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自由の余地
原書: Elbow Room: The Varieties of Free Will Worth Wanting
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2020年8月20日
- 書店発売日
- 2020年8月11日
- 登録日
- 2020年6月23日
- 最終更新日
- 2021年7月28日
紹介
われわれは完全に自由なのか? それとも自由とは幻想にすぎないのか? 進化論から認知科学、ギリシア哲学から実存主義まで縦横無尽に取り込み、コントロール、自己、責任などの概念を再吟味。望むに値する自由意志を、明晰な論理で描き出す、デネット哲学の原点にしてエッセンス。
目次
序
第1章 化け物に餌をあげないで
1 いつまでたっても面白い問題
2 ブギーマン
3 アナバチ性とその他の悩みの種
4 本書の概要
第2章 理性を実践的なものにする
1 理性(理由)はどこから来るのか
2 意味論的エンジン、永久運動機関、そして欠陥品の直観ポンプ
3 反省、言語、そして意識
4 コミュニティ、コミュニケーション、そして超越
第3章 コントロールと自己コントロール
1 「コントロールを超えた事情のせいで」
2 単純なコントロールと自己コントロール
3 エージェントのいないコントロール、そしてわれわれの因果の捉え方
4 競合するエージェントたち
5 無秩序の使い道
6 「ハメ外そうぜ」
第4章 自家製の自己
1 消えゆく自己の問題
2 自己を定義するという芸術
3 われわれの運をためす
4 まとめ
第5章 自由という観念のもとで行為する
1 この期におよんでいかにして熟慮しつづけることなどできようか
2 完璧な熟慮者を設計する
3 ほんものの選択のチャンス
4 「避ける」「避けられる」「不可避の」
第6章 「ほかのようにもできたのに」
1 ほかのようにもできたのかどうかをわれわれは気にかけているのか
2 われわれが気にかけていること
3 ごちゃごちゃした問題
第7章 われわれはなぜ自由意志を望むのか
1 ニヒリズムを無視する
2 縮減された責任と忍び寄る免責の亡霊
3 おぞましい秘密を否定する
訳者解説
注
参考文献
索引
前書きなど
1 いつまでたっても面白い問題
運命という考えは哲学そのものよりも古くからある。だから、哲学が始まって以来、哲学者は、われわれの運命は生まれる前から決まってしまっているという考え方のどこが間違っているかを示そうとしてきた。われわれはただ自分の運命をなぞっているのではなく、どういう仕方でかは知らないが、自分の進む道を選んでいる、言い換えれば決定を作り出している。つまり、たんに「決定」が自分の中で起こるがままにさせているのではない。こういったことを立証するのは、すごく重要なことだと思われてきたようだ。
ギリシア哲学の初期には、因果についての考え方が関心の的だった。そして、すべての物理的出来事はそれに先……
[「第1章」冒頭より/注、傍点は省略]
上記内容は本書刊行時のものです。