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野生動物の法獣医学 浅川 満彦(著) - 地人書館
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野生動物の法獣医学 (ヤセイドウブツノホウジュウイガク) もの言わぬ死体の叫び (モノイワヌシタイノサケビ)

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発行:地人書館
四六判
縦188mm 横128mm 厚さ17mm
重さ 284g
256ページ
定価 2,100円+税
ISBN
978-4-8052-0957-8   COPY
ISBN 13
9784805209578   COPY
ISBN 10h
4-8052-0957-7   COPY
ISBN 10
4805209577   COPY
出版者記号
8052   COPY
Cコード
C1045  
1:教養 0:単行本 45:生物学
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2021年12月31日
書店発売日
登録日
2021年11月2日
最終更新日
2024年8月21日
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書評掲載情報

2022-05-08 読売新聞  朝刊
評者: 宮部みゆき(作家)
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紹介

野生動物の死体は、法的には「生ごみ」である。しかし大量死には感染症や中毒死の可能性が示唆され、死にざまによっては動物虐待が疑われる。近年、人獣共通感染症をはじめ、動物が関係する案件が増加しており、死因を解明することの重要性も増している。様々な動物で「剖検」の記録を積み重ねてきた著者は、獣医学においても、人間社会の法医学に相当する分野が必要だと主張する。

目次

〈目次〉
はじめに

第1章 なぜ牛大学に野鳥が来る?
鶏の病気がコトの発端/寄生虫を運ぶ袋、野生動物/ワンヘルスと獣医学、そして野生動物医学/そして、不審死体もやって来た……

第2章 どのような死があるのだろう?
自然現象としての死/人為的原因による死/だが、実際は……

第3章 身近な鳥類の大量死はなぜ起こる?
宙に浮く〈塩辛・スルメ〉状死体/獣医病理学のスタンス/道内の野生動物死因解析は……/死体をもらっただけなのに……/まず、受け入れ、それから悩む/餌付けは動物にとってマイナス?/鉛散弾と紛らわしいBB弾/誤った正義感からの毒殺/血液も引力の影響を受ける/救命のため学ぶ毒/生き物の「大樹」で、いったん、整理/頭の失い方で、頭をひねる/珍しい野鳥搬入で雀躍/なりは小さくても、雄弁に語る、語らせる/まず、野鳥の体を測ろう/理不尽な仲間外れは否定/色彩を正しく記録する/森と隣接する建物は配慮が必要/網戸にもぶつかる/死体を目の前に鳥談義/鳥好き子供からの口頭試問/路上死体は交通事故死?/市のシンボルが庭先で散乱

第4章 人間活動が不運な死をもたらす
夜間照明は死の罠/人工的な色素が付着した……/餌じゃないの!?/魚を採る網に、魚を食べる鳥も採られる/人の都合で事案は起きない/しかし、何と言ってもやる気/鳥も釣られる延縄/重油塗れ鳥―油で死んだ? それとも死後付着?/死体流出と大量死の経緯を想像する/油汚染による個体への影響/海鳥の特異的な形態も仇に/より深刻な個体群への影響/さらには個体vs個体群問題に波及/風力発電の風車への衝突/天候異変は浄水場の罠に誘う/輸入家畜飼料に紛れる野鳥/関連事例の紹介と今後

第5章 哺乳類と爬虫類の剖検は命がけ
事案と場所の組み合わせ/路外でも交通事故死/死ぬまでの過程/体毛鑑定/シカ死体は何かとトリッキー/検査に適切な材料とは/シカの剖検では感染症に注意/キツネとタヌキの死体も感染リスクに要注意/感染防止面で心得るべきこと/ついには猫もやってきた/法獣医骨学の恐怖/可哀そうでも洗わないで!/過去からの叫び/猫と言えば鼠/家鼠と溺死/トガリネズミも体育館で遊ぶ?/クジラ類の死体までやってくる/知床のシャチ/蛇にもほんの少しの慈愛を

第6章 野生動物の法獣医学とは?
獣医学とは/既存知識の延長・目新しい組合せなので独習可能/愛護動物とは? 動愛法とは?/愛護動物を対象にした法獣医学の試み/その他飼育動物を対象にした試みと無脊椎動物医学/鳥獣保護管理法とは?/その他の野生動物を対象にした法規/では、野生動物を対象にした法獣医学は?/動物虐待阻止の実学シェルター医学と法獣医学/野生動物の法獣医学と医学(法医学)/野生動物の法獣医学と野生動物医学/シェルター医学の法獣医学との違い/狭義・広義の法獣医学

おわりに

参考文献

索引

著者プロフィール

浅川 満彦  (アサカワ ミツヒコ)  (

1959年、山梨県韮崎市生まれ。
1985年、酪農学園大学大学院獣医学研究科修士課程修了。同年、獣医師国家試験に合格し、北海道大学大学院獣医学研究科進学後、中退。酪農学園大学に助手(寄生虫学)として採用される。
1994年、博士(獣医学)号取得と同時に酪農学園大学の野生動物(医)学担当兼務。
2000年、ロンドン大学王立獣医大学校/ロンドン動物学会共同開講野生動物医学専門職修士課程に入学、翌年、修了。
2004年、文部科学省ハイテクリサーチセンター研究事業の野生動物感染症調査拠点「酪農学園大学野生動物医学センター(WAMC)」施設長兼務。傷病鳥獣の救護や死因解析に携わる。
2007年、教授昇格、獣医寄生虫病学・野生動物学担当。
2009年、日本野生動物医学会認定専門医の資格取得。
現在はWAMC運営のほか、酪農学園大学獣医学類医動物学ユニットも主宰しつつ、市民団体「野生動物の死と向き合うF・VETSの会」代表も務め、法獣医学の啓発活動で多忙。

上記内容は本書刊行時のものです。