「自然と共にある農業」への道を探る
有機農業・自然農法・小農制
- ISBN
- 978-4-8119-0588-4
- Cコード
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C3061
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専門 単行本 農林業
- 初版年月日
- 2021年1月22日
- 発売予定日
- 2021年1月22日
- 登録日
- 2020年12月17日
- 最終更新日
- 2020年12月17日
紹介
「自然共生型農業への技術論・農法論」、「家族農業=小農制農業論」、「除草技術論、農村市民社会論、環境農業政策論」などのテーマで有機農業や自然農法や小農制を論じている。
目次
第Ⅰ部 自然共生型農業への技術論・農法論
はしがき
第1章 自然と共にある農業─自然共生型農生態系形成と有機農業・自然農法
1.はじめに
2.有機農業・自然農法技術の二つの基本的柱建て─「ノンケミカル」と「農法形成」
3.農業技術の基本類型 人為的技術依存の農業 自然力依存の農業
4.農業における「自然力」と「人為技術」 トレードオフ的なことが多い
5.成熟期有機農業の技術の特質 「低投入・内部循環・自然共生」
6.有機農業・自然農法の世界にも独善的技術志向の流れは歴然としてある
7.有機農業・自然農法は特殊な農業ではなく、農業の長い歴史の本道を継承していく
8.有機農業
9.農法形成から社会体制としての農業の再生、再構築へ
第2章 関係性の農業技術論へ
1.はじめ
2.循環型農業技術論批判
3.生物多様性と共生論の展開
4.関係性の技術論紹介の一例として
5.関係性の技術論から日本における農耕の全体像の素描へ
第3章 無施肥・自然農法の農学論
1.はじめに
2.「施肥」について農法論的再検討
3.農業革命論・西洋農法史にみる施肥農業技術論
4.農林省農事試験場での長期継続試験の結果から学ぶもの
5.明峯哲夫さんと三浦和彦さんの無施肥・自然農法論
第4章 農業技術論・覚え書き
1.はじめに
2.農地耕耘と土地利用をめぐって
3.除草から抑草へ、そして雑草を活かす農業の模索へ
4.農業の基礎には森(ヤマ)がある─土壌は森(ヤマ)で作られる
5.新しい植物育種学の提唱─生井兵治さんの遺稿
第Ⅱ部 家族農業=小農制農業論
はしがき
第5章 日本とアジア諸国が進むべき道は?
1.TPPでアジアは壊されていく
2.福島の農は土の力に支えられて収穫の秋を迎えている
3.これからの道は「生き残りの道」ではない
第6章 「農業の産業化」こそが問題だ─自給的小農の意義を見つめ直す
1.「産業競争力会議」の新提言
2.2次、3次産業主導の6次化構想
3.「和食を売りにして世界進出を」という戦略
4.小農制こそ農業の普遍的あり方だ
5.小農制農業再興元年
第7章 家族農業と有機農業
1.はじめに 日本での有機農業の展開と家族農業主義
2.世界の有機農業の動向は多様であり、家族農業主義一本ではない
3.日本における家族農業は崩壊の縁にまで追い詰められている
4.現代日本における家族農業再建論の基本点 家族の社会的再建の視点から
5.家族農業論の歴史性 日本における小農制の歩みを振り返って
6.「家族農業」再建に向けての取り組み方向について
第8章「農民」という言葉を振り返って─『農民文学』連載コラム
1.「農民」という言葉の消滅
2.「農民」と「百姓」
3.「農民」と「労働者」
4.「農民運動」と「農民自治
5.「農地改革」と「農民」
6.農地改革と「ムラ」
7.戦後初期農村の諸相と「農民」
8.戦後日本の農民像の分岐
9.国連「家族農業の 10年」
10.豊壌・豊穣・豊饒
11.「農民」の英訳は?
第9章 農本主義ふたたび─家族農業=小農制農業の思想論
1.「農業は農業である」─新しい農本主義の提唱
2.農本主義思想の源流─安藤昌益の直耕の思想
3.江戸時代末期、そして明治期の農本主義
4.昭和戦前期の農本主義(1) 「もつれ」と「呪縛」を解くために
5.昭和戦前期の農本主義(2) そのさまざまな広がり
6.むすびに
第Ⅲ部 旧稿再録
はしがき
第 10章 除草技術論─最近のパラコート剤問題と除草技術の構造…
1.はじめに
2.農薬としてのパラコート剤の位置
3.農薬としてのパラコート剤の問題性
4.パラコート剤と除草技術の構造
5.むすび
第 11章 農村市民社会論─農村市民社会形成へのヴィジョンと条件
1.問題認識
2.1990年代の新しい時代条件
3.農村地域社会と農村地域生活者の現在
4.これからの農村地域ヴィジョンと課題
第12章 農法論の時代的構図─世紀的転形期における農法の解体・独占・再生
1.本章の意図と概要…
2.20世紀における農法の近代と現代(歴史過程の概観)─近代・農法確立と現代・農法霧散の過程
3.アグリビジネスの農学・技術論と私的独占の論理(現状分析の枠組み)─バイオ技術の登場とアグリビジネスの技術戦略
4.地球環境問題と全社会的レベルでの「農法」再生への課題(時代的展望)
─農村市民社会は全社会的レベルでの「農法=循環型社会システム」の再生を先導的に担い得るか
第 13章 環境農業政策論─環境保全型農業から環境創造型農業へ
1.農法の実施が国富・地富を創り、積み上げる
2.農薬や化学肥料の飛散防止は使用者側の責任へ
3.農業への PPP原則の適用問題
4.環境保全型農業から環境創造型農業へ─「農業が自然を創る」という概念の意義
あとがき