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大学生のための「健康」論 電気通信大学健康・スポーツ科学部会(編) - 道和書院
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大学生のための「健康」論 健康・運動・スポーツの基礎知識

発行:道和書院
B5判
縦257mm 横182mm 厚さ10mm
重さ 430g
224ページ
並製
価格 2,200円+税
ISBN
978-4-8105-2132-0
Cコード
C3075
専門 単行本 体育・スポーツ
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2016年3月
書店発売日
登録日
2016年2月15日
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重版情報

2刷 出来予定日: 2018-04-01

目次

第1章 健康を考える
1.1 健康を考える
1.2 健康の社会的マネジメント
1.3 我が国の動向
1.4 健康の個人的マネジメント

第2章 疾病予防論
2.1 生活習慣病
2.2 感染症

第3章 メンタルヘルス論
3.1 精神の正常と異常――健康と病気
3.2 心身相関
3.3 精神障害の分類
3.4 青年期の身体と心性
3.5 青年期に多い精神障害とその治療
3.6 精神の健康増進と予防――キャンパスでのメンタルヘルス

第4章 体力論
4.1 体力とは何か
4.2 体力診断
4.3 青少年の体力
4.4 加齢と体力

第5章 運動プログラム論
5.1 身体活動プログラムの考え方
5.2 運動の実際

第6章 スポーツと健康論
6.1 スポーツと寿命
6.2 スポーツとスキル
6.3 運動スキルの学習

第7章 運動文化論
7.1 身体運動と文化
7.2 運動・スポーツの文化と思想
7.3 現代のスポーツ・身体運動

第8章 食の健康論
8.1 日本人の食生活推移
8.2 各栄養素の役割
8.3 食に関する日本の政策
8.4 PFCバランスと健康
8.5 スポーツと栄養

●資料
1 健康にまつわるトピックス
  1)飲酒と健康
  2)たばこと健康
2 日本人の体力標準値
3 文部科学省新体力テスト実施方法

●コラム
「健康を考える」動機づけ
世界保健機関憲章前文 (日本WHO協会仮訳)
健康を決定する社会的要因
身体組成・指数
老化は”脚”からやってくる! 歩く能力は”足”から衰える!!
熱中症の予防を考える
メンタルトレーニング
スポーツの原義:carry away
ゴルフ
肉を食べると糖尿病になる??
筋トレはダイエットに効果的か?

前書きなど

はじめに

A message to parents from Magic Johnson
 "I got the results of my HIV antibody test less than two months after I'd married my college sweetheart, Cookie, and less than seven weeks after she and I learned she was pregnant.
---- I got HIV because I had unprotected sex. I got HIV because I thought HIV could never happen to someone like me.
---- Because of my infection, I had unknowingly put Cookie and our unborn child at risk, too.
Fortunately, my wife has tested negative for the virus."
(World AIDS Day Newsletter, No.3, 1994)

 この文章は,NBA (National Basketball Association) のスーパースター、マジック・ジョンソン(Magic Johnson)がHIV (Human Immuno-deficiency Virus) に感染したことがわかったときの後悔と不安を述べたものである.
 21世紀は,健康科学・医科学の領域においてもさらに著しい進展が予測され,我々の健康について何の不安もないように思える.しかし,本当にそうであろうか.ここに示したHIV についても,もともと猿がもっていたウイルスであり,また,世界規模で流行し,多くの死亡者を出したSARS (Severe Acute Respiratory Syndrome) やMERS (Middle East Respiratory Syndrome) の原因であるコロナウイルス (Corona Virus) も動物のもつウイルスである.環境の変化にともないウイルスも様々に変異し,人間に感染するようになったのである.新薬や新たな治療法の開発で克服される疾病がある一方,このように人類にとっての新たな脅威となるような疾病も生まれている.今後,科学技術や医学が如何に進歩したとしても,疾病に対する正しい知識をもって予防に努めることや健康に対する意識を高めることなしに健康を維持することは難しいのである.
 身近な問題に触れてみよう.日本は1970(昭和45)年に高齢化社会を迎え,1994(平成6)年に高齢社会となった.そして,2007年には高齢化率が21%を越えて超高齢社会に突入した.このような急速な高齢化は世界でも他に類をみない.このような社会においては,個々人が健康であり続けることが「国民的課題」といえ,「健康長寿」社会を実現するために様々な方策が提唱されている.健康長寿の実現には,幼少期,青年期を経て壮年期,中年期,老年期に至る人生のすべてのステージにおける健康問題を考えることが重要である.ところが,子どもの遊びは時代とともに変化し,外で遊ぶ子どもは少なくなった.その結果,最近まで青少年の体力は低下し続けてきた.また,科学技術の発展は我々の生活を便利にしたが,その一方で,運動不足や肥満を増加させてしまった.例えば,自動車によるモータリゼーションは,我々の移動を容易にした半面,自分の脚で歩く機会を確実に奪ったのである.また,近年の情報通信技術の発展は距離や時間を越えた新しいコミュニケーションを可能としたが,対面でのコミュニケーションの機会を減少させ,テクノストレスと呼ばれるストレス症状も生んでいる.このような状況の中で,我々はどのように心(精神)と身体の安寧を保持していけばよいのであろうか.
 本書は,このような健康に関わる様々な問題を取り上げ,現在あるいは未来に向かって生きていくためにどのように考えればよいのかを著したものである.本書は,2014(平成16)年4月に出版された『健康論』の内容を引き継ぎ,改訂を加えたものであるが,幾つかの章においては内容を大幅に刷新し,現在の健康問題により相応しいものとした.そのため,タイトルを改め,『大学生のための「健康」論――健康・運動・スポーツの基礎知識』とした.大学の授業での利用を想定しているため,タイトルに「大学生」を入れているが,全ての世代の人に読んでもらいたい内容である.
 本書は以下に示す8章から成る.「第1章 健康を考える」では,人間にとって健康を考えることの意味や健康のマネジメントを問題にし,「第2章 疾病予防論」では,主に生活習慣病と感染症について取り上げ,その対処を考え,「第3章 メンタルヘルス論」では,心(精神)の健康とその保持を取り上げた.「第4章 体力論」では,体力の概念や体力と健康の関わりについて取り上げ,「第5章 運動プログラム論」では,具体的な体力増進のための方法を示した.「第6章 スポーツと健康論」では,スポーツと健康の関係やスキルについて取り上げ,「第7章 運動文化論」では,運動のもつ文化性に着目し,運動の意味を問い,「第8章 食の健康論」では,食事および食行動と健康との関わりを示した.
 今後,健康の維持にとってはますます厳しい社会環境が予測され,各自が健康について考えざるを得ない状況が生じる.本書がその時の一助になることを願っている.

著者プロフィール

電気通信大学健康・スポーツ科学部会  (デンキツウシンダイガクケンコウスポーツカガクブカイ)  (

〔執筆者略歴〕
長澤純一(第1章 健康を考える):電気通信大学 大学院 基盤理工学専攻 准教授.学術博士.専門:応用健康科学,環境生理学.
鶴ヶ野しのぶ(第2章 疾病予防論):電気通信大学 保健管理センター 准教授.医師,医学博士.専門:内科学,心身医学,公衆衛生学.
田中健滋(第3章 メンタルヘルス論):電気通信大学 保健管理センター 教授.医師,医学博士.専門:精神神経科学.
岡田英孝(第4章 体力論):電気通信大学 大学院 機械知能システム学専攻 教授.博士(体育科学).専門:体育学,スポーツバイオメカニクス,動作解析.
狩野 豊(第5章 運動プログラム論):電気通信大学 大学院 基盤理工学専攻 教授.博士(体育科学).専門:運動生理学,バイオイメージング.
安藤創一(第6章 スポーツと健康論):電気通信大学 大学院 機械知能システム学専攻 准教授.博士(人間・環境学).専門:スポーツ科学,応用健康科学.
深澤浩洋(第7章 運動文化論):筑波大学 体育系 准教授.博士(体育科学).専門:体育哲学,スポーツ哲学.
大河原一憲(第8章 食の健康論):電気通信大学 大学院 情報学専攻 准教授.博士(スポーツ医学).
専門:応用健康科学,エネルギー代謝学,食生活学.
黒谷佳代(第8章 食の健康論):国立国際医療研究センター 上級研究員.管理栄養士,博士(医学).専門:栄養疫学

上記内容は本書刊行時のものです。