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大学論を組み替える 広田 照幸(著) - 名古屋大学出版会
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大学論を組み替える (ダイガクロンヲクミカエル) 新たな議論のために (アラタナギロンノタメニ)

教育
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四六判
重さ 367g
320ページ
並製
価格 2,700円+税
ISBN
978-4-8158-0967-6   COPY
ISBN 13
9784815809676   COPY
ISBN 10h
4-8158-0967-4   COPY
ISBN 10
4815809674   COPY
出版者記号
8158   COPY
Cコード
C3037  
3:専門 0:単行本 37:教育
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2019年10月25日
書店発売日
登録日
2019年9月25日
最終更新日
2019年10月29日
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書評掲載情報

2023-07-08 朝日新聞  朝刊
評者: 石原俊(明治学院大学教授・社会学)
2019-12-21 朝日新聞  朝刊
評者: 石川健治(東京大学教授・憲法学)
2019-12-08 毎日新聞  朝刊
評者: 内田麻理香(東京大学特任講師・科学技術社会論)
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紹介

何を守り、何を見直していけばよいのか――。なしくずしの政策追随に陥る大学。なぜこんなことになっているのか。価値や理念や規範をめぐる議論を避けることなく、教育の質、評価、学問の自由など具体的なトピックを通して、よい改革論とダメな改革論を区別し、大学が公共的な役割を果たし続けられる道を拓く。

目次

はじめに

I 総 論

第1章 日本の大学とグローバリゼーション
はじめに
1 グローバリゼーションの衝撃
2 「大学教育の質」をめぐる日本的文脈
3 方向性を見失う「質」
おわりに

II 大学の組織と教育改善

第2章 大学の組織と機能
はじめに
1 「進まない改革」それとも「果てしない改革」?
2 大学という奇妙な組織
3 4つのレベルと対立・葛藤
4 大学の機能をとらえ直す
おわりに

第3章 大学教育の改善・改革をどう考えるか
はじめに
1 大学の学校化をどう超えるか
2 職業世界との関係の変容
おわりに

III 大学の分野別教育の質保証をめぐって

第4章 大学教育の質保証をどう考えるか
 ――政策と現場との間――
はじめに
1 「大学教育の質保証」が出てきた経緯と問題点
2 質保証をどう考えるか
3 何をするべきか
おわりに

第5章 第一線大学教員はなぜ改革を拒むのか
 ――分野別参照基準の活用について――
はじめに
1 分野別参照基準と評価
2 「役に立たない」という認識
3 質保証の政治的性格
4 同僚との話し合いの困難さ
5 参照基準の有効活用に向けて

IV 評価の問題

第6章 教育研究の評価をどう考えるか
はじめに
1 評価が不可欠になってきた文脈
2 評価のあり方を見直す視点
3 評価の目的と手段をめぐる混乱
4 選択と自律性の必要
おわりに

第7章 評価に関する議論の整理と今後の課題
はじめに
1 誰が何のために評価するのか
2 何をどのように評価するのか
おわりに

V 学問の自由と大学の自律性

第8章 ポスト「教授会自治」の時代における大学自治を考える
はじめに
1 教授会自治の時代の終わり
2 自治を手放してはいけない理由
3 自治をあきらめない
おわりに

第9章 学問の自由と政治
 ――自由な社会のために――
はじめに
1 国会でのおかしなやり取り――問題の発端
2 教育目標規定の乱用
3 歯止めを無視
4 「適切に」ということの不適切さ
5 税金で賄われているから言うことをきけ?
6 たかが式典?
7 国旗・国歌問題とネオリベラルな大学改革
おわりに――学問の自由が社会の自由を支える

VI これからの社会と大学

第10章 技術革新が描く社会と大学
 ――その性格を問い直す――
はじめに
1 大学の知と社会的有用性
2 第四次産業革命論と日本のSociety 5.0論
3 未来投資会議における大学教育論
4 見落とされている諸問題
5 民主主義と文化という社会的有用性に向けた大学――結論に代えて

あとがき
図表一覧
索 引

前書きなど

一九九一年の大学設置基準の大綱化以来、日本の大学はとめどない改革の波にさらされてきている。改革論や実際の改革の中には、現場の一大学教員の目から見て、おかしなものが少なくない。この大学改革の流れをどう考えたらよいのか――これが本書の中心的な問いである。

大学について考えてみようと思って文献を探すと、これまた一九九〇年代半ばごろから爆発的な増加が始まり、近年は山のように出されていることがわかる。しかし、そこには何かが足りないような思いを感じてきた。

データベースで文献を探していくと、主に三種類の文献があることがわかる。第一に、大学教育の特定の科目の担当教員が書いた、授業の改善を扱ったものである。分析も考察もない実践レポートのようなものから、きちんとした考察を含んだものまで多種多様である。これらは共通して、「どうすればうまくいくのか」「どうすれば効果があるのか」という技術論的関心で書かれている。個別の科目の教育の改善には資すると思うけれども、大学改革の流れをとらえ直したいという関心には答えてくれない。

第二に、大学改革の動向に関するものである。中央の政策動向をいち早く解説するものから、「うちの大学(ないしは学部)ではこんなことをした」といった報告書のようなものまで、これまた多種……

[「はじめに」冒頭より]

著者プロフィール

広田 照幸  (ヒロタ テルユキ)  (

1959年生まれ
1988年 東京大学大学院教育学研究科修了
南山大学文学部助教授、東京大学大学院教育学研究科教授などを経て
現 在 日本大学文理学部教授、日本教育学会会長
著 書 『陸軍将校の教育社会史』(世織書房、1997年、サントリー学芸賞)
    『教育言説の歴史社会学』(名古屋大学出版会、2000年)
    『ヒューマニティーズ 教育学』(岩波書店、2009年)
    『教育は何をなすべきか』(岩波書店、2015年)
    『士族の歴史社会学的研究』(共著、名古屋大学出版会、1995年)
    『現代日本の少年院教育』(共編著、名古屋大学出版会、2012年)など

上記内容は本書刊行時のものです。