLUMNガトット・スブロト
第2章 抵抗だ!
第2章を読む前に
COLUMNスプリヤディ
第3章 炎のスラバヤ
第3章を読む前に
COLUMNスラバヤの英雄
第4章 死の罠
第4章を読む前に
COLUMNスディルマン
第5章 最後の闘い
第5章を読む前に
COLUMNヘルマン・ヨハネス
訳者あとがき
前書きなど
はじめに
これはインドネシアの少年向け歴史コミック『オオワシ部隊』(原題はKomando Rajawali)の日本語版です。インドネシアでは小中学生が主な愛読者ですが、大人とくに軍人にも人気があります。
描かれているのは1944年から1949年までのインドネシアのジャワ島での出来事です。
インドネシアにはかつてスリウィジャヤ王国やマジャパヒト王国などいくつもの王国が栄えていました。しかし16世紀以降、ポルトガル、スペイン、イギリスそしてオランダが相次いでこの地の支配に関心を示すようになります。そして1619年にはオランダ東インド会社がバタビア(現在のインドネシアの主都ジャカルタ)をオランダの東洋貿易の拠点に定め、以後、ジャワ島をはじめインドネシアのほぼ全域がオランダ領東インドの名でオランダの植民地に組み込まれていきました。約350年間続いたオランダによるインドネシア支配は1942年3月にようやく終わりを迎えます。とはいえ、これでインドネシアが独立できたわけではありません。1941年12月8日にハワイの真珠湾を攻撃して太平洋戦争に突入した日本が「アジアの解放」を旗印にオランダ領東インドにも進軍し、1942年3月9日にオランダ軍を全面降伏させたのです。こうしてインドネシアは1945年8月15日までの約3年半、日本軍の占領下におかれることになりました。
このコミックのストーリーは、その日本占領時代から始まります。
インドネシアの人々は、日本軍による占領をどのような気持ちで受け止めていたのでしょうか。そしてまた、日本軍の占領時代にインドネシアでは実際に何が起きていたのでしょうか。このコミックからインドネシアの人々の気持ちと実際に起きた出来事を知ることができるでしょう。
ストーリーの後半はインドネシアの対オランダ独立戦争が描かれています。日本の敗戦の2日後つまり1945年8月17日にインドネシアは独立を宣言します。しかしながら旧宗主国のオランダはこれを認めようとせず、再びインドネシアをその支配下に置こうとしました。
インドネシアの人々は、このオランダの再侵略をどのように受け止めたのでしょうか。そしてまた、いかにしてオランダを相手に戦ったのでしょうか。これもこのコミックから知ることができるでしょう。
もちろん、これはあくまでコミックでありフィクションです。主人公の4人の少年すなわちパンジ、アホン、アリットそしてジャルウォは架空の人物です。しかしながらストーリーの背景となる時と場所、主な登場人物や事件はすべて事実や証言に基づくものです。優れたポップ・カルチャーを表彰するポップコン・アジアでも、『オオワシ部隊』は歴史的背景と検証に基づく2014年の最優秀コミックに選出されました。
独立期をめぐるインドネシアの人々の思いと歴史認識を理解する上で欠かせぬ作品だと思います。(訳者)
上記内容は本書刊行時のものです。