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顔真卿伝 吉川 忠夫(著/文) - 法藏館
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顔真卿伝 (ガンシンケイデン) 時事はただ天のみぞ知る (ジジハタダテンノミゾシル)

歴史・地理
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発行:法藏館
四六判
厚さ19mm
重さ 324g
203ページ
定価 2,300円+税
ISBN
978-4-8318-7723-9   COPY
ISBN 13
9784831877239   COPY
ISBN 10h
4-8318-7723-9   COPY
ISBN 10
4831877239   COPY
出版者記号
8318   COPY
Cコード
C0023  
0:一般 0:単行本 23:伝記
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2019年1月5日
書店発売日
登録日
2018年11月21日
最終更新日
2024年3月11日
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書評掲載情報

2019-02-24 毎日新聞  朝刊
評者: 井波律子(中国文学者)
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紹介

雄勁の書風をもって書道史上にその名を留める顔真卿。
しかし書はその一局面の表出に過ぎない。

安史の乱とそれに続く激動の時代のなかで、
節義に生きた顔真卿の等身大の人物像を、
中国の歴史・文学・思想に精通した著者が
堅実な史料解釈と余韻ゆたかな筆致で描き出す。

書き下ろしの本格的人物伝!


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険しい時代を生きた顔真卿。『旧唐書』は巻一二八に、『新唐書』は巻一五三に顔真卿の伝記を備えている。また顔真卿自身がのこしたさまざまの書作品や少なからざる詩文が今日に伝わる。それらに基づいて、あらかたは伝記風にその生涯をたどりつつ、せいぜい等身大の人物像を描くことにつとめたい。《「はじめに」より》
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「書は人なり」。いやそれ以上に、書よりもまずなにより大切なのは人間なのだ。両『唐書』に真卿の書についての記事が少ないのは、真卿にとってなんら不名誉なことではなく、むしろ名誉とすべきことがらなのかもしれぬ。後世の人間にとって顔真卿の名が想起されるのは、なによりもその書芸術によってではあろうけれども、しかしながら書芸術はあくまでも人間顔真卿の一局面の表出に過ぎないのであり、おそらく真卿自身も、あらゆる学芸や徳義を兼備するところの均衡のとれた人間を理想としたのにちがいない。「慎んで書を以て自らに命(な)づくること勿(な)かれ」、くれぐれも書をもって表看板とするようなことがあってはならぬぞ、このように戒めた五代の祖之推の遺訓を真卿は裏切ることはなかったのである。《本文より》
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※初刷は限定仕様カバー。書影は重刷分につき、リニューアル仕様。

目次

はじめに
一章 輝かしい家系とその生い立ち

書生門戸/節義の伝統/書芸術の伝統/父惟貞/幼少時代

二章 官界デビュー

青雲の志/張旭/硬骨の官として

三章 安史の乱

羯胡安禄山/気驕りて上都を凌ぐ/漁陽の?鼓(へいこ)、地を動(どよも)して来たる/平原太守として/青年李[山+咢]の献策/危機迫る/平原を去る/行在所へ

四章 息を吹き返す唐王朝

長安帰還/「祭姪文稿」と「祭伯文稿」/「争坐位帖」

五章 撫州刺史時代

「麻姑山仙壇記」/「魏夫人仙壇碑」/「華姑仙壇碑」/「李含光碑」/仏教とのかかわり/「蔡明遠帖」と「八関斎会報徳記」

六章 湖州刺史時代

『韻海鏡源』/皎然/「李左相の石樽」聯句/陸羽/張志和

七章 壮絶な最期

「李太保に与うる帖」/『礼儀集』/盧杞の姦策/李希烈のもとで/「蔡州帖」/泉下に眠る顔真卿

終章 書と人

後世における顔真卿評/書をもって自らに命(な)づくることなかれ

あとがき

参考文献
図版一覧
顔真卿年譜

著者プロフィール

吉川 忠夫  (ヨシカワ タダオ)  (著/文

1937年、京都市生まれ。京都大学文学部史学科卒業、同大学院文学研究科博士課程単位取得退学。東海大学文学部講師、京都大学教養部助教授を経て、京都大学人文科学研究所助教授、同教授(1991~93年所長)。2000年、停年退官、京都大学名誉教授。花園大学客員教授、国際禅学研究所所長、龍谷大学文学部教授を経て、同大学客員教授。日本学士院会員。 〔主著〕『劉裕』(人物往来社。後に中公文庫)、『王羲之─六朝貴族の世界─』(清水新書、清水書院。増補して岩波現代文庫。後に清水書院「新・人と歴史 拡大版」)、『侯景の乱始末記─南朝貴族社会の命運─』(中公新書)、『六朝精神史研究』(同朋舎出版)、『中国古代人の夢と死』(平凡社選書)、『秦の始皇帝』(集英社。後に講談社学術文庫)、『魏晋清談集』(講談社)、『書と道教の周辺』(平凡社)、『古代中国人の不死幻想』(東方書店)、『中国人の宗教意識』(中国学芸叢書、創文社)、『読書雑志―中国の史書と宗教をめぐる十二章─』(岩波書店)、訳書に『訓注本 後漢書』(全10冊・別冊1、岩波書店)、『高僧伝』(全4 冊、船山徹氏と共訳、岩波文庫)など。

上記内容は本書刊行時のものです。