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多様性と可能性のコーカサス
民族紛争を超えて
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2009年3月1日
- 書店発売日
- 2009年3月25日
- 登録日
- 2018年10月11日
- 最終更新日
- 2018年10月11日
紹介
コーカサスは、ソ連崩壊以降、民族紛争やエネルギー問題(カスピ海石油・パイプライン)、民主化革命といった国際的な政治問題の震源地として知られる。泥沼化し、未だ出口の見えないチェチェン紛争や、南オセチアへのグルジアによる侵攻とそれに呼応するロシアのグルジア攻撃(2008年)は、世界中に大きな衝撃を与えている。その一方で、長寿の郷、ワインの故郷、勇壮かつ優美な民俗舞踊など、伝統芸術の宝庫としても知られてきた。本書では、多様な言語・宗教に基づく共生の文化を築いてきたコーカサスの歴史や文化を、現地経験豊富な7人の論者が描くなかで、民族・宗教と国家という普遍的な問題をあぶり出す。我が国で初めてのコーカサス研究に焦点を当てた市民講座の記録。
目次
[目 次]
はじめに 前田弘毅
序 章 コーカサス史の読み方――歴史における「辺境」と「中心」 前田弘毅
第一部 カスピ海研究の可能性――ユーラシア地域ネットワークと世界秩序の関連を知るために
第一章 中央アジアとコーカサス――近くて遠い隣人? 宇山智彦
第二章 コーカサスをめぐる国際政治――求められるバランス外交 廣瀬陽子
第二部 コーカサスはイスラーム・テロリズムの温床か?――ロシア・イスラームを知るために
第三章 チェチェン紛争の現在――野戦軍司令官からジャマーアット・アミールへ 北川誠一
第四章 ダゲスタンのイスラーム――スーフィー教団間の多元主義的競争 松里公孝
第三部 美的表象とコーカサス社会――芸術と国家、民族の関係を知るために
第五章 特権的トポスのはじまり――コーカサス表象の原型と「他者の声」について 中村唯史
第六章 舞踊とアイデンティティの多面性・流動性――コーカサス系トルコ国民を中心に 松本奈穂子
上記内容は本書刊行時のものです。