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発明の容易想到性・進歩性の判断基準-事例研究- 特許業務法人 深見特許事務所(編集) - 経済産業調査会
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発明の容易想到性・進歩性の判断基準-事例研究- (ハツメイノヨウイソウトウセイシンポセイノハンダンキジュンジレイケンキュウ)

社会科学
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A5判
680ページ
定価 5,900円+税
ISBN
978-4-8065-3035-0   COPY
ISBN 13
9784806530350   COPY
ISBN 10h
4-8065-3035-2   COPY
ISBN 10
4806530352   COPY
出版者記号
8065   COPY
Cコード
C2030  
2:実用 0:単行本 30:社会科学総記
出版社在庫情報
不明
書店発売日
登録日
2019年1月18日
最終更新日
2019年1月18日
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紹介

 進歩性、容易想到性は規範的要件であり、まずは審査官が判断するだけに、その判断が個別の審査官によって大きく崩れるようでは、産業界は混乱することとなるでしょう。そこで特許庁は進歩性に関する審査基準を作成・公表しています。また、裁判所は、判決において進歩性や容易想到性についての考えを明らかにし、個別の事件に評価・判断を示しています。このように、特許庁の進歩性に関する審査基準と、裁判所の進歩性・容易想到性に関する判決を十分に理解し、その理解を前提に特許実務に反映することは極めて重要なことと言えます。

 このように、特許庁の進歩性に関する審査基準と、裁判所の進歩性・容易想到性に関する判決を十分に理解し、その理解を前提に特許実務に反映することは極めて重要なことと言えます。著者の事務所では進歩性判例研究会を設置し、多くの事務所内の弁理士が参加し、進歩性に関わる特許庁の審査基準と、判決について検討を重ねて来ました。規範的要件としての進歩性・容易想到性について深く研究し、特許実務に的確に反映していくことがその目的であります。今回、そうした研究の成果を一冊の研究書として取りまとめ、出版することとなりました。

 1~2章は、制度の歴史、経緯、他国の状況について、3章から11章までは53件の事件について、概要、特許庁の判断、裁判所の判断を考察し、読者の今後の実務に活かせるポイントが述べられています。

 特許実務に日々関わる専門家が、実務に関連して審査基準や判決を検討したところに意味を見出せればと考えています。

目次

はじめに

第1部 発明評価の歴史

第1章 発明の容易想到性 その歴史
1.1 特許される発明の条件
1.1.1 容易想到性、自明性あるいは進歩性
1.1.2 有用性評価の時代から進歩性判断の時代へ
1.2 発明の有用性評価の時代
1.2.1 ヴェネツィア共和国特許審査委員会
1.2.2 革命前のフランスにおける発明の評価
1.2.3 ジェファーソン国務長官による発明審査
1.3 有用性評価から非自明性の判断へ:米国
1.3.1 厳しい審査の時代
1.3.2 非自明性要件が法制化される
1.3.3 非自明性に関する判断基準
1.3.4 KSR判決によるTSMテストの見直し
1.4 欧州における発明進歩性
1.4.1 英国における進歩性の考え方
1.4.2 ドイツにおける進歩性
1.4.3 欧州特許庁における進歩性
1.5 日本の容易想到性の制度設計
1.5.1 専売特許条例から大正10年特許法へ
1.5.2 容易想到性の規定
1.5.3 審査基準の作成
1.5.4 1993年進歩性審査基準
1.5.5 2000年進歩性審査基準
1.5.6 知的財産高裁の容易想到性をめぐる判決
1.5.7 2015年進歩性審査基準

第2章 容易想到性の判断基準(石井 正)
2.1 容易想到と判断するためには
2.1.1 規範的要件としての容易想到性
2.1.2 評価根拠事実と評価障害事実
2.1.3 技術効果の評価、発明創作の困難性
2.1.4 審査基準、マニュアル、ガイドラインそして判例
2.2 日本の容易想到性審査基準
2.2.1 基本的な考え方
容易想到の論理づけ/その判断手順/進歩性が否定される方向に働く要素/進歩性が肯定される方向に働く要素/2015年審査基準と2000年審査基準の違い
2.2.2 主引用発明に副引用発明を適用する動機付け
適用の動機をどのように説明するか/技術分野の関連性/課題の共通性/作用、機能の共通性/引用発明の内容中の示唆
2.2.3 設計変更、単なる寄せ集め
動機付け以外に進歩性が否定される要素/設計変更など/先行技術の単なる寄せ集め
2.2.4 進歩性が肯定される方向に働く要素
引用発明と比較した有利な効果/引用発明と比較した有利な効果の参酌/意見書等で主張された効果の参酌/阻害要因/商業的成功

2.2.5 後知恵について
発明をする時と、評価をする時/審査基準における後知恵
2.3 米国審査マニュアルにおける非自明性基準
2.3.1 米国特許審査マニュアル
2.3.2 グラハム判決
2.3.3 自明性判断の理論的根拠
2.3.4 米国最高裁の非自明性判断
2.4 欧州特許庁における進歩性審査基準
2.4.1 欧州特許庁特許審査ガイドライン
2.4.2 ガイドラインにみる発明の進歩性審査基準

第2部 判決研究

第3章 発明、先行技術の認定(深坂 俊司)
・平成6年(行ケ)第50号[安全靴](中西 輝)
・平成19年(行ケ)第10377号[高選択的ノルエピネフリン再取込みインヒビター及びその使用方法](深坂 俊司)
・平成21年(行ケ)第10253号[ハードゼラチンカプセル及びハードゼラチンカプセルの製造方法](深坂 俊司)
・平成21年(行ケ)第10179号[ヒートセル](岡 始)
・平成22年(行ケ)第10371号[排気熱交換器](深坂 俊司)
・平成25年(行ケ)第10215号[洗濯物を湿潤処理するための方法および装置](梅﨑 真紀子)
・平成26年(行ケ)第10150号[オーバーヘッドホイスト搬送車](深坂 俊司)

第4章 技術分野の関連性(十河 陽介・冨永 賢二)
・平成9年(行ケ)第86号[緊急車運行制御システム](鞍掛 浩)
・平成12年(行ケ)第388号※[車載エンジン点火装置](冨永 賢二)
・平成22年(行ケ)第10298号[逆転洗濯方法および電動機](冨永 賢二)
・平成23年(行ケ)第10268号[遊技機の基板収納ボックス](中田 雅彦)
・平成23年(行ケ)第10021号[積層材料、積層材料の製造方法および包装容器](冨永 賢二)
・平成23年(行ケ)第10297号[球技用ボールにおける外皮側とボール側との接着方法](十河 陽介)
・平成25年(行ケ)第10069号[手羽中の骨とりハサミ](十河 陽介)

第5章 課題の共通性(梅﨑 真紀子・鞍掛 浩)
・昭和55年(行ケ)第319号[電子楽器装置](梅﨑 真紀子)
・平成2年(行ケ)第157号[導電性複合繊維](梅﨑 真紀子)
・平成8年(行ケ)第21号[段ボールシート用印刷機のインキ供給・回収機構](岡 始)
・平成13年(行ケ)第444号[メッキ設備及びその運転方法](鞍掛 浩)
・平成20年(行ケ)第10130号[レーダ](鞍掛 浩)
・平成24年(行ケ)第10328号[臭気中和化および液体吸収性廃棄物袋]
(中田 雅彦)

第6章 作用・機能の共通性(中田 雅彦)
・平成8年(行ケ)第262号[自動ブランケット洗浄装置](鞍掛 浩)
・平成14年(行ケ)第281号[遊技機](梅﨑 真紀子)
・平成17年(行ケ)第10382号[クレンジングパッド](鞍掛 浩)
・平成21年(行ケ)第10080号[使い捨て温熱身体ラップ](中田 雅彦)
・平成25年(行ケ)第10207号[認証代行装置](中田 雅彦)
・平成17年(行ケ)第10490号[紙葉類識別装置の光学検出部](高橋 智洋)

第7章 引用発明の内容中の示唆(岡 始)
・平成18年(行ケ)第10422号[耐水性で発散作用のある履物用靴底](岡 始)
・平成20年(行ケ)第10205号[ポリマー組成物及びその製造方法](深坂 俊司)
・平成21年(行ケ)第10376号[X線撮影装置](冨永 賢二)
・平成23年(行ケ)第10164号[電池式警報器](中田 雅彦)
・平成22年(行ケ)第10187号[伸縮可撓管の移動規制装置](土谷 和之)
・平成24年(行ケ)第10278号[換気扇フィルター及びその製造方法](高橋 智洋)
・平成26年(行ケ)第10143号[立体網状構造体製造方法および立体網状構造体製造装置](岡 始)

第8章 設計変更、単なる寄せ集め(中西 輝)
・平成18年(行ケ)第10488号[LED調光駆動回路](冨永 賢二)
・平成25年(行ケ)第10034号[継手装置](中西 輝)
・平成19年(行ケ)第10238号[蓋板を備えたコンクリートブロック](中西 輝)
・平成20年(行ケ)第10405号[インクカートリッジおよびインクカートリッジホルダ](土谷 和之)
・平成22年(行ケ)第10234号[無水石膏の製造方法及び無水石膏焼成システム](十河 陽介)
・平成25年(行ケ)第10234号[基板製品を製造する方法](中西 輝)

第9章 格別な効果(高橋 智洋)
・平成13年(行ケ)第96号[温風暖房機](高橋 智洋)
・平成20年(行ケ)第10026号[動的な乗り物](梅﨑 真紀子)
・平成25年(行ケ)第10078号[マチ付きプラスチック袋](十河 陽介)

第10章 阻害要因(土谷 和之)
・平成13年(行ケ)第64号[中空糸型膜分離ユニット](中西 輝)
・平成17年(行ケ)第10748号[多極型モジュラジャック](高橋 智洋)
・平成20年(行ケ)第10338号[ダイセット及びダイセットの製造方法](高橋 智洋)
・平成22年(行ケ)第10357号[ゴルフボール](土谷 和之)
・平成23年(行ケ)第10237号[歯車ポンプまたはモータ](土谷 和之)
・平成19年(行ケ)第10007号[燃料電池用シール材の形成方法](土谷 和之)

第11章 化 学(中村 敏夫)
・平成17年(行ケ)第10389号[解熱鎮痛消炎剤](中村 敏夫)
・平成18年(行ケ)第10271号[タキキニン受容体拮抗薬2-(R)-(1-(R)-(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)エトキシ)-3-(S)-(4-フルオロ)フェニル-4-(3-(5-オキソ-1H,4H-1,2,4-トリアゾロ)メチルモルホリンの多形結晶](中村 敏夫)
・平成18年(行ケ)第10482号[工芸素材類を害虫より保護するための害虫防除剤](中村 敏夫)
・平成21年(行ケ)第10238号[日焼け止め剤組成物](中村 敏夫)
・平成24年(行ケ)第10207号[光学活性ピペリジン誘導体の酸付加塩及びその製法](中村 敏夫)

まとめ(石井 正)

資料 日米欧各国の進歩性関連の審査基準
資料1.日本国特許庁 特許・実用新案審査基準 (平成27年9月改訂版)
 「第Ⅲ部 第2章 第2節 進歩性」抜粋

資料2.米国特許商標庁 特許審査便覧(MPEP) (2018年1月改訂版)
「§2143 Example of Basis Requirements of a Prima Facie Case of Obviousness」抜粋

資料3.欧州特許庁 審査便覧 (2017年11月改訂版)
 「G部 第Ⅶ章 Inventive Step」抜粋

上記内容は本書刊行時のものです。