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希望の教育学
原書: Pedagogia da Esperan溝
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2001年11月
- 書店発売日
- 2001年11月10日
- 登録日
- 2010年2月18日
- 最終更新日
- 2025年9月5日
紹介
いまある状態が、すべてではない。ものごとを変える、変えることができる、という意志と希望を失ったそのときに、教育は、被教育者にたいする非人間化の、抑圧と馴化の行為の手段になっていく。いまある所与の状態を引き受け、それを直視しつつ、誠実かつ老獪に「可能な夢」を模索する教育思想家フレイレの晩年の主著。
前書きなど
訳者後書きから
本書は,Paulo Freire Pedagogia da Esperan溝 Um reencomtro comapedagogia do oprimidoの全訳です。底本としては、PazeTerra発行の第2版を使いました。
1970年に刊行された『被抑圧者の教育学』は、世界中のいたるところで読みつがれて教育思想の「現代の古典」となっていますが、今日の状況とのかかわりを通して、著者自身がそれをあらたに「再読」した記録が、この本といえましょう。自著を再読する、ということは、それをくりかえしre-createする,というこつでもあるわけです。同時にこの本には『被抑圧者の教育学』の成立の経緯なども語られていて、第三世界の激動する歴史の証言としても重要なものでしょう。
原テキストは息の長い、連想・飛躍・転調が複雑に織り込まれた、かなり手の込んだ文章です。その意味では難文といってもよいのでしょうが、ブラジルの読者の多くは、このテキストから聞こえてくるフレイレの「声」に耳を傾けているのだと思います。国文学者の広末保氏は『元禄期の文学と俗』のなかで、「西鶴はかくことによって、話術を、読むことのできる話術として再現した」と指摘していますが、フレイレのこの本も「読むものをして、話を聞いているような気にさせてしまうかきかた」で書かれています。それはたんに「話術」を文字に書き取るということではなくて、「読まれる話しことば」「書かれる話しことば」を、あらたに開発していく試みでもあるでしょう。
上記内容は本書刊行時のものです。
