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タンゴ タンゴ タンゴ 大類善啓(著/文) - 批評社
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タンゴ タンゴ タンゴ (タンゴ タンゴ タンゴ) 情感Sentimiento織りなす魂のしらべ巻次:センティミエントオリナスタマシイノシラベ

芸術
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発行:批評社
A5判
164ページ
定価 1,800円+税
ISBN
978-4-8265-0738-7   COPY
ISBN 13
9784826507387   COPY
ISBN 10h
4-8265-0738-0   COPY
ISBN 10
4826507380   COPY
出版者記号
8265   COPY
Cコード
C1073  
1:教養 0:単行本 73:音楽・舞踊
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2023年2月10日
書店発売日
登録日
2023年2月15日
最終更新日
2023年2月15日
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書評掲載情報

2023-05-13 東京新聞/中日新聞  朝刊
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紹介

タンゴが古い? なんて言わせない!
アストル・ピアソラのタンゴに見せられたクラシック界の巨匠、ギドン・クレーメルやヨーヨー・マがピアソラ作品を競って演奏するようになり、ファン層に広がりを見せたとはいえ、タンゴはまだまだマイナーであるようだ。しかしそのタンゴの音楽と踊り――人々の琴線に触れる哀愁を秘めた詩と旋律――は、現代に生きる人々の琴線に触れる深い魅力を秘めている。日本タンゴ世界の第一人者である京谷弘司、小松亮太、平田耕治へのインタビューを収録し、タンゴ真髄を明らかにする音楽ファン必携の書。

目次

はじめに

第1章 タンゴのコラソン(心)とは何だろう――極私的アルゼンチン・タンゴ論
1 昨今に見るタンゴブームの軽さ/2 タンゴはセンティミエント(情感)なのだ/3 カルロス・ガビートの思い/4 ダニエル・バレンボイムの言葉/5 「どんな状況であろうと生きていこう」/6 ストラヴィンスキーとピアソラ/7 タンゴは生きる力の源泉だ!

第2章 タンゴは何故に過ぎし日を想うのか――大好きなタンゴの詩から私が読み取ったもの
1 タンゴは人と人との関係性のドラマだ/2 タンゴ、孤独な男の涙/3 人間的な、より人間的なタンゴ世界/4 郷愁(ノスタルヒアス)がタンゴを生み、心を癒す/5 タンゴ、望郷への魂の叫び

第3章 タンゴの心は孤独を癒やす静寂にある――映画『タンゴ・レッスン』から見えてきたもの
根無し草として浮遊する現代人/パブロは私(たち)である!/9.11後のニューヨーク 3.11後の日本人/「苦しめばタンゴがわかる」/タンゴの心は静けさの中にある。

第4章 タンゴの真髄は回想にある
もう一つのタンゴの都/再開されたレココン/タンゴは老人の音楽である!?/ロシータ・キロガと藤沢嵐子/タンゴの真髄は回想にあり/懐かしい店

[コラム]タンゴの豊かさと永遠性――『ラ・クンパルシータ全集』を聴いて

第5章 日本に根を下ろした『ブエノスアイレスのマリア』――2014.7.15板橋区立文化会館大ホールでの公演を聴く
難解な詞を超えて聞えてくるもの/マリアに体現された愛と哀しみのタンゴ/存在感を見せたSAYACA/ポルテーニョ、ポルテーニャに見る精神分析の様相

第6章 嵐子よ、安らかに眠れ――≪大連体験≫を昇華した藤沢嵐子のタンゴに思う
はじめに/故郷を離れるということは…/重要な決定的な体験とは/嵐子にとって大連とは/アイデンティティとは何か/たった一度の嵐子と私の会話/敗戦で一変した日本人の地位/「大連、思い出すのも嫌!」/タンゴは過去を背負っている/二つの大地(日本と大連)に引き裂かれた嵐子/タンゴに過去の思いを込めた嵐子

[コラム]タンゴ 起源はさまよう望郷の魂――映画『白夜のタンゴ』に思う

第7章 タンゴは追憶で出来ている!――~マエストロ・ガビート大いに語る~
社交ダンスのタンゴと大いに違うアルゼンチン・タンゴダンス/悲しい日本のタンゴダンス状況/タンゴは父祖から伝わった重要な文化なのだ/タンゴダンスは人生を背負って踊るものなのだ!/センティミエント(情感)が大切だ/タンゴダンスは競うものではない/タンゴは踊る情感である/タンゴに込めた深い思索と情熱

第8章 ガビートは死なず、時を超えて甦る――あるプロダンサーのタンゴへの篤い思い
「今がタンゴダンスの創生期です」/旧東欧圏でもタンゴが盛ん/忘れられていないガビートの名/死の3ヶ月ほど前、ローマのミロンガで踊ったガビート/今も色あせないガビートの言葉/ガビート死してタンゴの心を残す/ガビートの言葉は不滅である

第9章 京谷弘司 日本タンゴをリードした男――ピアソラから「タンゴの垢を身につけろ」と励まされたマエストロ
長兄に誘われタンゴ界に/早川真平に登用さる/タンゴの都、ブエノスアイレスへ/グラナダのタンゴ祭へ/フェデリコの音色は違った!/ピアソラとの出会い/〈用意はいいか?〉/ピアソラの前で演奏する/思い出す人々/北京、天津で歓迎さる/タンゴダンス隆盛時代に思うこと/バンドネオンの可能性/作曲家としての京谷弘司/芸術家としての京谷弘司

第10章 先頭を走る男の栄光と孤独――ピアソラか古典タンゴかという二元論なんてナンセンス! 小松亮太、ラディカルにタンゴを語る
「亮太は世界的」というモサリーニの言葉/両親がリハーサルする中で育つ/亮太少年は現代音楽が好きだった/クラシックへの夢を諦め、タンゴへまっしぐら/アルゼンチン長期留学を断念した日本事情/藤沢嵐子との出会いと最後の別れ/藤沢嵐子と小松亮太との不思議な結びつき/「ピアソラ好きもピアソラ嫌いも両方、大嫌い!」/「ピアソラか古典タンゴか」という二元論はおかしい/『ブエノスアイレスのマリア』『若き民衆』などへの挑戦/旺盛なチャレンジ精神/「ブルックナー交響曲八番」に挑む/タンゴは民族音楽ではない!/今後は台湾や韓国を巻き込んでいく/妻・近藤久美子との関係

第11章 世界へ飛翔する平田耕治――若きバンドネオン奏者の勇気ある孤高の軌跡
13歳でバンドネオンに出会う/16歳、単身ブエノスアイレスへ/音楽は心を癒し、病を治す/ラサリ、マルコーニに教わる/音楽大学からブエノスアイレスのステージへ/「ラ・ベンターナ」での6ヶ月/タンゴから見えてきた日本とは…/ボクはタンゴマニアにはならない!/世界へ羽ばたく平田耕治/心にしみわたるバンドネオン

第12章 タンゴダンス人生を駆けるミキ・カワシマ――ブエノスから16年ぶりに一時帰国したミキ・カワシマに聞く

第13章 ある日の小さなコンサートで――第96回東京リンコン・デ・タンゴで(2018年1月23日原宿「クリスティー」にて)
演歌のモランか、オペラのマシエルか/古き佳き時代の古典タンゴを!/KaZZmaと福島久雄、田中庸介、二人のギター奏者

第14章 ダニエル・バレンボイムとタンゴ――~「アイデンティティは一つではない」~ユダヤ人を超えて世界市民として
「我々は人類の一員である」/ロシア系ユダヤ人として人生を歩む/イスラエルへ移住/帰郷してタンゴを演奏しCDを創る/国家や民族を超えて人類の一員として

あとがき

著者プロフィール

大類善啓  (オオルイヨシヒロ)  (著/文

1968年法政大学文学部哲学科卒業後、欧州、中東、アジアに遊ぶ。週刊誌記者、フリーライターなどを経て、78年初訪中。79年より中国との交流に携わり、81年手塚治虫のアニメ『鉄腕アトム』の中国・中央テレビでの放映業務、2002年日中国交正常化30周年特別番組〈孫文を支えた知られざる梅屋庄吉〉を企画、テレビ朝日で放映される。現在、一般社団法人日中科学技術文化センター理事・参与。また、中国ハルビン市郊外の方正県にある日本人公墓(1963年建立)の存在を通じて、日本の中国への加害と被害の実相などを伝えていこうと2005年、方正友好交流の会を立ち上げ、理事長として会報『星火方正』を編集発行している。
著書に『ある華僑の戦後日中関係史――日中交流のはざまに生きた韓慶愈』(明石書店、2014年)、『エスペラント――分断された世界を繋ぐHomaranismo』(批評社、2021年)。共著に『風雪に耐えた「中国の日本人公墓」ハルビン市方正県物語』(東洋医学舎)、『満蒙の新しい地平線 衞藤瀋吉先生追悼号』(満蒙研究プロジェクト編集委員会編)など。

上記内容は本書刊行時のものです。