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ギリシアの抒情詩人たち 沓掛 良彦(著/文) - 京都大学学術出版会
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ギリシアの抒情詩人たち (ギリシアノジョジョウシジンタチ)

文芸
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A5
定価 5,200円+税
ISBN
978-4-8140-0130-9   COPY
ISBN 13
9784814001309   COPY
ISBN 10h
4-8140-0130-4   COPY
ISBN 10
4814001304   COPY
出版者記号
8140   COPY
Cコード
C1098  
1:教養 0:単行本 98:外国文学、その他
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2018年2月
書店発売日
登録日
2017年12月9日
最終更新日
2021年1月19日
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書評掲載情報

2018-02-18 毎日新聞  朝刊
評者: 三浦雅士(評論家)
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紹介

ギリシア抒情詩(lyric)は、もともと竪琴(lyra)の音にあわせ歌われたもので、恋愛詩もあり、政治信条などを述べたものもある。サッポーの詩がもつ神韻とも言うべき音の調べ、アルカイオスの諷刺詩、学匠詩人カリマコスらヘレニズム時代の作家らによる西洋版本歌取りの歌などなど、ギリシア叙情詩がもつ瞠目すべき技巧の数々を、平易な言葉で解説する。洋の東西の詩歌に造詣の深い著者がおくる本格派。

目次

まえがき

序章 ギリシアの抒情詩とはどんなものか
  ギリシア抒情詩の特異さそれを形作る詩人たち
  ギリシアの抒情詩とは
  抒情詩の起源と発生
  個人意識の覚醒と抒情詩人の誕生
  抒情詩の衰微消滅とその復活

一 アルキロコス
  「最初の抒情詩人」アルキロコス
  傭兵生活への途そこから生まれた詩(一)
  タソスでの詩人傭兵暮らしが生んだ詩(二)
  詩人としてのアルキロコス
  嘲笑痛罵の具としてのイアンボス詩
  その他の主題の詩

二 アルカイオス
  「政治的人間」の悲劇挫折と失意の生涯
  詩人としてのアルカイオス
  酒人アルカイオス詩酒徒の真面目
  ヘレネとテティスホメロスの登場人物たちを詠った詩

三 サッポー
  「十番目の詩女神(ムーサ)」伝説に包まれた詩人
  サッポーの生涯
  愛とエロスの苑サッポーの詩的世界

四 アナクレオン
  世慣れた男の悦楽の生涯
  世慣れた男の酣歌酔吟アナクレオンの酒詩の世界管見

五 シモニデス
  今なお心うつ詩人
  シモニデスという人物地域性を脱した汎ギリシア的詩人
  箴言風の詩諦念と悲哀をこめた人間把握
  哀悼詩碑銘詩(献詩をも含む)の世界

六 ピンダロス
  難解なる至高の詩人
  ピンダロスを読むということ
  詩聖ピンダロス古代における評価
  ピンダロスの生涯詩人としての経歴と詩作の軌跡
   (一)テバイ人ピンダロス
   (二)詩人としての出発シケリアに渡るまで
   (三)シケリアに渡って以後のピンダロス
   (四)後半生の傑作二篇「ピュティア第一歌」、「ピュティア第四歌」について
  ピンダロスの詩競技祝勝歌というもの

七 カリマコス
  知られざる大詩人
  カリマコスという詩人その生涯の軌跡
  詩作品概観
  カリマコスの『讃歌』
   (一)『讃歌』五篇一瞥
   (二)「パラスの浴(ゆあみ)」をめぐって
  エピグラム詩人としてのカリマコス
  詩作のありかたをめぐる文学論争

八 テオクリトス
  牧歌の創始者テオクリトス牧歌と日本人
  テオクリトスの生涯
  テオクリトスの作品『小景詩(エイデュリア)』概観
  牧歌の起源とテオクリトスによる牧歌の創始locus amoenusの発見
  テオクリトスの描く世界『小景詩(エイデュリア)』摘読
   (一)牧歌一瞥――第一歌、第七歌
   (二)牧歌ならざる小景詩(エイデュリア)一瞥――第二歌、第一三歌
  テオクリトスのエピグラム寸言

九 『ギリシア詞華集』の三詩人
  A アスクレピアデス
    詩人としての役割
    アスクレピアデスの「エロティカ」瞥見
  B メレアグロス
    誤解された詩人
    メレアグロスの人と作品
    メレアグロスの愛の詩瞥見――異性愛の詩
    稚児愛(パイデラスティア)の詩一瞥
    愛神(エロス)をテーマとした詩など
  C パッラダス
    知られざる詩人
    詩人パッラダスとその詩的世界
    女性嫌い女人諷刺の詩

十 女性詩人たち
  ギリシアの女性詩人
  コリンナ再発見された知られざる詩人
  アニュテ学匠詩人「女性のホメロス」
  ノッシスやさしき女性詩人
  エリンナ夭逝した天才少女

付 言語芸術としての『新古今和歌集』 ヘレニズム詩を念頭に置いて
  東西詩史から見た『新古今和歌集』
  万葉集派対新古今和歌集派
  『新古今和歌集』の文学的到達点
  『新古今和歌集』とヘレニズム時代のギリシア詩

テクストおよび主要参考文献
あとがき
索 引

著者プロフィール

沓掛 良彦  (クツカケ ヨシヒコ)  (著/文

1941年長野県生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程修了。文学博士。東京外国語大学名誉教授。専門は西洋古典文学。
主な著訳書
『サッフォー――詩と生涯』(平凡社、後に水声社)、『讚酒詩話』、『和泉式部幻想』(以上、岩波書店)、『陶淵明私記――詩酒の世界逍遥』(大修館書店)、『西行弾奏』(中央公論新社)、『エラスムス――人文主義の王者』(岩波現代全書)、『式子内親王私抄――清冽・ほのかな美の歌』、『人間とは何ぞ――酔翁東西古典詩話』(以上、ミネルヴァ書房)、『古代西洋万華鏡――ギリシア・エピグラムにみる人々の生』(法政大学出版局)、『ピエリアの薔薇――ギリシア詞華集選』(水声社、後に平凡社ライブラリー)、『ホメーロスの諸神讃歌』(ちくま学芸文庫)、エラスムス『痴愚神礼讃――ラテン語原典訳』(中公文庫)、オウィディウス『恋愛指南――アルス・アマトリア』(岩波文庫)、『黄金の竪琴――沓掛良彦訳詩選』(思潮社、読売文学賞受賞)、『ギリシア詞華集』全4冊(西洋古典叢書、京都大学学術出版会)、など

上記内容は本書刊行時のものです。