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銀河鉄道の夢
四六判
縦195mm
横135mm
厚さ22mm
重さ 383g
284ページ
上製
価格
1,700円+税
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2022年12月20日
- 書店発売日
- 2022年12月15日
- 登録日
- 2022年12月13日
- 最終更新日
- 2023年10月10日
紹介
陽炎のように儚い村里。それでも鳴き続ける蟋蟀でいたい。
銀河鉄道(小海線)に妻を偲ぶ著者終の小説集。
つれあいを亡くして三年目(二〇二一年)の夏、ようやく平常な盆が迎えられると思った矢先に、突然の急性肺炎で入院することになった。二十五日間の病院ぐらしのあと自宅に酸素濃縮器を設置。「パルスオキシメーター」(動脈血中のヘモグロビンの何%が酸素と結合しているかを示す『酸素飽和度』を測定する)に管理される生活になった。
(中略)
「あしたは最上階の五階へ移ります。リハビリ頑張って下さいね」消灯に来た看護師が告げていった。それをいま思い出す。
そうか、明日の夜はもっと、銀河鉄道が近くなるのだ。あしたこそはそこに停車し、乗車ができるのではないか。たぶん邦子も乗っていて、車窓に映る辿りきた道程の夢現を、共に見ることができるのではないか。八〇キロに未たぬ路線に三一もの駅をもつ銀河鉄道は、きつい勾配をゆっくり登坂しながらも、走馬燈のような目まぐるしい展開をみせるだろう。
それを見届けなければならない。そして、妻に会えるのならば、言いそびれてしまった一言を伝えなければならない―――「次の世も一緒に」。
「銀河鉄道の夢」が決まった。
(序より抜粋)
目次
序
少年......青春・姉・農協・結婚/奔馬 ......町議員兼務 (八年)
寒梅記......農協不正貸付(九億円)事件
父の螢 ......父母の終・挫折・産廃
モノローグ......息子の自死/モノローグ......孫の不登校
のんの口伝......叔母の戦争/陽炎の里......壊れる農村・壊す者
銀河鉄道......災害・戦乱・隣離れ・夢
上記内容は本書刊行時のものです。