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コスモポリタニズムの起源 川本 愛(著/文) - 京都大学学術出版会
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コスモポリタニズムの起源 (コスモポリタニズムノキゲン) 初期ストア派の政治哲学 (ショキストアハノセイジテツガク)

哲学・宗教
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A5判
縦216mm 横157mm 厚さ19mm
重さ 495g
212ページ
定価 3,000円+税
ISBN
978-4-8140-0202-3   COPY
ISBN 13
9784814002023   COPY
ISBN 10h
4-8140-0202-5   COPY
ISBN 10
4814002025   COPY
出版者記号
8140   COPY
Cコード
C3310  
3:専門 3:全集・双書 10:哲学
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2019年2月20日
書店発売日
登録日
2018年12月26日
最終更新日
2019年2月15日
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紹介

古代ギリシアのストア派の思想に遡るとされるコスモポリタニズム。ゼノン、クリュシッポス等の現存断片からその原型を明らかにする。

目次

凡 例

序 章 現代と古代のコスモポリタニズム
  現代の「コスモポリタニズム」はいったい何を主張しているのか?
  過激なコスモポリタニズムの衰退
  私たちはある種の過激なコスモポリタニズムを
  必要としているのではないだろうか?
  ストア派のコスモポリタニズム――先行研究
  本書の構成
  ストア派とその時代


第1章 知者と愚者,人間の社会的自然本性
  1 知者と愚者
   1―1 知と無知,徳と悪徳
   1―2 「知者だけがXである」
  2 親近化の理論――正義の原理
   2―1 自己に対する親近化
    (1)理論の紹介
    (2)自己に対する親近化の理論は全人類に関わる
       倫理的な関係の根拠を提供するか?
   2―2 他者に対する親近化
    (1)理論の紹介
    (2)初期ストア派は他者に関する親近化の理論を
       どの程度まで発展させたのか――動物に対する正義
  まとめ――初期ストア派政治哲学の再考

第2章 ゼノンの『国家』――知者たちの共同生活
  1 ゼノンの『国家』の再構築
  2 知者だけが市民であるという主張の論証
   2―1 ストア派における,市民,ポリス,法の再定義
   2―2 ゼノンの『国家』における知者の徳と法
  3 ゼノンの主張の意義
   3―1 全人類に関わる倫理的な関係という考えの発展について
       ――開かれたコミュニティ
   3―2 個人とコミュニティの関係について――エロス的な共同生活
  まとめ――ゼノン以降のストア派

第3章 クリュシッポス――宇宙に拡がる互恵関係
  1 クリュシッポスの主張の意味
   1―1 基本的な主張
   1―2 単なる比喩?
   1―3 知者以外の人間も市民としてコミュニティに含まれるのか?
  2 クリュシッポスの主張の根拠,目的,実践的な意義
   2―1 根拠――法の徳としての再定義
   2―2 目的――倫理学と自然学の接続
   2―3 実践的な意義――星々と神話
  3 クリュシッポスの主張の意義
   3―1 全人類に関わる倫理的な関係という考えの発展について
      ――遠くの他者
   3―2 個人とコミュニティの関係について
      ――伝統的なコミュニティの保存
  まとめ――コスモポリタニズムの変身
第4章 ストア派の法――直観と規則のあいだ
  1 価値の分類
  2 行為の分類
  3 行為の規則
   3―1 個別的な状況において複数の
      「適切な行為」は存在しうるのか?
   3―2 状況非参照規則解釈のテクスト上の根拠
    (1)適切な行為の区分と「困難な状況」
    (2)正統ストア派とアリストンの論争
  4 「忠告」
   4―1 『倫理書簡』94の目的
   4―2 『倫理書簡』94の構成
   4―3 忠告とは何であるのか?
   4―4 「忠告」と「原理」
  3と4のまとめ――ストア派の法の特徴
  5 ストア派の規範理論の意義
    ――普遍的な規範と特殊的な規範の関係について
  まとめ――ストア派の社会変革

第5章 中後期ストア派――伝統的なコミュニティの正当性
  1 中後期ストア派の基本的な性格
   1―1 ゼノンの過激な主張に対する中後期ストア派の反応
   1―2 中後期ストア派における結婚制度の肯定
  2 中後期ストア派における新しい理論
   2―1 全人類のコミュニティ
   2―2 複数のコミュニティの優先順位
   2―3 正しいロゴスとの関連づけによる伝統的な
      コミュニティの正当化
    (1)結婚
    (2)親子
    (3)国家
  3 中後期ストア派の主張の意義
   3―1 全人類に関わる倫理的な関係という考えの発展について
      ――全人類のコミュニティ
   3―2 個人とコミュニティの関係について
      ――地上のコミュニティの改善
  まとめ――アリストテレスへの回帰?

結 論
  解釈の要点
  ――愚者の包含,範型としてのコミュニティ,普遍的な規範
  ストア派のコスモポリタニズムの有用な観点
  具体例に即した形式化――遠くの外国人と自分の子ども

参考文献表
あとがき
英文要約
索引(人名・事項・出典)

著者プロフィール

川本 愛  (カワモト アイ)  (著/文

1986年東京都に生まれる。パリ第4大学修士課程(Master 2)修了
京都大学文学研究科博士後期課程研究指導認定退学
京都大学博士(文学)
主な著訳書
『権利の哲学入門』(共著,社会評論社,2017年),「ストア派の倫理学における行為と規則について」(『西洋古典学研究』63号,2015年),『メルロ=ポンティ哲学者事典第1巻』(翻訳協力,白水社,2017年)など。

上記内容は本書刊行時のものです。