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中世東密教学形成論 田戸 大智(著/文) - 法藏館
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中世東密教学形成論 (チュウセイトウミツキョウガクケイセイロン)

哲学・宗教
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発行:法藏館
A5判
厚さ29mm
重さ 762g
468ページ
定価 8,000円+税
ISBN
978-4-8318-6372-0   COPY
ISBN 13
9784831863720   COPY
ISBN 10h
4-8318-6372-6   COPY
ISBN 10
4831863726   COPY
出版者記号
8318   COPY
Cコード
C3015  
3:専門 0:単行本 15:仏教
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2018年2月28日
書店発売日
登録日
2018年1月13日
最終更新日
2018年2月28日
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紹介

日本中世社会に深く浸透し、影響を与えた密教。本書ではその中でも院政期から鎌倉期にわたる東密教学の形成と展開の過程について、台密教学との比較検討を通じて新たな知見を提示する。加えて、新出資料である温泉寺蔵『菩提心論開見抄』・身延文庫蔵「大乗義章抄」などから東密と禅の同一化、東密と南都教学(特に三論宗)の兼学化など、未だ研究の行き届いていない領域にも果敢に挑み、最後に「資料編」として、温泉寺蔵『菩提心論開見抄』と智積院蔵『秘宗深密鈔』の翻刻研究も収録した意欲作!

【本書の特色】
・宗学的見地から「東密」「台密」それぞれ別個の枠組みでとらえられてきた問題について、そういった枠組みを超えた「日本密教思想史」という包括的な視点から、東台両密間の思想的連動性に注目して検討。
・これまで研究が十分に進められていなかった東密と禅・南都教学との関係について、新出資料から詳細に言及。
・貴重資料の翻刻2本を収録。

【目次】
 序 章

第一部 教主論をめぐる問題
 第一章 済暹の教主義―安然説の受容―
 第二章 五種法身説の検討

第二部五相成身観の考察
 第三章 五相成身観の日本的展開―安然と済暹を中心に―
 第四章 般若訳経典における五相成身観―安然説を中心に―
 第五章 『五部心観』の五相成身観

第三部 成仏論の形成
 第六章 済暹の密教行位説
 第七章 重誉における機根の問題

第四部 東密と禅
 第八章 『菩提心論開見抄』の検討
 第九章 東密における禅―『菩提心論開見抄』を中心に―

第五部 東密と南都教学
 第十章 『大乗義章』の修学について―論義関連資料を中心に―
 第十一章 日本における『大乗義章』の受容と展開
 第十二章 中世における密教と諸思想の交流―珍海を中心に―

 付論 重誉撰『秘宗深密鈔』について

 終 章

資料編
 温泉寺蔵『菩提心論開見抄』二巻・翻刻
 智積院蔵『秘宗深密鈔』三巻・翻刻

あとがき
索引

目次

序 章
  一 課題と目的
  二 先行研究の概要
  三 本書の構成

第一部 教主論をめぐる問題
 第一章 済暹の教主義―安然説の受容―
  一 はじめに
  二 諸説発生の因由
  三 安然の教主義
  四 済暹の教主義
  五 おわりに

 第二章 五種法身説の検討
  一 はじめに
  二 覚苑説の受容と批判
  三 澄観所引の五種法身説
  四 吉蔵と安然
  五 おわりに

第二部五相成身観の考察
 第三章 五相成身観の日本的展開―安然と済暹を中心に―
  一 はじめに
  二 五相成身観と五智
  三 安然の解釈
  四 済暹の解釈
  五 済暹以降の展開
  六 おわりに

 第四章 般若訳経典における五相成身観―安然説を中心に―
  一 はじめに
  二 般若訳経典をめぐる諸問題
  三 安然と覚超の見解
  四 成仏論との関係
  五 おわりに

 第五章 『五部心観』の五相成身観
  一 はじめに
  二 五相成身観と五仏
  三 『五部心観』成立期試論
  四 おわりに

第三部 成仏論の形成
 第六章 済暹の密教行位説
  一 はじめに
  二 済暹の基本的見解
  三 五相成身観と行位をめぐる問題
  四 行位の経歴について
  五 おわりに

 第七章 重誉における機根の問題
  一 はじめに
  二 成仏と機根の問題
  三 三劫と十地の解釈
  四 漸入者について
  五 超昇者・頓入者について
  六 行位と仏果をめぐる問題
  七 おわりに

第四部 東密と禅
 第八章 『菩提心論開見抄』の検討
  一 はじめに
  二 実範撰への疑義
  三 済暹撰『金剛頂発菩提心論私抄』との関連性
  四 禅典籍の活用について
  五 おわりに

 第九章 東密における禅―『菩提心論開見抄』を中心に―
  一 はじめに
  二 高野山と禅
  三 伝栄西撰『真禅融心義』について
  四 『真禅融心義』と『菩提心論開見抄』の対比
  五 おわりに

第五部 東密と南都教学
 第十章 『大乗義章』の修学について―論義関連資料を中心に―
  一 はじめに
  二 『大乗義章』関連資料の伝存状況
  三 身延文庫蔵「大乗義章抄」について
  四 頼超記『義章問答』について
  五 増玄記『義章要』について
  六 おわりに

 第十一章 日本における『大乗義章』の受容と展開
  一 はじめに
  二 願暁と聖宝
  三 覚樹とその門下
  四 法会における『大乗義章』
  五 おわりに

 第十二章 中世における密教と諸思想の交流―珍海を中心に―
  一 はじめに
  二 空海と珍海の関係
  三 珍海の速疾成仏について
  四 おわりに

 付論 重誉撰『秘宗深密鈔』について
  一 はじめに
  二 内容構成について
  三 金亀をめぐる問題
  四 おわりに

 終 章

資料編
 温泉寺蔵『菩提心論開見抄』二巻・翻刻
 智積院蔵『秘宗深密鈔』三巻・翻刻

あとがき
索引

著者プロフィール

田戸 大智  (タド タイチ)  (著/文

田戸大智(たど たいち) 1971年、神奈川県生まれ。1994年、早稲田大学政治経済学部経済学科卒業。1997年、大正大学人間学部仏教学科卒業。2001年、早稲田大学大学院文学研究科東洋哲学専攻修士課程修了。2007年、同博士後期課程単位取得退学。博士(文学)。国際仏教学大学院大学附置日本古写経研究所・特任研究員等を経て、現在、早稲田大学・国際仏教学大学院大学非常勤講師。 主な論文に「重誉における機根の問題」(『感性文化研究所紀要』7、2012)、「日本における『大乗義章』の受容と展開―附 身延文庫蔵「大乗義章第八抄」所収「二種生死義」翻刻―」(金剛大学仏教文化研究所編『地論宗の研究』所収。国書刊行会、2017)等がある。

上記内容は本書刊行時のものです。