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地の理の学び方 菊地 俊夫(著/文 | 編集) - 二宮書店
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地の理の学び方 (チノコトワリノマナビカタ) 地域のさまざまな見方・考え方 (チイキノサマザマナミカタカンガエカタ)

歴史・地理
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発行:二宮書店
A5判
縦210mm 横148mm 厚さ10mm
重さ 210g
156ページ
定価 1,800円+税
ISBN
978-4-8176-0463-7   COPY
ISBN 13
9784817604637   COPY
ISBN 10h
4-8176-0463-8   COPY
ISBN 10
4817604638   COPY
出版者記号
8176   COPY
Cコード
C1025  
1:教養 0:単行本 25:地理
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2021年3月25日
書店発売日
登録日
2021年2月6日
最終更新日
2021年3月5日
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紹介

地理を学んだり教えたりする際に人が最初に必ず思うことは,「地理とは何か」,あるいは「地理で何を学ぶのか」という問いである。多分,多くは高校までの学びを思い出し,山の名前を覚えたり川の名前を覚えたり,あるいは地域の産業や特産物を言い当てたりすることが地理と誤解して答えるかもしれない。しかし,地理学は決して地名や地域の特産物などを言い当てたり覚えたりすることではない。また,地理学には地形や気候などの自然的な事象から,文化や社会や産業などの人文的な事象までが含まれており,地理学の本質を一言で説明することが難しい。しかし,さまざまな分野に共通する本質は「地」の「理」を「学」ぶことにあることは確かである。「地」の「理」,すなわち地表で起こっているさまざまな現象や事象,例えば土地の高低や降水の多少,人口の集中分散や水土地利用の拡大縮小などの現象や事象の秩序や法則性,あるいは因果関係を考え学ぶことが地理学であり,地名や産物を覚えたりすることは決して地理学ではない。本書をまとめるに際し,「地」の「理」を「学」ぶことが地理学の本質に違いないと考え,本書のタイトルも「地」の「理」の「学」び方とした。執筆にはさまざまな分野や立場の地理学者が参加している。
本書の「地」の「理」の「学」び方は地域のさまざまな見方・考え方を示すもので,地理の勉強や研究に関わる全ての人に参考になるだろう。「地」の「理」の「学」び方を体系的に整理するために,本書は大きく4つのパートに分けられている。1つ目は自然地理学のパートであり,地形や気候,そして土壌や水環境に基づく「地」の「理」の「学」び方であり,地域の見方・考え方である。2つ目は人文地理学で,特に系統地理学(特定のテーマに基づく地理学)に主眼を置いたパートである。都市地理学や農業・農村地理学,そして文化地理学や空間的思考,観光地理学などからの「地」の「理」の「学」び方になる。3つ目は地域地理学(特定の地域を取り上げて総合的に分析据える地理学)に主眼を置いたパートであり,カナダやヨーロッパ,そしてオーストラリアや中国などさまざまな地域の地誌的な見方・考え方を通じて,「地」の「理」の「学」び方を理解することになる。最後のパートは,「地」の「理」の新しい「学」び方に関するものが取り上げられている。GISやGPSの活用や新しい地図の見方・考え方,および地域振興への応用などに関連した「地」の「理」の「学」び方が示されている。
 以上に述べた「地」の「理」の「学」び方は,読者それぞれの「地」の「理」の「学」び方を見出すための一助となるだろう。そのため,本書はどこから読み始めても「地」の「理」の「学」び方を知ることができる構成になっている。4つのパートのうち興味のあるパートから,あるいは興味のある章から読み進めることができるし,理解を深めようと思うパートや章を重点的に読むこともできる。また,本書のもう1つの大きな特徴は,個々の分野に関連した「地」の「理」を「学」び方や地域の見方・考え方をさらに詳しく理解するために,読むべき書籍が各章の最後に示されている。

目次

はじめに
1章 地形からの地域の見方・考え方 (鈴木毅彦)
2章 気候・気象からの地域の見方・考え方 (松本 淳)
3章 土壌から地域の見方・考え方 (渡邊眞紀子)
4章 水環境からの地域の見方・考え方 (松山 洋)
5章 都市空間としての地域の見方・考え方(太田 慧)
6章 農空間としての地域の見方・考え方(菊地俊夫)
7章 文化に関わる地域の見方・考え方(松井圭介)
8章 空間的思考からみた地域の見方・考え方(若林芳樹)
9章 観光に関わる地域の見方・考え方(有馬貴之)
10章 島嶼の地域としての見方・考え方 (高橋環太郎)
11章 カナダの地域としての見方・考え方(大石太郎)
12章 ヨーロッパの地域としての見方・考え方 (飯塚 遼)
13章 オーストラリアの地域としての見方・考え方 (堤 純)
14章 中国の地域としての見方・考え方 (張 貴民)
15章 さまざまな地図を用いた地域の見方・考え方 (鈴木晃志郎)
16章 地理情報システムによる地域の見方・考え方 (矢部直人)
17章 人流データの分析による行動空間の見方・考え方 (杉本興運)
18章 地域振興に役立つ地域の見方・考え方 (小原規宏)
あとがき

著者プロフィール

菊地 俊夫  (キクチ トシオ)  (著/文 | 編集

東京都立大学大学院都市環境科学研究科観光科学域教授。理学博士。筑波大学大学院地球科学研究科修了後,群馬大学教育学部助教授,東京都立大学理学部助教授,首都大学東京大学院教授を経て,現職。専門は農業・農村地理学,観光地理学,自然ツーリズム学。大学と大学院では,農業・農村の持続可能性や農村空間の商品化,及びフードツーリズムや環境資源の適正利用などの研究と教育を行う。
主な著書・編書は,『日本の酪農地域』(大明堂),『持続的農村システムの地域的条件』(共著,農林統計協会),『日本農業の維持システム』(共著,農林統計出版),めぐろシティカレッジ叢書(『食の世界』,『住の世界』,『風景の世界』,『地図を学ぶ』,『森を知り 森に学ぶ』,『世界の砂漠』,『川からひろがる世界』,『観光を学ぶ』,編著,二宮書店),世界地誌シリーズ(『1 日本』,『7 東南アジア・オセアニア』,編著,朝倉書店),よくわかる観光学(『自然ツーリズム学』,『文化ツーリズム学』,編著,朝倉書店),『フードツーリズムのすすめ』(フレグランスジャーナル社),『ツーリズムの地理学』(編著,二宮書店)など多数。

上記内容は本書刊行時のものです。