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イブン・バットゥータと境域への旅
『大旅行記』 をめぐる新研究
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2017年2月1日
- 書店発売日
- 2017年2月10日
- 登録日
- 2017年1月6日
- 最終更新日
- 2017年2月1日
書評掲載情報
2017-04-02 |
読売新聞
朝刊 評者: 出口治明(ライフネット生命会長) |
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紹介
中国、インド、北方ユーラシア、アフリカなど、イスラーム世界の海・陸の 「境域」 情報を伝える 『大旅行記』 は、まさに記録史料の宝庫と呼ぶにふさわしい。なぜ巡礼を超えて未知なる驚異の領域へと踏み込んでいったのか。その足跡と写本を追って世界を旅し、完訳を成し遂げた碩学による新たな到達点。
目次
第Ⅰ部 イブン・バットゥータ研究のために
概 観
第1章 イブン・バットゥータの生涯とその時代
はじめに
1 家系・家族・生い立ち
2 イスラーム世界の境域をめぐる旅とその目的
3 旅の目的
4 『大旅行記』 成立の事情
5 編纂者のイブン・ジュザイイについて
6 晩年のイブン・バットゥータ
第2章 『大旅行記』 の構成と諸写本
はじめに
1 構 成
2 現存する 『大旅行記』 の諸写本の分類
3 『大旅行記』 の諸写本
結びに代えて
第3章 『大旅行記』 の真偽性をめぐる議論
1 『大旅行記』 の研究
2 史書に現れた 『大旅行記』 とその評価
3 現代の研究者による 『大旅行記』 の真偽性をめぐる議論
結びに代えて
第4章 紀行文学としてのメッカ巡礼記
はじめに
1 イブン・ジュバイルとイブン・バットゥータの旅
2 マグリブ地方におけるリフラの意味
3 リフラの時代区分
結びに代えて
第Ⅱ部 海の境域への旅 ―― イブン・バットゥータの見たインド洋海域世界
概 観
第1章 インド洋海域世界の隆盛と中国船
はじめに
1 ジュンクとザウの語源
2 イブン・バットゥータの中国旅行
第2章 マラッカ海峡の港市国家スムトラ・パサイ王国
はじめに
1 スムトラ・パサイ王国の外港サルハー
2 スムトラ・パサイ王国のイスラーム化
3 マリク・ザーヒルの統治とチェールマン・ペルマール伝承
第3章 イブン・バットゥータのマルディヴ諸島訪問
はじめに
1 マルディヴ諸島の地理的知識
2 イスラーム改宗をめぐる問題
3 女王ハディージャと王位継承問題
第4章 東アフリカ・スワヒリ世界の形成とクルワー王国
はじめに
1 東アフリカ海岸に沿ってクルワー王国への船旅
2 文献史料に現れたサワーヒルとスワヒリ
3 クルワー王国の隆盛とスファーラ金
4 クルワーのスルタンたちによる王権の確立
第5章 アラビア海を結ぶ人の移動と交流
はじめに
1 クルワー王国のスルタンたちのメッカ巡礼
2 ラスール朝のスルタン=マスウードによる二度のキルワ亡命
3 『キルワ年代記』 とラスール朝記録史料との比較
結びに代えて
第Ⅲ部 陸の境域への旅 ―― ユーラシアとサハラ・スーダーン
概 観
第1章 アナトリア世界のトルコ・イスラーム化
はじめに
1 トゥルキーヤの名称
2 ビザンツ帝国の境域地帯に成立したテュルク系諸侯国
3 アナトリア・アヒーについて
第2章 境域としてのドナウ・デルタとバーバー・サルトゥーク伝承
はじめに
1 境域で活動するスーフィー聖者たち
2 サルトゥークの街、ババ・ダグ
第3章 ブルガール旅行はフィクションか
はじめに
1 キプチャク・ハーン国の北辺の町ブルガール
2 S・ヤニセクの主張によるブルガール情報への疑問
3 〈暗黒の地〉 に関するアブー・ハーミドの記録との比較
第4章 中央アジアとインドを結ぶヒンドゥー・クシュ越え交通ルート
はじめに
1 ヒンドゥー・クシュを越えてインダス河畔へ達するルート
2 〈アズィーズ〉 と呼ばれる移住者たち
3 トゥグルク朝スルタンの権威とアッバース朝カリフの神権性
第5章 サハラ砂漠を越えてのイスラーム・ネットワーク拡大
はじめに
1 スーダーン旅行の動機・目的は何か
2 サハラ越えの長距離キャラバン・ルート
3 マーッリー・タクルール王国の王都はどこか
おわりに
上記内容は本書刊行時のものです。