書店員向け情報 HELP
武器を持たないチョウの戦い方
ライバルの見えない世界で
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2021年6月1日
- 書店発売日
- 2021年6月1日
- 登録日
- 2021年4月7日
- 最終更新日
- 2021年5月27日
書評掲載情報
2021-09-19 |
読売新聞
朝刊 評者: 中島隆博(東京大学教授・哲学者) |
2021-07-10 | 朝日新聞 朝刊 |
MORE | |
LESS |
紹介
チョウが互いに相手の周りを飛び回る卍巴飛翔は、縄張り争いの一種と説明される。しかし鋭い牙も爪も持たないチョウがただ飛び回ることが、なぜ「闘争」になるのだろうか。試行錯誤の末に著者がたどり着いたのは、チョウにはライバルという認識がないために縄張り争いが成り立つという“常識外れ”な結論だった。
第11回日本動物行動学会賞受賞研究。
目次
巻頭口絵
はじめに
1章 ギフチョウはなぜ山頂に集まるのか
春の女神を追いかけた日々
ギフチョウの配偶行動の研究
各地のギフチョウ
ギフチョウの危機
2章 相手を攻撃しない闘争で優位になるには
森の蝶・ゼフィルス
ウラジロミドリシジミの探雌飛翔
オオミドリシジミの縄張り争い
比良山のゼフィルス
ゼフィルスの行動を研究する
メスアカミドリシジミの縄張り行動
縄張り争いと身体能力
ある珍説
偶然の機会の大切さ
大学院時代に得たもの
七月の大雨
早い者勝ちの法則
縄張りは何のため?
メスアカミドリシジミは雌が少ない?
フィールドワークの意義
3章 二つの配偶戦略を使い分ける?
夏の虫
配偶縄張りと探雌飛翔
論文は疑ってみよ
クロヒカゲの縄張り争い
クロヒカゲの配偶行動
科学は闘争である
4章 チョウの縄張り争いは求愛行動?
自然選択説と動物の闘争
持久戦モデルへの疑問
攻撃能力がないゆえの奇妙な振る舞い
何気ないきっかけ
汎求愛説
研究者コミュニティの壁
純粋な眼は学説に勝る?
5章 チョウにとって同性とは何か
キアゲハの性識別
汎求愛説は崩れるか
チョウの環世界
再び研究者コミュニティの壁
ギリシャのスパルタ郊外にて
チョウの見張り行動は普遍的な現象
column 1 種の利益か自己の利益か
column 2 宇宙像とオッカムの剃刀
あとがき
参考文献
索引
上記内容は本書刊行時のものです。