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OSS(戦略情報局)の全貌
CIAの前身となった諜報機関の光と影
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2022年9月
- 書店発売日
- 2022年9月10日
- 登録日
- 2022年8月3日
- 最終更新日
- 2022年9月9日
紹介
世界各地で諜報工作や破壊工作を展開したOSS〔Office of Strategic Services〕とはどんな組織か?
その設立から、戦後解体されてCIA(中央情報局)が生まれるまで、情報機関の視点からの第二次大戦裏面史!
★ドノヴァン長官の強烈な個性と実行力により、ヨーロッパ、北アフリカ、東南アジア、中国などに拠点を設置し、スパイなどによる情報収集の諜報活動や、枢軸国に対するゲリラ、サボタージュ、破壊工作などの特殊作戦を実行した。その活動の全貌を明らかにする。
★アレン・ダレスらが謀略工作により北イタリア戦線のドイツ軍を降伏に導いた「サンライズ作戦」、蔣介石の右腕といわれた戴笠と密接な連係をとり抗日の秘密戦工作を展開したミルトン・マイルズ、ビルマのカチン族と協働して抗日のゲリラ戦を戦ったカール・アイフラーなどの活躍を詳述。
★また、OSSが軍部やFBI等と厳しい対立関係にあったことや、諜報工作の失敗例や戦後の数々の批判、解体からCIAに生まれかわるまでの過程も詳述。
1941年 情報調整局(COI)設立
1942年 戦略情報局(OSS)設立
1945年 トルーマン大統領の命によって解体
1947年 OSSを前身とした中央情報局(CIA)設立
目次
はじめに
CIAの前身だったOSS/OSSの光と影/ミルトン・マイルズの「異なる種類の戦争」/中国を混迷させたOSS/繆斌工作の裏に見え隠れするOSS/本書の構成など/参考文献など
第1章 OSS、三つの大作戦
1 OSSが真価を発揮したサンライズ作戦
作戦の開始―ヨーロッパの戦後支配をめぐって始まった暗闘/密かに降伏を模索するドイツ軍人の発掘―ヴォルフ将軍が核に/強力な民間人の支援/作戦の進行―ダレスがヴォルフ将軍と初の対面/ダレスはOSS本部と連合国軍司令部の了解をとりつけた/連合国とドイツの将軍が初めて極秘に接触―三月一九日のスイス・アスコナ会談/秘密通信手段の確保、リトル・ウォリーの抜擢と活躍/ヒトラーやヒムラーに背くヴォルフの危険な努力/ソ連からの横槍で交渉は停滞/遂にドイツ軍、降伏へ―北イタリアが戦禍を免れる/サンライズ作戦成功の自信がダレスらの日本との和平工作を促した/「謀略」の真髄だったサンライズ作戦/エピローグ―戦後に活躍した人々
2 ミルトン・マイルズと戴笠の友情と戦い
「中国のアラビアのロレンス」だったマイルズ/マイルズとHsiao少佐との出会い、「やれることはなんでもやれ」―アーネスト・キング提督の命令/いよいよ重慶へ―入念・緻密にマイルズの人物を把握していた戴笠/中国沿岸部への危険な旅に戴笠と共に出発/重慶に戻り、連携の企画を進める/マイルズらの活動・組織に巧みに入り込んだOSS/SACO協定の締結とOSSによるその骨抜き/組織の矛盾に苦しみながらも、マイルズと戴笠は戦いを進めた/シェンノートとは友好な協力関係を築いた/蔣介石と、スティルウェル、イギリス、そして共産党との暗闘/戴笠の「忠義愛国軍」とSACOとの連携による戦い/マイルズらの最後の戦い―杜月笙の支援も得て上海を奪回/マイルズの召還と失意の帰国―戴笠の死を知る/再び中国を訪ねたマイルズ―戴笠の埋葬式への参列
3「鉄人」アイフラーの戦い
スティルウェルに能力を発見されたアイフラー/真珠湾攻撃に遭遇する/OSSに参加したアイフラー―スパイ学校での訓練/中国進入計画の挫折/ビルマ戦線での戦いの開始―カチン族との連携/日本軍を手玉にとった「名物男」宣教師スチュアート/作戦の進展と部隊の増強/スティルウェルから「蔣介石暗殺計画」を指示される/ジョン・フォード映画監督チームの来訪/ドノヴァンの来訪/ワシントンへの一時帰還と新たな任務の指令―ドイツ原爆科学者の誘拐計画/蔣介石毒殺計画、OSSの「モリアーティ」スタンレー・ロベル/ドイツ原爆科学者誘拐、蔣介石毒殺計画の中止とアイフラーの新たな任務/最後の任務の日本侵入作戦―実行直前に日本降伏/アイフラーの見事な引き際―カチン族兵士らの恩義に報いる
第2章 OSSとは何か
「ワイルド・ビル」ことドノヴァンの野望とOSSの設立/COIからOSSへ/OSSの組織/左から右まで多様な人材を登用したOSS/内部からも批判された人材の混沌/「ワイルドビル」―ドノヴァンの本領/イギリスに倣いつつ、イギリスとの摩擦や対立は絶えなかった/他の国家機関との対立や軋轢/レジスタンス勢力支援がもたらした戦後の問題
第3章 OSSの作戦の光と影――第二次大戦裏面史
北アフリカ戦線―ドゴール派と反ドゴール派の対立の中でも上陸作戦に成功/スペインへの上陸作戦に大失敗したOSS/イタリア戦線―上陸作戦には成功するも、王政派から共産主義者までレジスタンス勢力の対立により混乱/中東・バルカン・東欧―イギリスとの路線の対立、チトーとソ連にしてやられたユーゴ/フランス―右から左までのレジスタンス勢力の激しい対立の中でOSSは作戦に貢献/北欧でのOSSの活動―イギリスとの主導権争い、北欧の微妙な立場/女性工作員が活躍したOSS/アレン・ダレスの活躍と対ドイツ作戦、サンライズ作戦の成功と冷戦の始まり/英仏の植民地支配の欲望がOSSの作戦と激しく衝突したインドシナ/タイにおける作戦とその混乱/フランスの飽くなき欲望/ベトナム―OSSとホーチミンとの協力と、それが招いたフランスとの激しい対立/混迷を象徴する最悪の「招宴」
第4章 中国を混迷させたOSS
中国への進出を企てたドノヴァン/戴笠に対する評価の対立、戴笠の台頭、ミルトン・マイルズの登場/チャーチルの帝国主義的欲望/マイルズ派遣の進展と、それに目を付けたOSSとの暗闘/SACO協定の締結/様々な波乱の発生―「四人のギャング」の派遣と暗躍、マイルズへの弾圧/SACOとAGFRTSとディキシーに三分されたOSS/共産党との連携の推進を図ったOSS―ディキシーミッション/ウェデマイヤーの着任、ディキシーミッションの共産党との密約、激怒したハーレー/ウェデマイヤーのOSSに対する新たな支配構想/再び北を目指したOSSとドノヴァン/OSSと共産党の協力決裂の転回点となったスパニエル事件、牙をむきだした共産軍/OSSの最後の活躍による捕虜救出、ドノヴァンの三回目の訪中、突然の終戦/日本降伏後も続いたウェデマイヤーのマイルズへの圧力、戦後の回顧と反省/中国を混迷させたOSS
第5章 OSSとCIA
ドノヴァンの野望の挫折とOSSの解体/CIAの設立 CIGからCIAへ/CIAの活動開始とダレス時代の功罪/CIAの活動と内在する矛盾・混乱要因/マッカーシーに攻撃されたCIA/ダレスの指導力/ベトナム戦争とCIA/CIAのその後/ドノヴァンの戦後
上記内容は本書刊行時のものです。