版元ドットコム

探せる、使える、本の情報

文芸 新書 社会一般 資格・試験 ビジネス スポーツ・健康 趣味・実用 ゲーム 芸能・タレント テレビ・映画化 芸術 哲学・宗教 歴史・地理 社会科学 教育 自然科学 医学 工業・工学 コンピュータ 語学・辞事典 学参 児童図書 ヤングアダルト 全集 文庫 コミック文庫 コミックス(欠番扱) コミックス(雑誌扱) コミックス(書籍) コミックス(廉価版) ムック 雑誌 増刊 別冊
ファシズムと聖なるもの/古代的なるもの 平藤 喜久子(編著) - 北海道大学出版会
.
【利用不可】

書店員向け情報 HELP

ファシズムと聖なるもの/古代的なるもの (ファシズムトセイナルモノコダイテキナルモノ)

このエントリーをはてなブックマークに追加
A5判
290ページ
並製
価格 3,200円+税
ISBN
978-4-8329-6846-2   COPY
ISBN 13
9784832968462   COPY
ISBN 10h
4-8329-6846-7   COPY
ISBN 10
4832968467   COPY
出版者記号
8329   COPY
Cコード
C3014  
3:専門 0:単行本 14:宗教
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2020年4月24日
書店発売日
登録日
2020年3月25日
最終更新日
2020年4月23日
このエントリーをはてなブックマークに追加

紹介

ファシズム運動の時代、「聖/古代」が人々を魅了し、人々によって称揚された。それは何故なのか。実態はどうだったのか。――日本と独伊仏ルーマニアを取り上げ、ファシズムを準備した文化・学問・芸術・建築、また戦後に受け継がれたものを視野に入れ、現代に埋め込まれた「ファシズム」を透視する。

目次

はじめに………平藤喜久子


 第1部 日本の自己像・世界像

第1章 ファシズム期の神話学と“青年結社”………平藤喜久子
 一 はじめに─ファシズム期における青年という表象
 二 ファシズム期神話学と男性結社
 三 三品彰英の神話学と男性結社論
 四 おわりに

第2章 日本型ファシズムと学問の系譜──宇野圓空とその時代………鈴木正崇
 一 前提としてのファシズム
 二 宇野圓空の評価と位置づけ
 三 宇野圓空と同時代の学者たち
 四 「民族的宗教」としての修験道──宇野圓空をめぐって
 五 「民族」概念の生成と展開
 六 日本型ファシズムと修験道研究──和歌森太郎をめぐって
 七 日本精神主義と国民精神文化研究所
 八 修験道研究の確立とナショナリズム──堀一郎・五来重・宮家準

第3章 大川周明のスーフィズムへの傾倒………臼杵 陽
 一 大川周明の転換点としての「一九一三年夏」
 二 大川周明のキリスト教への関心
 三 論考「神秘的マホメット教」とマックス・ミュラーの講演録
 四 マックス・ミュラーのスーフィズム講義
 五 預言者ムハンマドとの「会見」と「始祖中心の宗教」
 六 大川周明に見る「神人合一」と「アジアの一如」
 七 おわりに──大川周明と井筒俊彦の接点とパレスチナの指導者


 第2部 他者による日本像

第4章 ナチス時代の日本学における「神道」と「禅」
    ──W・グンデルトとその周辺………………ベルンハルト・シャイト
 一 はじめに
 二 日本学者グンデルトの経歴
 三 国家社会主義者としてのグンデルト
 四 神道、禅、民族遺産についてのグンデルトの見解
 五 おわりに

第5章 日本ファシズムの起源の固有性について
    ──からごころ………………クラウス・アントーニ(齋藤公太訳)
 一 はじめに
 二 日本の中国観
 三 日本儒教とナショナリズム的思想の展開
 四 漢 意(からごころ)──「邪悪な中国的精神」と日本の固有主義
 五 国 体──近代日本のユートピア
 六 ドイツによる国体イデオロギーへの賞賛と日独のイデオロギー的方法の類似性
 七 結 論──アジアへの復帰という日本の困難な道

第6章 ファシズム時代のイタリア語訳『古事記』とその背景
    ──「日本の聖書」について………シルヴィオ・ヴィータ
 一 はじめに
 二 訳者マリオ・マレガと『古事記』との出会い
 三 マレガ版の『古事記』
 四 今後の課題


 第3部 ヨーロッパの表象

第7章 ナチス時代の「アッシリア神話」………月本昭男
 一 フォン・ゾーデン父子
 二 セム語学者フォン・ゾーデン
 三 『アッシリア帝国の勃興』(一九三七年)
 四 アッシリア帝国の勃興とアーリア民族
 五 アッシリア帝国の崩壊の理由
 六 イデオロギーとしての文化史

第8章 戦間期ルーマニアの知識人と歴史表象………新免光比呂
 一 はじめに
 二 ルーマニアの歴史と西欧
 三 宗教、民族、ファシズム
 四 ルーマニア知識人の歴史的課題と超克への試み
 五 むすび

第9章 表象しえぬ「古代」の表象
    ──ドイツ・プレファシズムおける視覚文化………深澤英隆
 一 はじめに
 二 視覚文化と宗教
 三 ドイツ国民主義と視覚文化
 四 ドイツ・プレファシズムと視覚文化
 五 ヘルマン・ヘンドリッヒとその作品
 六 視覚的敬虔とフェルキッシュ美学

第10章 ナチズム期の〈古代〉表象の形成
     ──H・ヴィルトの〈アトランティス母権制〉論をめぐって………………久保田 浩
 一 問題の所在─ブレーメンのベトヒャー通りから出発して
 二 ベトヒャー通りの『アトランティス・ハウス』
 三 親衛隊研究協会「祖先の遺産」とヘルマン・ヴィルト
 四 〈古代〉表象の想像力
 五 〈古代〉表象と近代批判─ナチズム期の「学問」理解との関連で

第11章 ファシズム期の比較神話学………松村一男
 一 はじめに
 二 ファシスト・イタリア
 三 ナチス・ドイツ
 四 ドイツ圏の研究
 五 フランスでの研究
 六 おわりに

おわりに………平藤喜久子


執筆者・訳者紹介

著者プロフィール

平藤 喜久子  (ヒラフジ キクコ)  (編著

1972年、山形県生れ
國學院大学教授学習院大学大学院人文科学研究科博士課程修了 博士(日本語日本文学)
神話学、宗教学専攻

『神話学と日本の神々』(弘文堂、2004)
『神の文化史事典』(共編著、白水社、2013)
『いきもので読む、日本の神話』(東洋館出版、2019)
『幸せ運ぶ!ニッポン神社めぐり』(NHK出版、2019)

上記内容は本書刊行時のものです。