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楽譜の校訂術
音楽における本文批判:その歴史・方法・実践
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2023年3月31日
- 書店発売日
- 2023年4月28日
- 登録日
- 2023年3月22日
- 最終更新日
- 2023年4月25日
紹介
楽譜の校訂について,音楽における「本文批判」の見地から,その歴史,方法論,実際の適用における諸問題をコンパクトにまとめた貴重な書。
いわゆる原典版・実用版・正統性といったことも何度も触れられており,楽譜のユーザー(演奏者/研究者)には必読の内容となっている。さらに興味深いのは,楽譜校訂そのものが実に創造的でスリリングな営みであることを現場からリアルに描きだしていること。そして「音楽にとって楽譜とは何か」という本質的な問いを投げかけていることである。
はじめに校訂理論の歴史的な展開と,楽譜の特殊性について触れ,続いて実際の校訂の手順にのっとりつつ,以下のような話題が取り上げられる。(1)音楽史料の性質と校訂の下準備,(2)音楽史料間における派生関係の扱い,(3)テクストの確定と具体化,(4)ケース・スタディ。(5)補遺:史料調査における諸要素や用語,必須となる参考資料。
取り上げられる例は古楽から現代音楽,オペラ,交響曲など幅広く,楽譜校訂の未来,CD-ROMその他の電子媒体への適用可能性についても触れられている。
日本語版刊行にあたり,著者グリーアによる新たな序文と最新資料の紹介を掲載。
訳者による詳細な用語集つき。
目次
序
日本語版への序(校訂に関する最新の文献リストを含む)
凡例
1 序:校訂者の課題
2 音楽史料の性質
3 楽譜史料と系統的派生関係
4 誤記,異読,校訂上の判断:テクストを確定する
5 テクストの表現方法
6 結語:校訂者の姿勢
7 エピローグ
(1)ド・シャバンヌ(989-1034) の筆跡で筆写された楽曲の校訂譜
(2)モーツァルト《交響曲第36番ハ長調「リンツ」》 K. 425. クリフ・アイゼン編(London, 1992)
(3)ヴェルディ《ドン・カルロ》 ウルスラ・ギュンター編 (Milan, 1980)
補遺(史料の所在,調査,記述,転写)
参考文献(手稿譜,校訂楽譜,論文と単行本)
用語集(訳者編)
索引
上記内容は本書刊行時のものです。