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体育・スポーツ・武術の歴史にみる「中央」と「周縁」 藤井雅人(編著) - 道和書院
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体育・スポーツ・武術の歴史にみる「中央」と「周縁」 国家・地方・国際交流

発行:道和書院
A5判
上製
定価 7,000円+税
ISBN
978-4-8105-2130-6
Cコード
C3075
専門 単行本 体育・スポーツ
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2015年2月
書店発売日
登録日
2015年2月25日
最終更新日
2015年2月25日
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紹介

「中央と地方」あるいは「中央と周縁」の対置のもとに、地方および周縁の視点を踏まえて体育史を描いていくことを目指した。また、そうした「地方からみた体育史」という研究視座を、地方に存在する新たな史料の発掘・分析を通して具現化しようと試みた。

目次

第一部 体育史における「中央」と「地方」

明治初期(学制期)における学校体操の普及と官立師範学校の役割
 ―宮城師範学校を中心に―
1907年浜崎伝造の「台北庁体操法教程」についての考察
 ―台湾女子における普通体操を中心として―
国民精神の涵養と体操の日本化
 ―松本学と建国体操―
新制高等学校における体育科教員の教師像
 ―「文検体操科」合格者を中心に―
台湾の大学入試における体育学科実技試験の一考察
 ―戦後(1946)から現在(2014)まで―

第二部 スポーツの展開とローカル・アイデンティティ

アイルランドにおけるラグビーのはじまり
 ―トリニティ・カレッジのフットボールクラブ誕生(1854年)からIRFU(Irish Rugby Football Union) の設立(1879年)まで―
文部省スキー講習会(昭和6年)創設の意義
 ―福井県からの講習会参加者の事例より―
ソビエト占領下ドイツにおける州政府のスポーツ関係規定(1945-1949年)
 ―内容と特徴を中心として―
旧東ドイツの「青少年スポーツ学校」からドイツ統一後の「スポーツ強化学校」への改革・再編について 
21世紀に生きるピエール・ド・クーベルタンのオリンピズム
 ―日本の過去と未来の視点から―

第三部 東アジアの武術交流・発展史

世宗7年(1425)騎馬撃毬の武科試験科目導入の背景
 ―朝鮮朝初期の北方社会状況―
空手道史研究
 ―琉球王国時代における禁武政策史料について―
『武藝圖譜通志』の「長槍」の記述に関する研究
日本泳法の地域的発展
 ―金沢に伝わる清記流の泳法と練習内容―

前書きなど

 本書『体育・スポーツ・武術の歴史にみる「中心」と「周縁」:国家・地方・国際交流』は、金沢大学で大久保英哲先生の教えを受けた体育・スポーツ史の研究者によって書き下ろされた研究論文集である。

 本書の目次を見通したならば、ここに掲載されている論文のテーマが、大久保先生の専門領域である近代日本体育史にとどまらず、非常に多岐にわたっている印象を受けるであろう。それは、先生の指導方針として、研究テーマの選択の際、研究に取り組む本人の関心・意向が最大限に尊重されていたことが大きい。かつて執筆者たちの多くは、かなり自由に自身の研究テーマを選び出し、先生の適切な指導・助言を得ながら研究に取り組むことができた。本書は、そうした先生の指導方針のもとで育った、年代、国・地域、身体活動領域などの点でかなり異なった研究関心を有する14名の研究者の論文によって構成されており、その内容は多様性に満ちたものとなっている。

 第一部「体育史における『中央』と『地方』」は、日本と台湾における体育・体操をテーマとする論文から構成されている。そこでは特に、中央や国家の動向を対置させつつ地方や植民地の視点から得た研究成果によって従来の体育史全体の再構成を図るような試みが見られる。また、中央より発信された体操が、地方にどのように普及・定着していくのかという問題意識にも取り組んでいる。

 第二部「スポーツの展開とローカル・アイデンティティ」では、「イギリスとアイルランド」「政府・文部省と地方」「占領国ソビエトと被占領国ドイツ」「旧東ドイツと統一ドイツ」というそれぞれの関係性の中で、スポーツが地域独自の展開を見せてきた様相が描かれている。また、欧米中心主義のオリンピズムを日本の嘉納治五郎の教育思想というローカルな視点から再解釈し、新たな意義を見出そうとする取り組みも見られる。

 第三部「東アジアの武術交流・発展史」では、東アジア、特に朝鮮、琉球王国、日本における武術史の実相の解明が、それぞれ地方に軸足を置いて試みられる。ここでは、日本、琉球王国、朝鮮における武術の発展が、地方の社会的状況や地政学的意義、またそこでの政策展開が及ぼす影響、中国をはじめとする近隣諸国との武術交流、特定の中心人物による地方への伝播・普及の実態といった観点から論じられている。

上記内容は本書刊行時のものです。