書店員向け情報 HELP
生老死の進化
生物の「寿命」はなぜ生まれたか
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2018年11月1日
- 書店発売日
- 2018年11月9日
- 登録日
- 2018年11月6日
- 最終更新日
- 2018年11月6日
紹介
ヒトは死ぬことができるように進化した?! すべてのヒトはいずれ死ぬが、大腸菌は条件さえ整えば半永久的に増殖し続ける。一方同じ単細胞生物でもゾウリムシは一定の分裂回数という“寿命”をもち、有性生殖によるリセットを繰り返す。いったい何が、老死をもつ生物ともたない生物を分けたのか。生物の基本単位である細胞を基点とすることで、生物の多様な生のあり方と、その進化の鍵を握る暴走性と抑制系のせめぎ合いが見えてくる。生命の本質をとことん考える一冊。
目次
はじめに
第Ⅰ部 個体と細胞の「生老死」
第Ⅰ章 個体発生と生老死
1 受精卵からの出発
2 受精卵から分化細胞へ
3 細胞分裂の暴走性:2nでの増加
4 暴走的細胞分裂の制御
コラム❶ ダ・ヴィンチ画の天使の翼
コラム❷ 数の数え方
コラム❸ ゾウリムシの変身
第Ⅱ章 個体の寿命と細胞の寿命
1 多細胞個体から解放された細胞の寿命
2 単細胞生物ゾウリムシの寿命
3 無性生殖は常に老・死で終わるか?
4 有性生殖と寿命
5 老死という「生」のあり方
第Ⅱ部 “いのち”のつながり
第Ⅲ章 “いのち”の実体
1 遺伝子とは何か?
2 形質とは何か?
3 遺伝子はどのように形質を支配するか?
4 “いのち”を支えるエネルギー通貨ATP
コラム❹ 元素・生元素・生体高分子
コラム❺ ナンバーワンとオンリーワン
コラム❻ 仮想の「英文暗号表」
コラム❼ 真実・現実・事実
第Ⅳ章 “いのち”のつなぎ方:無性生殖と有性生殖
1 無性生殖と有性生殖の違い
2 ゾウリムシの有性生殖
3 有性生殖のエッセンス
4 有性生殖の起原
第Ⅴ章 “いのち”の起原
1 細胞の歴史性
2 「細胞は細胞から」の唯一の例外
3 原核細胞から真核細胞へ
コラム❽ 神話を生む「脳力」
コラム❾ トム・チェックの講演
第Ⅲ部 「老死」の進化
第Ⅵ章 有性生殖と老・死
1 進化するとはどういうことか?
2 無性生殖の永続性
3 真核細胞は無性生殖のみでは生きられないのか?
4 単為生殖の意義
コラム❿ 俳句の世界から散文の世界へ
第Ⅶ章 老死の誕生と抑制系の進化
1 老化・死は進化の産物であるとなぜ言えるのか?
2 なぜ「老死」が進化しえたのか?
3 ゾウリムシの死に方
4 進化したのは抑制系
コラム⓫ 自然淘汰 vs. 自然選択
おわりに(般若心経と進化論)
あとがき
参考文献
索引
上記内容は本書刊行時のものです。