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ドイツ敗北必至なり
三国同盟とハンガリー公使大久保利隆
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2023年12月
- 書店発売日
- 2023年12月22日
- 登録日
- 2023年11月2日
- 最終更新日
- 2024年3月14日
紹介
ハンガリーから正確な独ソ戦況を伝えドイツ降伏時期を予測した外交官がいた!
米国と英国の公文書館に残る外交電、ハンガリーの新聞・雑誌などの史料、当事者の日記・回想録などを駆使したリアルな情景描写は圧巻。
大久保利隆ハンガリー公使は……
❖ヒトラーに心酔していた大島浩駐独大使に異を唱え、ハンガリーからドイツ不利を打電し続けた。
❖「親独的ではない日本人外交官」としてナチス・ドイツの不満を買い、「英米の宣伝に乗せられている公使」として東條首相の不興を買い、「日本の対ソ参戦」というヒトラーの要望をつぶして大島大使の怒りを買い、降格される。
❖決死の覚悟でソ連経由で帰国。帰国後は「ドイツ敗北必至・早期終戦準備」を説いてまわり、天皇にも直接伝える機会を得た。だが、その声は届かなかった。
❖戦況悪化による中立国外交団の軽井沢疎開にともない、外務省軽井沢事務所長を務め、外交団と折衝した。
祖父が体験し、父が語り継ぎ、孫の著者が書きまとめた「三世代にわたるリレー」
※本書は『ハンガリー公使大久保利隆が見た三国同盟―ある外交官の戦時秘話』(2015年刊)に、その後新たに入手した史料、写真、証言等を加えて全面的に書き改めたもの。大久保の回想録全文を付録として収録。
☆目次
第1章 三国同盟成立
第2章 「否、否、絶対に!」――ハンガリーと「トリアノン条約」
第3章 「ヒトラーのあやつり人形」――1941年
第4章 ベルリンの在欧大公使会議――1942年
第5章 三国同盟の崩壊――1943年
第6章 御進講と外務省軽井沢事務所――1944~45年8月15日
終 章 戦後の復興とともに
〈附録〉大久保利隆著作
『回想―欧州の一角から見た第二次世界大戦と日本の外交』
『総理大臣秘書官時代の岡田啓介総理の思い出』
『終戦時に於けるドイツと日本』
目次
はじめに
第1章 三国同盟成立
出発/生い立ち/初仕事/結婚とベルギー赴任/満州事変/二・二六事件で首相官邸に/盧溝橋事件―大戦争を直感/日独伊防共協定の成立/泥沼の防共協定強化問題/ヨーロッパ開戦と貿易省創設騒動/三国同盟の成立と脅し/辞令と密命/独ソ不仲説は英米の宣伝/ブダペスト着任/軍人外交の頂点――大島浩
第2章 「否、否、絶対に!」――ハンガリーと「トリアノン条約」
マジャール人とツラン主義/日本とハンガリー/第一次世界大戦とハンガリー/屈辱のトリアノン条約―一九二〇年代/ドイツへの危険な傾倒―一九三〇年代/揺れる「不本意な衛星国」
第3章 「ヒトラーのあやつり人形」――一九四一年
松岡外相のヨーロッパ訪問/ベルリン、ローマの松岡外相/テレキ首相の死/ハンガリーの「ポイント・オブ・ノー・リターン」/ユーゴスラヴィアの消滅と日ソ中立条約/ブダペストのソ連公使/独ソ開戦、ハンガリーの参戦/ブダペストのアメリカ公使/三国同盟強化に邁進する大島大使/ヒトラーの誤算/ベルリンからの使者/行き詰まった日米交渉/対米英開戦/踊るあやつり人形/ハンガリー軍第一陣の帰還式典/消えた外交の良識
第4章 ベルリンの在欧大公使会議――一九四二年
増派―ハンガリーの苦渋の選択/「ヒトラーの外交官」とナチス外交/「ナチス砂漠の中のオアシス」―ドイツに抗うハンガリー/枢軸同盟の絶頂期/コーカサスの石油争奪戦/しのびよる暗い影 /ベルリンの在欧大公使会議/大島大使の三本の電報と谷外相の反論/ドン川の枢軸同盟軍
第5章 三国同盟の崩壊――一九四三年
スターリングラードとヴォロネジの敗北/現れ始めた日本への不満/日ソビザ交渉と「ミイラになった」連絡使節団/苦境に立たされるカーライ政権/報復の降格人事と一世一代の賭け/ローマ・スイスへの旅/捨て身のブダペスト電/イタリア降伏す/帰朝命令は下りた、ソ連のビザは下りるか/帰国の旅―ブダペストからトルコへ/ソ連横断/新京、そして東京
第6章 御進講と外務省軽井沢事務所――一九四四~四五年八月一五日
「ドイツは持って、あと一年から一年半」/皇居へ/待命の一年/ナチス・ドイツに占領されたハンガリー/日本の本土空襲始まる/無条件降伏の呪縛/意外な辞令/軽井沢着任とドイツの降伏/三笠ホテルの外務省事務所/疎開外交団への配給業務/スイス公使館とスイス公使/長い夏
終章 戦後の復興とともに
それぞれの終戦/軽井沢事務所最後の業務/ドイツ、ハンガリー、日本の軍事裁判/講和条約調査団の一員として/外交官に復帰し、経済外交に
〈附録〉大久保利隆著作
『回想―欧州の一角から見た第二次世界大戦と日本の外交』
『総理大臣秘書官時代の岡田啓介総理の思い出』
『終戦時に於けるドイツと日本』
おわりに
大久保利隆年表
参考文献
上記内容は本書刊行時のものです。