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後藤正治ノンフィクション集 第4巻『リターンマッチ』『私だけの勲章』 後藤 正治(著) - ブレーンセンター
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後藤正治ノンフィクション集 第4巻『リターンマッチ』『私だけの勲章』 (ゴトウマサハルノンフィクションシュウ ダイヨンカン リターンマッチ ワタシダケノクンショウ)

全集
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文庫判
厚さ34mm
696ページ
並製
定価 2,400円+税
ISBN
978-4-8339-0254-0   COPY
ISBN 13
9784833902540   COPY
ISBN 10h
4-8339-0254-0   COPY
ISBN 10
4833902540   COPY
出版者記号
8339   COPY
Cコード
C0090  
0:一般 0:単行本 90:文学総記
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2010年4月
書店発売日
登録日
2010年9月13日
最終更新日
2012年10月30日
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受賞情報

大宅壮一ノンフィクション賞

書評掲載情報

2016-05-01 東京新聞/中日新聞
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紹介

大宅壮一ノンフィクション賞
受賞作 『リターン マッチ』

極め付きの不良少年は、やがて定時制高校の教師になり、
ボクシング部をつくった。
言葉ではなく、生徒たちと裸でぶつかり合う。
人生で負け続けてきた少年たちに 勝利の味を教えてやりたい…。
ヒゲ先生とゴンタクレたちとの日々を描いた、
後藤ワールドの決定版ともいえるヒューマン・ドキュメント。

世の片隅で、自身の技量とプライドを賭けて生き抜く。
知られざるプロフェッショナルたちを描く
著者初の短編集『私だけの勲章』を併せて収録。

目次

『リターン マッチ』
第一章……夜学
第二章……道場
第三章……攻防
第四章……硬派
第五章……敗北
第六章……亀裂
第七章……夏
番外編……その後──一九九五年
あとがき…その後──二〇〇一年


『私だけの勲章』
演歌──ネオン街・飛田に生きる最後の流し
幻の党派──先端シンクタンクはなぜ倒壊したのか
御巣鷹山──TV局の技術クルーによる大スクープ
選挙参謀──野合の知事選挙を動かす影の軍師
最後のひと振り──タイガースの代打男・川藤幸三
あとがき

第四巻解説──柳田邦男
第四巻への覚書

著者プロフィール

後藤 正治  (ゴトウ マサハル)  (

1946年京都市に生まれる。京都大学農学部卒業。
ノンフィクション作家となり、医学、スポーツ、人物などの分野で執筆を重ねる。
2007年より神戸夙川学院大学教授。

「空白の軌跡」(講談社文庫)で第四回潮ノンフィクション賞、
「遠いリング」(岩波現代文庫)で第12回講談社ノンフィクション賞、
「リターンマッチ」(文春文庫)で第26回大宅壮一ノンフィクション賞、
を受賞。

他の著者に、「牙」(講談社)、「復活」(文藝春秋)、「甦る鼓動」(岩波現代文庫)、
「スカウト」(講談社文庫)、「奪われぬもの」(同)、「生体肝移植」(岩波新書)、
「刻まれたシーン」(ブレーンセンター)、「秋の季節に」(ブレーンセンター)などがある。

本ノンフィクション集は、書き手として出発して以降二十数年の間に刊行された
主要なノンフィクション作品のほとんどが収録 される予定である。

<BR>鈴木 一誌  (スズキ ヒトシ)  (装丁

本書の装丁家。
1950年、東京都立川市生まれ。東京学芸大学、東京造形大学ともに中退。
グラフィックデザイナー杉浦康平のもとで12年間アシスタントをつとめ、85年、独立。
本文ページのレイアウト・フォーマットをめぐって朝日新聞社とのあいだで争われた「知恵蔵裁判」を93年に提訴し、
99年に高裁で敗訴。81年、映画批評で第1回ダゲレオ出版評論賞。98年、講談社出版文化賞ブックデザイン賞。
デザインのおもな仕事に『昭和――二万日の全記録』、『Japan An Illustrated Encyclopedia――英文日本大事典』、
『クロニック世界全史』、『大辞泉』、『鈴木清順全映画』、『小川紳介 映画を獲る』、
『加藤泰作品集』ほか多数。
著述に「ページネーションのための基本マニュアル」「明解日本語文字組版」(共著、99年、『印刷ガイドブック――DTP実践編』玄光社、所収)、
『知恵蔵裁判全記録』(共著、01年、太田出版)がある。

ブレーンセンターの本では、『子どもの写真はもう撮れない』(妹尾豊孝、07年)、『群集のまち』(太田順一、07年)
『新なにわ塾叢書1巻 プガジャの時代』(08年)、『新なにわ塾叢書2巻 大阪の近代建築と企業文化』(09年)、『新なにわ塾叢書3巻 水都大阪盛衰記』(09年)
『後藤正治ノンフィクション集』(後藤正治、09年~)、『父の日記』(太田順一、10年)など多数。

追記



「第四巻への覚書」より

 教え子の多田悦子が、私の指示通りのボクシングをやって、世界チャンピオンになりました。「ヤンキー少女を世界チャンピオンに」という闘いに勝ちました。七〇歳近くになって、久方ぶりの勝利感に浸っています。多分、人生最後の感動だろうと思います。まだ少し生きられるようなので、続けます――。

 このような文面のメールが届いたのは二〇〇九年四月十二日である。送り手は脇浜義明氏である。

  『リターンマッチ』という作品を送り出して以降、西高ボクシング部とのかかわりは薄れていったが、リングサイド周辺の風の便りはずっと届いていた。多田悦子という部員のことも耳にしていた。男の子相手に喧嘩をふっかけるような「女番長」であるとか。氏好みの選手である。練習風景を見ることはなかったが、随分と入れ込んで指導に当たったであろうことはありありと目に浮かんだ。



柳田邦男「解説」より

 昨今、「事実をもって語らしめる」というノンフィクションの方法を、「事実なら何でも書いていい」と誤解して、取材者のモラルなどは何も持たないでプライバシー暴露に血道をあげたり、あげくは事実の確認さえろくにしないで取材リポートを書いたりするジャーナリストが多くなっている。その文品は惨憺たるものだ。そういう中で、当世ははやらない「堅実な」とか「地味な」という形容詞をあえて使いたくなる後藤さんの仕事の仕方と作風は、かえって重要なメッセージ性を持っている。そんな意味もこめて、私はこの『リターンマッチ』をいつまでも残したい作品と位置づけている。

上記内容は本書刊行時のものです。