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武器を持たないチョウの戦い方 竹内 剛(著/文) - 京都大学学術出版会
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武器を持たないチョウの戦い方 (ブキヲモタナイチョウノタタカイカタ) ライバルの見えない世界で (ライバルノミエナイセカイデ)

自然科学
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四六判
縦188mm 横129mm 厚さ15mm
重さ 240g
244ページ
定価 2,200円+税
ISBN
978-4-8140-0337-2   COPY
ISBN 13
9784814003372   COPY
ISBN 10h
4-8140-0337-4   COPY
ISBN 10
4814003374   COPY
出版者記号
8140   COPY
Cコード
C0345  
0:一般 3:全集・双書 45:生物学
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2021年6月1日
書店発売日
登録日
2021年4月7日
最終更新日
2021年5月27日
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書評掲載情報

2021-09-19 読売新聞  朝刊
評者: 中島隆博(東京大学教授・哲学者)
2021-07-10 朝日新聞  朝刊
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紹介

チョウが互いに相手の周りを飛び回る卍巴飛翔は、縄張り争いの一種と説明される。しかし鋭い牙も爪も持たないチョウがただ飛び回ることが、なぜ「闘争」になるのだろうか。試行錯誤の末に著者がたどり着いたのは、チョウにはライバルという認識がないために縄張り争いが成り立つという“常識外れ”な結論だった。
第11回日本動物行動学会賞受賞研究。

目次

巻頭口絵
はじめに

1章 ギフチョウはなぜ山頂に集まるのか
   春の女神を追いかけた日々
   ギフチョウの配偶行動の研究
   各地のギフチョウ
   ギフチョウの危機

2章 相手を攻撃しない闘争で優位になるには
   森の蝶・ゼフィルス
   ウラジロミドリシジミの探雌飛翔
   オオミドリシジミの縄張り争い
   比良山のゼフィルス
   ゼフィルスの行動を研究する
   メスアカミドリシジミの縄張り行動
   縄張り争いと身体能力
   ある珍説
   偶然の機会の大切さ
   大学院時代に得たもの
   七月の大雨
   早い者勝ちの法則
   縄張りは何のため?
   メスアカミドリシジミは雌が少ない?
  フィールドワークの意義

3章 二つの配偶戦略を使い分ける?
   夏の虫
   配偶縄張りと探雌飛翔
   論文は疑ってみよ
   クロヒカゲの縄張り争い
   クロヒカゲの配偶行動
   科学は闘争である

4章 チョウの縄張り争いは求愛行動?
   自然選択説と動物の闘争
   持久戦モデルへの疑問
   攻撃能力がないゆえの奇妙な振る舞い
   何気ないきっかけ
   汎求愛説
   研究者コミュニティの壁
   純粋な眼は学説に勝る?

5章 チョウにとって同性とは何か
   キアゲハの性識別
   汎求愛説は崩れるか
   チョウの環世界
   再び研究者コミュニティの壁
   ギリシャのスパルタ郊外にて
   チョウの見張り行動は普遍的な現象

column 1 種の利益か自己の利益か
column 2 宇宙像とオッカムの剃刀

あとがき
参考文献
索引

著者プロフィール

竹内 剛  (タケウチ ツヨシ)  (著/文

1999年、京都大学理学部卒業。大学院に進学して、動物の行動を研究する。大学院生の前半までは、昆虫のシーズンは各地の野山に出かけて、シーズンオフになると麻雀や将棋に入れこんだり、好きな本を読む生活を続けていた。ある時、調べていたチョウの縄張り争いを支配する仕組みに気づいてからは、ちゃんと研究して論文を書くようになる。2006年、京都大学大学院理学研究科博士課程修了(博士(理学))。その後、日本学術振興会特別研究員などを経て、現在は大阪府立大学大学院生命環境科学研究科研究員。若い頃の気ままな生活で得た知識や経験が、今の研究を支えていると信じている。2019年から、三草山ゼフィルスの森保全検討会議の副会長を務め、ゼフィルスが生息できる里山管理を実践している。2020年、「チョウの配偶競争に関する理論的研究」で第11回日本動物行動学会賞を受賞。

上記内容は本書刊行時のものです。