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後藤正治ノンフィクション集 第7巻『ベラ・チャスラフスカ』節義のために『マラソンランナー』 後藤 正治(著) - ブレーンセンター
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後藤正治ノンフィクション集 第7巻『ベラ・チャスラフスカ』節義のために『マラソンランナー』 (ゴトウマサハルノンフィクションシュウ ダイナナカン ベラチャスラフスカ セツギノタメニ マラソンランナー)

全集
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文庫判
672ページ
並製
定価 2,400円+税
ISBN
978-4-8339-0257-1   COPY
ISBN 13
9784833902571   COPY
ISBN 10h
4-8339-0257-5   COPY
ISBN 10
4833902575   COPY
出版者記号
8339   COPY
Cコード
C0090  
0:一般 0:単行本 90:文学総記
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2011年1月
書店発売日
登録日
2011年1月20日
最終更新日
2012年10月30日
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書評掲載情報

2016-05-01 東京新聞/中日新聞
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紹介

東京五輪、世界中を魅了した女子体操の金メダリスト、ベラ・チャスラフスカ。一躍ヒロインとなったが、その後、過酷な時代の渦に巻きこまれてゆく──。取材・執筆に約5年。訪れた地域は世界各地にまたがる。その果てに辿りついたものは……。著者がもっとも愛着があるという“この一作”

時代を象徴するマラソンランナーをとりあげ、レースと共に彼らの思考や生き方を描いた『マラソンランナー』を併せて収録。本作は、マラソンランナーを通して見た明治から現代に至る日本人の精神史でもある。

目次

『ベラ・チャスラフスカ』節義のために
序章………旅へ
第一章……寒い国のバラ
第二章……東洋の娘たち
第三章……春、そして冬
第四章……復活と悲劇と
第五章……帝国に生きて
第六章……自由ロシアの子
第七章……メキシコの花嫁
第八章……白い妖精
第九章……歌声は消えず
終章………狐の森
あとがき

主な参考文献
五輪女子体操個人総合・歴代メダリスト


『マラソンランナー』
第一章……坂の上の雲
第二章……苦い勝利
第三章……アトムボーイ
第四章……完走者
第五章……貴公子
第六章……朗らかランナー
第七章……遠いロード
第八章……ジョガー娘
あとがき
主な参考文献


第七巻解説─白石一文
第七巻への覚書

著者プロフィール

後藤 正治  (ゴトウ マサハル)  (

1946年京都市に生まれる。京都大学農学部卒業。
ノンフィクション作家となり、医学、スポーツ、人物などの分野で執筆を重ねる。
2007年より神戸夙川学院大学教授。

「空白の軌跡」(講談社文庫)で第四回潮ノンフィクション賞、
「遠いリング」(岩波現代文庫)で第12回講談社ノンフィクション賞、
「リターンマッチ」(文春文庫)で第26回大宅壮一ノンフィクション賞、
を受賞。

他の著者に、「牙」(講談社)、「復活」(文藝春秋)、「甦る鼓動」(岩波現代文庫)、
「スカウト」(講談社文庫)、「奪われぬもの」(同)、「生体肝移植」(岩波新書)、
「刻まれたシーン」(ブレーンセンター)、「秋の季節に」(ブレーンセンター)などがある。

本ノンフィクション集は、書き手として出発して以降二十数年の間に刊行された
主要なノンフィクション作品のほとんどが収録 される予定である。

<BR>鈴木 一誌  (スズキ ヒトシ)  (装丁

本書の装丁家。
1950年、東京都立川市生まれ。東京学芸大学、東京造形大学ともに中退。
グラフィックデザイナー杉浦康平のもとで12年間アシスタントをつとめ、85年、独立。
本文ページのレイアウト・フォーマットをめぐって朝日新聞社とのあいだで争われた「知恵蔵裁判」を93年に提訴し、
99年に高裁で敗訴。81年、映画批評で第1回ダゲレオ出版評論賞。98年、講談社出版文化賞ブックデザイン賞。
デザインのおもな仕事に『昭和――二万日の全記録』、『Japan An Illustrated Encyclopedia――英文日本大事典』、
『クロニック世界全史』、『大辞泉』、『鈴木清順全映画』、『小川紳介 映画を獲る』、
『加藤泰作品集』ほか多数。
著述に「ページネーションのための基本マニュアル」「明解日本語文字組版」(共著、99年、『印刷ガイドブック――DTP実践編』玄光社、所収)、
『知恵蔵裁判全記録』(共著、01年、太田出版)がある。

ブレーンセンターの本では、『子どもの写真はもう撮れない』(妹尾豊孝、07年)、『群集のまち』(太田順一、07年)
『新なにわ塾叢書1巻 プガジャの時代』(08年)、『新なにわ塾叢書2巻 大阪の近代建築と企業文化』(09年)、『新なにわ塾叢書3巻 水都大阪盛衰記』(09年)
『後藤正治ノンフィクション集』(後藤正治、09年~)、『父の日記』(太田順一、10年)など多数。

追記



「第七巻への覚書」より

 いまこう思う。二十世紀という時代、多分に悲と苦に覆われた世紀ではあったが、<チャスラフスカたち>が存在し、<1968年>があり<1989年>があった。あったということはこれからもありうるということである。それが次の世紀においても小さな灯火であり続けていくだろう、と。

 本巻には『マラソンランナー』を併せて収録した。長距離ランナーたちの属性であるのか、いずれも内面を言葉化することにおいて豊かな人々であった。ふとボクサーに似ていると幾度か思った。「日本人にとってのオリンピック、あるいはその精神史」というべき一冊をまとめることができたのは、彼らと彼女たちがそのような人々であってくれたおかげである。



白石一文「解説」より

 つまり、 本書で後藤正治という作家が描こうと企てている本当のテーマは、この人間社会において最も難解な命題である「個人と国家との関係」それ自体についてなのである。

 後藤氏は、一見するところ国家や政治とは縁遠いと思われる女子体操というスポーツの戦後史を追いかけながら、そんな中で否応なく政治的選択をせざるを得なくなった一人のヒロインの姿を浮き彫りにし、ある個人が残す<精神の形>こそが、社会主義<革命>という巨大な国家原理よりもはるかに重く貴重なのだと再確認する。

 それが、この命題に対する後藤氏の最終的な解答なのである。

上記内容は本書刊行時のものです。