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精神医療の特異な論理 塩満卓(編) - 批評社
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精神医療の特異な論理 (セイシンイリョウノトクイナロンリ) なぜ国家賠償請求訴訟か? (ナゼコッカバイショウセイキュウソショウカ)

社会科学
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発行:批評社
A5判
288ページ
定価 3,000 円+税   3,300 円(税込)
ISBN
978-4-8265-0750-9   COPY
ISBN 13
9784826507509   COPY
ISBN 10h
4-8265-0750-X   COPY
ISBN 10
482650750X   COPY
出版者記号
8265   COPY
Cコード
C3036  
3:専門 0:単行本 36:社会
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2025年12月25日
書店発売日
登録日
2025年12月5日
最終更新日
2026年3月10日
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書評掲載情報

2026-04-18 東京新聞/中日新聞  朝刊
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紹介

「ハンセン病訴訟」「旧優生保護法訴訟」に続く精神医療国家賠償請求訴訟はなぜ提起されたのか?
抗精神病薬の開発と人権思想の昂まりは、世界の精神医療を隔離収容型から地域精神医療へと転換させた。唯一隔離収容型の政策をなおも続けている国、それが日本であり、国連から是正勧告を受ける精神医療後進国となっている。その最大の要因は人権意識の停滞とそれを反映した法制度改革の遅れにある。
諸外国の精神医療改革から学ぶべきは、以下の3点に集約できる。第1に入院治療はAcute Care(急性期治療)に限定すべきであり、第2に強制入院の審査を限定的かつ実効性のある仕組みとすべきであり、第3にカネ(予算)とヒト(専門職)とモノ(支援)をコミュニティ・メンタルヘルスにシフトしていくことである。
「ハンセン病」「旧優生保護法」そして「精神国賠」と続いてきた国賠訴訟の歴史は、けっして不利益を被った当事者たちだけに止まる問題ではない。私たちが差別や偏見によって作り上げた社会的「障害」の壁を取り払い、多様性を尊重する自由で平等な社会を築いていく道程なのである。
高齢化した長期入院者と死亡退院者であふれる精神科病院の現状を問い、海外と比して特異な日本の精神医療政策と法制度の抜本的な転換を求める、変革のための理論の集成。

目次

はじめに[塩満卓]

第Ⅰ部 日本における精神医療の歴史と課題
プロローグ[古屋龍太]
第1章 近現代日本における精神医療政策──長期社会的入院と施設症を生んだ歴史的背景[古屋龍太]
第2章 精神保健福祉法の問題点──家族の個別責任化原則と入院者訪問支援事業の課題[塩満卓]
第3章 強制入院制度[吉池毅志]
第4章 精神医療審査会に求められる機能と実態──さらなる人権擁護のための課題[松本真由美・杉山恵理子]
エピローグ[古屋龍太]

第Ⅱ部 諸外国における精神医療の状況
プロローグ[塩満卓]
第1章 オーストラリアNSW州における精神医療改革[松本真由美]
第2章 ベルギーの精神保健改革──共に進化する権利保障と地域精神保健[中村佳世]
第3章 カナダの精神医療政策──精神障碍(害)者の脱施設化と地域移行[木村真理子]
第4章 イギリスにおける脱施設化の歴史と現状[瀧本里香]
第5章 フランスのセクター精神医療の状況と課題[池田真典]
第6章 イタリアの脱施設化から照らし返す日本の精神保健医療福祉[大野美子]
第7章 韓国の人権強化への模索──保護入院制度の変遷[呉恩恵]
第8章 台湾2007年精神衛生法[飯野海彦]
エピローグ[塩満卓]

第Ⅲ部 精神医療と人権
プロローグ[佐々木正和]
第1章 障害者権利条約と総括所見をどう読むか[佐藤久夫]
第2章 日弁連 強制入院廃止へ向けたロードマップ[池原毅和]
第3章 精神科病院における権利擁護[國重智宏]
第4章 人権思想の発展と精神障害者の人権の現在地[佐々木正和]
エピローグ[佐々木正和]

第Ⅳ部 精神医療国家賠償請求訴訟
プロローグ[古屋龍太]
第1章 精神医療国家賠償請求訴訟の概要と裁判経過──東京地方裁判所における原告/被告の争点[古屋龍太]
第2章 精神国賠訴訟の争点と意義[長谷川敬祐]
第3章 医療保護入院制度の違憲性[姜文江]
エピローグ[古屋龍太]

おわりに[古屋龍太]

著者プロフィール

塩満卓  (シオミツタカシ)  (

1960 年生まれ。精神保健福祉士。社会福祉学博士。精神科病院及び保健所・精神保健福祉センターにおいてソーシャルワーカーとして 21 年間従事し、2006 年より佛教大学勤務。著書に『ケアの脱家族化─統合失調症者と親双方の自律を支援するソーシャルワーク』(単著、法律文化社)、『いま日本国憲法は 第 6 版』(分担執筆、法律文化社)、『メンタルヘルス・ライブラリー─隔離・収容政策と優生思想の現在』(分担執筆、批評社)など。

佐々木正和  (ササキマサカズ)  (

大学を卒業後、医療法人社団至空会メンタルクリニックダダ・社会復帰施設だんだんにて精神障害者の地域移行支援・就労支援、住居支援等を行う。2003 年からは静岡県精神障害者退院促進支援事業の事務局長としても地域移行支援を担う。現在は聖隷クリストファー大学に勤務している。

古屋龍太  (フルヤリュウタ)  (

1958 年生まれ。国立精神・神経センター病院でソーシャルワーカーとして勤務後、日本社会事業大学の教員を経て、現在は同大学名誉教授。精神医療国家賠償請求訴訟研究会代表、日本精神保健福祉士協会相談役、「精神医療」編集委員。著書に『精神科病院脱施設化論』(批評社)、『精神障害者の地域移行支援』(中央法規)、編著に『みんなの退院促進プログラム』(ミネルヴァ書房)、『かごの鳥』(やどかり出版)、『精神医療改革事典』(批評社)など。

上記内容は本書刊行時のものです。