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大阪の近代建築と企業文化 ★近代建築を支えた紡績業!
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2009年1月
- 書店発売日
- 2009年1月1日
- 登録日
- 2012年10月30日
- 最終更新日
- 2012年10月30日
紹介
志の結晶、近代建築。
その歴史的建造物が次々と消えてゆく。
これ以上失ってはいけない!
大阪が日本の中心にいた時代、明治・大正に建てられた
名建築や歴史的建造物が次々と消えていく現代。
そんな、たそがれ迫る大阪の近代建築と先人達が作り上げていた、
利益だけを追求するのではなく社会、文化に貢献する(ロマンと実利の共存、志。)
その企業(財閥)文化の「栄光と挫折」を追いかける!
目次
【第1章 落日の大阪・近代建築<橋爪紳也>】
■目次
・近代建築の魅力とは…
・関西の建築界はいつ頃できたのか
・ある種の到達点をみた大阪独自の建築群
・忘れ去られた建物を語り直す大切さ
・社会に多大な貢献をした旧生駒トンネル
・初志貫徹、不撓不屈の男・大林芳五郎
・窮すれば通ず─伝説となったエピソード
・大阪に満ちていた挑戦する気概
・阪神財閥と繊維産業が近代建築に果たした役割
・かつて栄耀栄華を極めた大阪は「東洋のマンチェスター」と呼ばれた
・大富豪たちの村
・阪神財閥と近代建築
・大正ロマンの香り漂う旧藤田男爵邸《太閤園》
・稀代の数奇者・二代目野村徳七の《碧雲荘》
・地元活性化の期待担う門司赤煉瓦プレイス
・繊維産業が残した近代建築の数々
・なぜ大阪の建築物がダメになったのか
・どうしてこんなに近代建築が少ないんだ
・見慣れた建物が壊れていく寂しさ
・競い合う建築文化は大阪らしい
・近代建築を残すすべあり
【第2章 大阪の近代建築─その個性の成立<石田潤一郎>】
■目次
・はじめに
・大阪建築界の開化
・そして誰もいなくなった…アーキテクト四傑の挫折
・辰野金吾の苦心と功績
・大阪・近代建築の特性 その1「建築を信用の用具とす」
・大阪・近代建築の特性 その2「自由で社会的ではつらつたる…」
・大阪・近代建築の特性 その3「ビジネスアーキテクトであることを要す」
・クライアントと建築家のあいだに立ち現れる個性
【第3章 住友の建築と近代大阪<山形政昭>】
■目次
・住友臨時建築部─野口・日高の時代から長谷部・竹腰の時代へ
・竣工以来の姿をとどめる中之島図書館
・住宅作品に見られる美術工芸的特性
・北浜のシンボルとなった竹腰健造の苦心作《大阪証券取引所》
・大大阪にふさわしい新大阪ホテル誕生
【第4章 安井武雄の仕事─大阪ガスビルを中心に─<佐野正一・栗本智代>】
■目次
・大阪の都市化は堺筋沿いから御堂筋沿いへ
・御堂筋の拡幅工事と共に建築されたガスビル
・映画・西洋料理・料理講座…新文化の発信基地として
・安井氏の旧館と佐野氏の新館 接続はなめらかに
・安井武雄のモダニズム建築
・安井武雄の人生
・四つのモダニズム建築とそれ以外
・設計・施工・建築主 三者の新しい関係
・安井武雄から受け継いだ精神とは…
【第5章 泉州の企業家と建築遺産 寺田甚与茂と谷口房蔵<酒井一光>】
■目次
・寺田財閥の礎を気付いた寺田陣与茂
・山岡尹方と共に岸和田煉瓦を設立
・紡績・銀行・鉄道・電力など次々と事業を興す
・寺田財閥の残した近代建築
・大阪合同紡績の創業者・谷口房蔵
・大阪港の整備事業に注力
・現存する優れたデザインの近代建築に深く関与
【第6章 芝川家とその建築<川嵜千代>】
■目次
・芝川家について
・芝川家 都市の建築《伏見町旧洋館》
・芝川ビル
・千島土地株式会社本社屋
・芝川家 郊外の建物《甲東園・芝川邸》
・甲東園・芝川又右衛門邸
・甲東園・茶室山舟亭
・甲東園・松花堂
・甲東園・芝川邸増築
・甲東園・芝川邸寿宝堂(八角堂)
・甲東園・芝川邸内図書館
・住吉・小田原の家
・六甲山別荘
・戦後の建築
【資料編】
■目次
・大阪・近代建築史年表
・講演者より塾生に配付されたレジュメ
・大阪に残る近代建築の所在が分かるMAP
追記
橋爪紳也「落日の大阪・近代建築」より
戦後には御堂筋、大阪駅周辺を美観地区に指定した。都市美の重要性を謳っていた。いかに美しい街を創るのかという目標を“民”と“官”が共有していたと私は思います。(中略)東洋の大都会にふさわしい風格をもった景観を造るべきだということに事業者や行政が思いをひとつにするところがあった。
【新なにわ塾】
適塾や懐徳堂の伝統を受け継ぎ、大阪が歩んできた道を《光と影》《栄光と挫折》の両面から振り返ろうとする市民講座。
上記内容は本書刊行時のものです。