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ACT-Kの挑戦 [増補新版] 高木俊介(著/文) - 批評社
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ACT-Kの挑戦 [増補新版] (アクトケイノチョウセン) ACTがひらく精神医療・福祉の未来 (アクトガヒラクセイシンイリョウフクシノミライ)

医学
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発行:批評社
四六判
200ページ
定価 1,700円+税
ISBN
978-4-8265-0669-4   COPY
ISBN 13
9784826506694   COPY
ISBN 10h
4-8265-0669-4   COPY
ISBN 10
4826506694   COPY
出版者記号
8265   COPY
Cコード
C3047  
3:専門 0:単行本 47:医学・歯学・薬学
出版社在庫情報
不明
書店発売日
登録日
2017年11月7日
最終更新日
2017年11月7日
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紹介

病院から地域へ!
ACT-Kの誕生から10年以上の歳月が過ぎた。24時間365日、重度の精神障害をもった人たちに寄り添い共に生きる地域包括ケアの実践は、この国の精神医療・福祉のひとつのささやかな到達点であった。しかし、10年の間に生じたこの国の変化は、この小さな試みにも大きな危機をもたらす。その壁を打ち破り、地域に根付いた新たな実践をめざす再挑戦の記録。
――ACT-Kの設立からまるまる13年となり、旧版の発行から10年が経とうとしています。その間、悲しいことに、精神病院を中心とするわが国の精神医療体制はほとんど変わっていません。それにもかかわらず、私たちが作ったACT-Kは、おそらく組織というものがもつ宿命でしょう、内には少なからぬ澱がたまり、それが外からの環境変化の圧力とあいまって、組織を大きく改編せざるを得ませんでした。この数年間、そのことで侃々諤々の議論を繰り返し、多くの時間と労力を費やし、ようやく新しい光が見え始めたところです。[増補新版あとがきより]

目次

はじめに
第1章 ACT-Kの挑戦、10年目の壁
1-1:笑顔をとりもどす/1-2:10年後のACT-KとA子さん/1-3:医療と福祉の連携、その困難/1-4:B男さんの一人暮らし修行(10年前)/1-5:B男さんのその後、時は流れて/1-6:ACT-K、10年目の壁の前で
第2章 ACTとは何か
2-1:ACTの特徴/2-2:ACTと従来の精神医療・福祉体制/2-3:精神障害者の日常生活支援/2-4:ACTのはじまりと世界への普及
第3章 地域生活支援と「精神疾患・障害複合(MIDcomplex)」
3-1:「精神障害」という用語について/3-2:「統合失調症」という病名について/3-3:統合失調症とは何か;「疾患」vs「障害」/3-4:統合失調症は脳障害か?/3-5:「精神疾患・障害複合(MIDcomplex)」としての統合失調症/3-6:「精神疾患・障害複合」概念と「ストレス-脆弱性モデル」/
第4章 メルトダウンする精神医療・福祉体制
4-1:精神病院の衰退と消滅/4-2:外来精神医療の混迷/4-3:地域保健・福祉の崩壊/4-4:新たな精神医療・福祉体制の構築を
第5章 ACT-Kの誕生と現状
5-1:日本におけるACTのはじまり/5-2:京都にACTをつくる/5-3:ACT-Kスタッフの活動/5-4:ACT-Kの利用者/5-5:ACT-Kの経済的基盤―「お金は後からついてくる」/5-6:ACTの医療経済―地域生活支援は高くつくのか?
第6章 地域精神医療・福祉における支援関係の原則
6-1:「ストレングス」と「リカバリー」/6-2:超職種チームによる自由性と継続性/6-3:ACTチームにおける対応の柔軟性/6-4:訪問援助活動における利用者との関係性/6-5:精神障害者のニーズを汲む、ニーズを育む/6-6:「アウトリーチ」とは何か/6-7:アウトリーチという両刃の剣
第7章 ACT-Kの挑戦、再び
7-1:精神障害者医療と福祉の一体化を求めて/7-2:ACTの危機/7-3:これからの精神医療・福祉とACT-Kの再挑戦/
補論1 ACTは脱施設化を促進できるのか?――理念なきACT導入を危惧する
はじめに/1:治療・支援構造としてのACTの問題/2:日本の精神保健医療福祉の歴史におけるACTの位置づけの問題/3:日本の精神保健医療福祉の現状においてACT導入から生じる問題/4:医療観察法とACT/結論
補論2 白雪姫の毒リンゴ、知らぬが仏の毒みかん――新オレンジプランと認知症大収容時代の到来
1:精神病床は減らさなくてよい? 日精協の自信/2:そのオレンジ、出荷の前に毒を盛れ/3:暗躍する自民党医系議員と日精協、つながる輪/4:あなたが、ある晴れた朝、突然に
補論3 統合失調症の薬物療法神話から脱しよう――薬物療法は統合失調症の予後を改善したのか
【抗精神病薬神話の終焉】/【精神医療の「失われた20年」】/【非定型抗精神病薬はほんとうに従来薬に優るのか?】/【巻き起こる論争】/【抗精神病薬治療は統合失調症の予後を改善しない?】/【抗精神病薬による維持療法はどこまで必要なのか?】
初版あとがき
増補新版あとがき

著者プロフィール

高木俊介  (タカギシュンスケ)  (著/文

1957年生まれ。京都大学医学部卒業。光愛病院(高槻市)、京大病院精神科、ウエノ診療所を経て、現在、たかぎクリニック(京都市)を開設。ACT-Kを主宰し、精神科在宅医療に取り組んでいる。「精神医療」編集委員。
著書に、『こころの医療宅配便』(文藝春秋)。編著書に、『MHL 7ひきこもり』、『MHL16 動き出した「医療観察法」を検証する』、『MHL 25 街角のセーフティネット』『MHL 32 精神障がい者地域包括ケアのすすめ―ACT-Kの挑戦〈実践編〉』(いずれも批評社)。訳書に、『精神疾患はつくられる―DSM診断の罠』(監訳、日本評論社)、『こころの扉を開く―統合失調症の正しい知識と偏見克服プログラム』(監訳、医学書院)ほか。

上記内容は本書刊行時のものです。