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進化政治学と国際政治理論 伊藤 隆太(著) - 芙蓉書房出版
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進化政治学と国際政治理論 人間の心と戦争をめぐる新たな分析アプローチ

A5判
280ページ
上製
定価 3,600円+税
ISBN
978-4-8295-0783-4
Cコード
C3031
専門 単行本 政治-含む国防軍事
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2020年2月21日
書店発売日
登録日
2020年1月15日
最終更新日
2020年2月21日
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紹介

気鋭の若手研究者が、既存の政治学に進化論的なパラダイムシフトを迫る壮大かつ野心的な試み。

進化政治学(evolutionary political science)とは、1980年代の米国政治学界で生まれた概念。進化心理学を中心とする進化論的視点から政治現象を分析する手法で、欧米では最先端だが、外交史研究が主流な日本ではほぼ皆無ともいえる状況。科学哲学の科学的実在論、進化心理学、脳科学、歴史学といった諸分野の知見を総動員し、新たな進化政治学に基づいたリアリスト理論を構築する。

“戦争と平和の問題に関心を寄せる国際政治学者にとっては、個々の進化政治学的知見を国際政治研究に組み入れるだけでなく、進化政治学という革新的なアプローチ自体がいかなる意義や論争をはらんでいるのか、こうした点を科学哲学の議論を踏まえつつ方法論に自覚的な形で再考することが必要とされている”(「まえがき」より)

目次

序 章 進化政治学に基づいた国際政治研究
第1章 進化政治学とは何か
    ――その理論的基盤とそれをめぐる論争
 第1節 進化政治学の起源と前提
 第2節 進化政治学の基盤としての進化心理学
 第3節 進化政治学をめぐる論争
第2章 進化政治学の政治学への貢献
    ――科学的実在論の視点からの一考察
 第1節 政治心理学を例として―究極要因による至近要因の統合
 第2節 リアリズムを例として―理論を科学的に裏付ける
第3章 国際政治理論はいかにして評価できるのか
    ――新たな方法論的枠組みの構築に向けて
 第1節 決定不全性に由来する国際政治理論研究への批判
 第2節 科学的実在論による決定不全性の克服
 第3節 新たな方法論的枠組み―科学的実在論に基づいた実証主義の再構築
第4章 新たなリアリスト理論
    ――進化政治学に基づいたリアリスト理論
 第1節 セイヤーの進化的リアリズム―その意義と限界
 第2節 新たなリアリスト理論―進化のリアリスト理論
 第3節 進化のリアリスト理論のインプリケーション
第5章 ナショナリズムと戦争
    ――ナショナリスト的神話モデル
 第1節 ナショナリズムとリアリズム―指導者によるナショナリスト的神話作り
 第2節 部族主義の心理メカニズム―内集団への愛と外集団への敵意
 第3節 新たなリアリストモデル―ナショナリスト的神話モデル
 第4節 比較事例研究―第一次世界大戦、日中戦争、ウクライナ危機
第6章 過信と対外政策の失敗
    ――楽観性バイアスモデル
 第1節 楽観性バイアスとは何か―肯定的幻想と不協和低減効果
 第2節 新たなリアリストモデル―楽観性バイアスモデル
 第3節 事例研究―日ソ中立条約締結に至る日本外交
第7章 怒りの衝動と国家の攻撃行動
    ――怒りの報復モデル
 第1節 怒りの修正理論とは何か―幸福の交換比率と憤りのシステム
 第2節 新たなリアリストモデル―怒りの報復モデル
 第3節 比較事例研究―日独伊三国軍事同盟、太平洋戦争
終 章 進化政治学に基づいた国際政治研究の展望
 第1節 総括―進化政治学はいかにして戦争を説明するのか
 第2節 本研究に想定される批判
 第3節 本研究のインプリケーション―学際的アプローチの重要性
 第4節 今後の研究課題―進化政治学は平和を説明できるか
 第5節 結語―自然科学と社会科学の統合に向けて

前書きなど

“戦争と平和の問題に関心を寄せる国際政治学者にとっては、個々の進化政治学的知見を国際政治研究に組み入れるだけでなく、進化政治学という革新的なアプローチ自体がいかなる意義や論争をはらんでいるのか、こうした点を科学哲学の議論を踏まえつつ方法論に自覚的な形で再考することが必要とされている”(「まえがき」より)

著者プロフィール

伊藤 隆太  (イトウ リュウタ)  (

日本国際問題研究所研究員、博士(法学)。
2009年、慶應義塾大学法学部政治学科卒業。同大学大学院法学研究科前期および後期博士課程修了。同大学大学院法学研究科研究員および助教を経て、2019年より現職。慶應義塾大学法学部および海上自衛隊幹部学校で非常勤講師も務める。
研究分野は、国際政治学、国際関係理論、政治心理学、外交史、安全保障論、インド太平洋の国際関係と多岐にわたる。その他、思想・哲学(科学哲学、道徳哲学等)や自然科学(進化論、心理学、脳科学、生物学等)にも精通し、学際的な研究に従事。
主な研究業績には、“Why does Nationalism Cause war? A New Realist
Theory Based on Evolutionary and Neuroscientific Research about Tribalism”(2020)、“The Causes and Consequences of Overconfidence in International Politics: A New Realist Theory Based on Optimism Bias in Neuroscience”(2019)、“Reconstructing Positivist Methodology in IR Through Scientific Realism: How to Defend Theoretical Pluralism Without Falling into the Trap of Relativism”(2019)、「過信のリアリズム――日ソ中立条約(1941年)を事例として」(2017年)等がある。

上記内容は本書刊行時のものです。