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パチンコ産業史 韓 載香(著) - 名古屋大学出版会
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パチンコ産業史 周縁経済から巨大市場へ

A5判
重さ 715g
436ページ
上製
定価 5,400円+税
ISBN
978-4-8158-0898-3
Cコード
C3033
専門 単行本 経済・財政・統計
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2018年2月15日
書店発売日
登録日
2018年1月5日
最終更新日
2019年3月20日
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受賞情報

第40回「サントリー学芸賞」(政治・経済部門)

書評掲載情報

2018-04-01 読売新聞  朝刊
評者: 坂井豊貴(経済学者、慶應大学教授)
2018-04-01 読売新聞  朝刊

重版情報

2刷 出来予定日: 2018-11-05
第40回「サントリー学芸賞」(政治・経済部門)受賞!

紹介

戦前以来の縁日娯楽はなぜ、30兆円産業となりえたのか。見過ごされてきた周縁経済の躍動を、ホール、メーカー、規制の動向からダイナミックに捉え、「地下経済」論を超えた等身大の姿を浮き彫りにする。産業が存続可能となる条件を新たな視点で照射し、日本経済論の盲点に迫った初の通史。

第40回「サントリー学芸賞」(政治・経済部門)受賞

目次

序 章 存続可能性をかけて
1 存続可能性とは
2 パチンコへのまなざし
3 本書の視点――再び供給側から
4 課題と時期区分

第1章 パチンコ産業の胎動
 ―縁日娯楽の事業化への道―
はじめに
1 パチンコブーム
2 M商会の成長
3 射幸性の高い機械は儲かるのか
4 行き過ぎた射幸性のゆくえ――パチンコと規制
5 連発式機械禁止令の影響――機械メーカー
6 ホールの収益基盤安定化の模索
7 M商会の事業再編
おわりに――歩み出した産業発展

第2章 パチンコ機械メーカーの組織化
 ―なぜ特許プールは成立したのか―
はじめに
1 翻弄される市場――日特連設立の背景
2 メーカーの組織化と日特連の設立
3 日特連の仕組み
4 日特連の役割
5 「競争者を排除しないこと」の経済的意味
おわりに

第3章 パチンコ機械市場における競争構造
 ―促された開発競争―
はじめに
1 制度変化と日特連の機能
2 開発競争へ
3 日特連と競争構造
おわりに

第4章 パチンコ産業の巨大市場化
はじめに
1 フィーバー機出現の前夜――ホール経営の収益基盤と釘調整
2 フィーバー機と著しい市場成長
3 取引慣行に生じた亀裂
4 新規参入とホール間競争の激化
おわりに

第5章 パチンコホールにおける大規模経営の出現
はじめに
1 郊外型ホールの歴史的展開
2 日常生活とパチンコ消費
3 フィーバー機導入と大型化の進行
4 多店舗展開にかけた期待
5 大規模経営の可能性――マルハンの多店舗展開の実態分析
おわりに

補 論 パチンコと在日韓国・朝鮮人
はじめに
1 パチンコを生業とする人々
2 企業成長、産業発展、そして在日韓国・朝鮮人企業
3 パチンコはもはやビジネスチャンス
4 変わる社会環境
おわりに

終 章 ブラックボックス化されてきた産業
はじめに
1 各章のまとめ
2 日特連の解散――一つの時代の終焉
3 規制と産業発展
おわりに――M商会とマルハンの間


あとがき
図表一覧
索 引

前書きなど

『パチンコ産業史』と題した本書は、パチンコ産業が発展してきた軌跡をテーマとするものである。ストレートなタイトルで歴史的アプローチに拘ったのには理由がある。パチンコを論じた書籍はすでに数多く出版されてきたが、これらの多くは視点が著しく偏っており、抜け落ちてきた史実を新しい視点から拾い上げることが必要だと感じたからである。

周知のように、近年縮小する傾向にあるとはいえ、二〇兆円の市場規模を持つパチンコ産業の巨大さを否定する人はいないだろう。この点については、多数の論者が言及し、またその要因の説明に挑戦してきた。代表的なものとして、地下経済の成長を強調する立場がある。脱税、暴力団の資金源、民族マイノリティの関わりや外国への送金など、裏世界につながる資金の流れが水面下にあり、その経済規模の氷山の一角が表の市場として知られているだけというお馴染みの論調は、枚挙にいとまがない。社会的弊害を憂慮して批判する立場や課題を突きつける改革派たちの論理には説得力があるが、現状のみに関心を持つ風潮には問題がある。パチンコホールが日本のどこでも見られること自体を吟味せず、否定的な側面だけで捉えると、市民の生活がアンダーグラウンドの経済に支配されているという結論になってしまう。本書は、改革派が唱える課題を否定することに目的があるわけではないが、地下経済によってではなく、そこから脱皮できた変化に焦点を当てることによってパチンコ産業の発展のプロセスを検証する。

……

[「序章」冒頭より]

著者プロフィール

韓 載香  (ハン ジェヒャン)  (

1971年 韓国・ソウル市に生まれる
1999年 京都大学経済学部卒業
2001年 京都大学大学院経済学研究科修士課程修了
2004年 東京大学大学院経済学研究科後期博士課程修了
現 在 北海道大学大学院経済学研究院准教授
主 著 『「在日企業」の産業経済史』(名古屋大学出版会、2010年、中小企業
    研究奨励賞、企業家研究フォーラム賞、政治経済学・経済史学会賞)

上記内容は本書刊行時のものです。