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ドキュメント しくじり世代 日野 百草(著) - 第三書館
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ドキュメント しくじり世代 団塊ジュニア・氷河期中年15人の失敗白書

発行:第三書館
四六判
並製
価格 1,200円+税
ISBN
978-4-8074-1919-7
Cコード
C0036
一般 単行本 社会
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2019年7月9日
書店発売日
登録日
2019年6月26日
最終更新日
2019年7月10日
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紹介

いまや40代の大半を占める団塊ジュニアと氷河期世代15人から聞き取り、
そのしくじり失敗人生を赤裸々に語ってもらったドキュメント。
ほとんど全員が「やり直してみたい」と総括する2000万人誕生の絶景。

目次

十五人の「しくじり」

テレビディレクター
●出身:埼玉県   ●学歴:関東の中堅私大卒
●家庭:独身、実家住まい ●経歴:元テレビ制作会社社員(ディレクター)
●現在:ニート   ●将来:テレビ屋以外に何かしたい

エリート
●出身:東北   ●学歴:名門公立高校、国立大学卒
●家庭:独身、都内賃貸マンション住まい   ●経歴:大手損害保険会社社員
●現在:同上   ●将来:結婚したい

お笑い
●出身:滋賀県   ●学歴:底辺公立高校卒
●家庭:独身、都内アパート住まい   ●経歴:芸人養成学校卒業後、芸能事務所を転々とする
●現在:日雇い派遣で生活費を稼ぐ、フリーランスの芸人   ●将来:売れたい

ネトウヨ
●出身:東北   ●学歴:私立大学卒
●家庭:独身、実家住まい   ●経歴:信用金庫職員
●現在:子会社出向、個人的にアフィリエイト   ●将来:特亜を何とかしたい、大和撫子の嫁が欲しい

バンドマン
●出身:宮崎県   ●学歴:田舎の底辺高校卒
●家庭:独身、期間工向けの寮住まい   ●経歴:アマチュアバンドマン
●現在:自動車工場の期間工   ●将来:生活保護で暮らしたい

ブス
●出身:東北   ●学歴:名門公立高校、国立大学卒
●家庭:独身、賃貸マンション住まい   ●経歴:イラストレーター、漫画家
●現在:漫画家(主にデジタルコミック)   ●将来:これからも素敵な作品を描きたい

元ヤン
●出身:茨城県   ●学歴:底辺私立高校卒
●家庭:独身、関東近郊の賃貸アパート住まい   ●経歴:運送会社、派遣など転々
●現在:リサイクルショップスタッフ   ●将来:自分の店を持ちたい

ゲームライター
●出身:関東   ●学歴:専門学校卒
●家庭:独身、賃貸アパート住まい   ●経歴:出版社の契約社員、ライター
●現在:フリーライター(開店休業状態)   ●将来:安定した仕事に就きたい

劇団員
●出身:福島県   ●学歴:女子大卒
●家庭:既婚子なし   ●経歴:一般職をしながら劇団員
●現在:専業主婦   ●将来:できれば子供は欲しい

元銀行マン
●出身:北海道   ●学歴:札幌の名門公立高校卒から北大卒
●家庭:独身、実家住まい   ●経歴:拓銀入行、破綻後信販会社
●現在:地元の農協勤務   ●将来:二十代の女性限定で結婚したい

高卒
●出身:中国地方   ●学歴:地方の工業高校卒
●家庭:独身、実家住まい   ●経歴:大手電機メーカーの工場勤務
●現在:工場のライン責任者   ●将来:親の面倒を見てくれる若い子と結婚

子供部屋おじさん
●出身:茨城県   ●学歴:名門公立高校卒
●家庭:独身、実家住まい   ●経歴:大手商工ローン勤務
●現在:自宅警備員   ●将来:ゲーム会社とか面白い仕事がしたい

自称漫画家
●出身:北関東   ●学歴:底辺高校中退
●家庭:独身、実家住まい   ●経歴:中退後引きこもり
●現在:漫画執筆(完成したことはなし)   ●将来:バカにした連中を見返したい

ネット民
●出身:埼玉県   ●学歴:ゲーム専門学校中退
●家庭:独身、実家住まい   ●経歴:ゲームセンターのアルバイト店員
●現在:ニート   ●将来:彼女が欲しい、エッチがしたい

自営業
●出身:東北   ●学歴:都内の中堅私立大学卒
●家庭:独身、自宅兼事務所のワンルーム住まい   ●経歴:中小の広告代理店を経て独立
●現在:広告業   ●将来:地元に戻ってノマド暮らしをしたい


しくじり座談会
 ●日野百草 1972年生まれ
 ●矢野新一(仮名)1973年生まれ、会社員 ※本書「エリート」の語り手
 ●田中清美(仮名)1973年生まれ、漫画家 ※本書「ブス」の語り手

団塊ジュニア文化解説
 ●コミック ●ゲーム ●アニメーション
 ●パソコン(インターネット) ●スポーツ ●その他カルチャー
 ●アダルト ●偏差値 ●政治

おわりに――何者にもなれなかった私ち

前書きなど

しくじり世代 ―いま、中年となって―  
 
 私達が団塊ジュニアと呼ばれ、そして後に氷河期世代と呼ばれて、どのくらいの時が経っただろう。
 若い若いと言われ続けた団塊ジュニアは、ついに社会的な区分で言うところの、中高年を迎えてしまった。
 昭和、平成、令和――すっかりおじさん、おばさんである。
 1971年から1974年までのコア団塊ジュニア、そして1975年から1981年のポスト団塊ジュニアを足せば、その数は総務省統計局の平成 30 年人口推計による出生数から算出すると、およそ二千万人にも及ぶ。
 この私達二千万人はいまやアラフォーを迎えるに至った。立派な中年のおじさんおばさんである。地域差はあれど、何クラスもある学年とすし詰めの教室、鬼倍率の高校受験や大学受験、その間にバブルは弾け、就職氷河期の社会に放り出された(団塊ジュニアの高卒の一部はバブル末期に就職出来た層もいるが)。二十代、三十代、そして四十代といま幸せだろうか?
 思えばバブル崩壊、阪神淡路大震災、オウム真理教事件、ウィンドウズ発売、山一ショック、ITバブル、リーマンショック、東日本大震災と、戦前の人々に比べればとはいえ、よく生きてこられたと思う。実際、病気や事故、災害、そして自死で心半ばに死んでいった同じ団塊ジュニアはたくさんいる。私にもいる。
 私達は正社員かもしれない、非正規かもしれない、スーパースターとして大金を稼いでいるかもしれないし、いまだにフリーターやニート、引きこもりの境遇にあえいでいるかもしれない。病気で苦しんでいるかもしれないし、心を病んでいるかもしれない。アラフォーとなり、私達団塊ジュニアの格差も明確になりつつある。人によっては、残念ながらもう逆転には時遅し、かもしれない。
 だが私達にはチャンスもあったはずだ。 90 年代初期はバブルが弾けていたとはいえ、まだ景気は悪くなかった。ウィンドウズやインターネット勃興期、これまでにないITビジネスのブルーオーシャンは広がっていた。社会構造の変革は NGO や NPO を普及させ、アニメや漫画、ゲームといったエンタメは新たなデジタル技術によって市場を広げ、クールジャパンとまで呼ばれるに至った。そして IT バブルはアラサーの私達にとって千載一遇のバブル到来であった。のちにリーマンショック、東日本大震災があったにせよ、いまもIT長者やその幹部の多くに団塊ジュニアが名を連ねていることは事実である。そこまででなくとも、多くはこのチャンスの中で、仕事を得て、家庭を持ち、マイホーム、マイカーを持ち、そして子を育てていることだろう。このどれかが欠けていたとしても、それはそれで個人の幸せを享受していることだろう。
 だが、このどれも持たない「私達」もいる。
 独身非正規かつ貧しく、親にも頼れない団塊ジュニアのおじさんおばさんである。もうアラフォー、下手をするとアラフィフに片足を突っ込んでいるというのに!
 私達は、仲間は、どこで「しくじった」のだろうか。
 
 本書は十五人の団塊ジュニアおよびポスト団塊ジュニア(氷河期世代)から聞き取り、そのしくじりを赤裸々に語ってもらったドキュメントである。人によっては不適当な発言や眉をひそめるような物言いをする人もいたが、あえて出版できると判断した限りの表現はママとした。そのためいわゆる「ら抜き」「い抜き」言葉など口語言及における言葉の乱れも各人の特徴、感情など分かりやすく伝えるためママとしている。また座談会として私と十五人のうちの二人と団塊ジュニアについて忌憚なく語らせてもらった。そして団塊ジュニアの文化についての解説を補完したが、特殊な用語、スラングに関して世代によっては説明不足かもしれないが、理解の取り掛かりとしての役割は果たしていると考える。
 
 本書を世に出す機会を与えてくださった第三書館の北川明氏、そして紹介してくださった俳人の松田ひろむ氏にお礼を申し上げたい。
 また、本書のために話をしてくれた方々はもちろん、彼ら彼女らに引き合わせてくれた業界諸氏、その中でも昨年急逝された編集者、石坂篤氏に改めてお礼を申し上げたい。「僕じゃ駄目ですかね、僕も出たいんですけど」と屈託なく語る笑顔が浮かぶ。ありがう。
 実のところ、怒って途中で帰ってしまった人や、結局自分のことをあまり語らないままで掲載できなかった人もいた。私の力不足が招いたこととお詫びしたい。
 
 私達がしくじったことへの反省、もう一度前を向くための本書となれば幸いである。
                                  
日野百草

版元から一言

みんな、ひとりぼっち。
それでも、いっしょに、たそがれて、いくのだ。

しくじり世代(71~81年生まれ)2000マン人の等身大自画像集

著者プロフィール

日野 百草  (ヒノ ヒャクソウ)  (

1972年生まれ。日本福祉大学、大手前大学卒業。専攻は社会保障および現代社会学。

福祉学、社会学の観点における団塊ジュニア・氷河期世代を軸とした世代間格差と8050問題への疑問から、それまでの上崎洋一(よーいち)としてのゲーム、アニメ、コミックなどサブカルチャー業界での経験と人脈を元にフィールドワークを始め、本書を上梓。

評論「『砲車』は戦争を賛美したか -長谷川素逝と戦争俳句-」で第十四回日本詩歌句協会奨励賞受賞。

作品「過去帳」で第一回全国俳誌協会賞受賞。
「少年兵」で第四十六回新俳句人連盟賞選外佳作。
句集『無中心』(第三書館)

上記内容は本書刊行時のものです。